298-301 いつも音楽がそこにあったということに気づいたならば
298. 朝の月、朝の心ベランダに出て空を見上げると、南の空高く半月にほぼ近い月が見下ろしていた。今日もその東側の淵を静かに輝かせている。その光だけ見ると、三日月のようにも見える。
白湯を飲み、書斎に来てもう一度空を見上げると、月の上に一本の雲の線が伸びていた。雲をつくった飛行機の姿は見えないが、東西の空をまたぐその線を見て、西から東に向かう時間が流れたことを思う。
昨晩も寝付くのには時間がかかった。そして、何かの音で目が覚め、枕元に置きっ放したスマートフォンを見るとちょ