2019.06.2 あれこれと考え、休息に身を委ねる

164. 思い巡らす朝
165. 新たな取り組みを書くことを超える休息のニーズ

164. 思い巡らす朝

書斎の窓を開けきるより早く、鳥の声が飛び込んできた。このところよく聞こえてくるハリと奥行きのある中音の声だ。いつも目にしている鳥の中の、どの鳥の声なのだろうか。

昨晩はなかなか寝付くことができなかった。21時すぎ、書棚からアーユルヴェーダマッサージの本を取り出し、ベッドで読み、せっかくなので朝の時間を使ってマッサージをし、アーユルヴェーダ的生活を送ろうかと思いを巡らせていた。セルフチェックによると私はヴァータと呼ばれる風のような性質のようで、軽やかな分、疲れやすいところもあるようだ。一日の中でも、もう少し長い単位の中でも、質の良い休息が不可欠なのだと改めて思った。今もう一度本を読み返すと、今の私は神経系の活動が過度になっているので夕方にゆっくりとオイルマッサージをするのが良さそうだということが分かった。オランダに、この本に書かれている太白ごま油があるかは分からないが、アーユルヴェーダーマッサージオイルのようなものならきっとあるだろう。頭にオイルを含ませたコットンを乗せ脳のトリートメントをする「ピッチタラナ」と呼ばれることもやってみたい。快適な我が家だが、ただ一つ残念なことは浴槽がないことだ。水圧はあまり強くないが、いつでもあたたかいお湯は出るので今のところシャワーでもこと足りてはいて、この間の冬も上下の家にはさまれ保温効果があるのか寒さに悩まされるということはなかった。しかし特に夏の時期こそ体の中が冷えることには注意が必要かもしれないと思っている。このまま浴槽のない生活をするかだけが悩ましいところだ。引っ越しをするとしたら、今よりも静かで浴槽のある家というのが条件になるだろう。(ハーグは、静かなエリアは大きな家の並ぶ住宅地になるので、そこに自分が住むのに適した家があるかどうか分からないのだが)家には冷房がないので家の中で体が冷えるということはないが、一般のスーパーなどはこの時期から結構冷えている。夏に体に溜まった冷えが冬に冷え性などの症状として出てくるという。また、夏にトマトやキュウリなどの体を冷やす野菜を生で多く取ると特に女性は体が冷えすぎてしまうようなのでやはり食生活にも気を配っていたい。

もう一つ、昨晩考えていたのは好転反応についてだった。ヨガや食生活の改善など多くのことで好転反応が出ることがあると言われている。体がだるくなったり、風邪のような症状が一時的に出るたりするものだ。それまで積み重なってきたことを変えるのだから、何かしら身体に反応は出るだろう。食生活など、これまでの人生、何十年の間積み重ねてきたものだからそれを変えると当然何かしらの反応は出るだろう。それは1週間後かもしれないし、1ヶ月後かもしれない。「そういうこともあるのだ」と、即物的な結果を手放し、大きな変化とその中にある小さな変化、どちらも捉えてゆくというように、気持ちに余裕を持って、長い時間の流れに身を委ねられたらと思う。

人間の意識にも同様のことが起こるだろう。新しいステージに進むとき、これまで自分の一部(もしくは全部)だったものから離れて行くような気がして、そこに葛藤や苦しみを感じる。そしてそこからまたゆるやかに、あらたな枠組みの中へと入って行きそれを固めていくような、安定に向かう時期がある。大きな時間の流れの中で、そんなことが繰り返し起こって行くのだろう。かつそれが、ある面では解体が起こり、ある面では再構成がはじまっているというように多重的に起こっているのだと想像する。身体もやはり、色々なことが同時に起こっているのだろう。それを許容できる「余白」を持つことが私自身のテーマであり「あわい」として、世の中に投げかけたことでもあるのだと思う。

先ほども「声も言葉も余白が大事だな」ということを白湯を飲みながら考えていた。自分が自分の発したものを受け取る余白、相手から何かを受け取る余白があるだろうか。このテーマについてはこれからも考えていきたい。2019.6.20 Thu 8:53 Den Haag

165. 新たな取り組みを書くことを超える休息のニーズ

体が驚くほどあたたかい。これはオイルマッサージの効果だろうか。

昼間、小雨の合間をぬってオーガニックスーパーまで行った。アーユルヴェーダのマッサージを行うためにごま油を手に入れるためだ。我が家にある本には「太白ごま油を使う」と書かれていたが、スーパーにあったのはものには「sesame oil」と書かれているだけだった。英語の説明部分を読み、それが非加熱であり、私が探している「太白ごま油」とほぼ同じものだと認識して購入することにした。また、スーパーの中でごま油以外にもアーユルヴェーダマッサージに適したオイルは何だろうとスマートフォンで調べていると「ghee(ギー)」というバターの情報に出会った。インドでは最も優れたオイルと言われていて、アーユルヴェーダの万能オイルとして使われているという。そして天然の牧草で飼育された牛の乳から作ったgheeの中にはオランダの産のものがあるという。多少日本での商業的な宣伝文句も含まれているかもしれないが、オランダのオーガニック企業が作ったものであれば試してみてもいいかもしれないと顔を上げると、ちょうど目の前に、見ていたサイトのページに載っていたものと同じ青いラベルのついた瓶が並んでいた。ついこの前もオイルのコーナーにきたときに散々見ていたはずなのに全く記憶にない。やはり人の視覚情報と記憶というものは、そのときのアンテナに引っかかるものしか視覚野に投影されていないらしい。今すでに摂っているアマニ油やヘンプオイル、ココナッツオイルとの使い分けの検討が必要だが、マッサージにも使えるということで試しに購入してみることにした。そしてもう一つ、今日はホワイトマルベリーという果物がドライになっているものも手に入れた。日本では桑の実と呼ばれ、ビタミンAを豊富に含み、血糖値を下げる働きもあるようで、スーパーフードという記載もあったので、夕方前の空腹時にちょうどいいのではと思った。

新しく手にした食べ物たちのこと、そして今日のオイルマッサージのことを書いていきたい気持ちもあるが、マッサージの効果か、少し体にだるさも感じる。今日は夕食もまだだったので、今日の日記はここまでにして、何か少しでも口にして早めに休むことにする。2019.6.20 20:20 Den Haag

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