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うすらい -あわいに暮らす-

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うすらいとは、春先に溶け残った薄い氷のことです。氷の向こうにおぼろげに見えるすぎゆく季節とちかづく季節のように、身体の中で言葉になりきれていない感覚と思考、そしてまだ感覚にも思考…
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2019年7月の記事一覧

246-248 欧州に感じる祖父の微笑み

246. 立ち上る湯気を美しいと思うとき沸いたお湯を小さな白磁の湯のみに注ぎ、冷めるのを待っ…

243-245 内なる気づきに目を向けるとき

243. シューマン共振波とスプーン曲げ空に雲があると思うのは、雲が白いと知っているからだろ…

242 脳波と暮らしとコーチング

242. 脳波と暮らしとコーチング日中は日が差していたが、空にはまた雲が広がっている。いつ雨…

240-241 欧州での3度目の夏、内と外の変化

240. 欧州での3度目の夏、内と外の変化体と空気の境目をなぞるような暑さを感じる。これは、外…

239 真夏のアメイジング・グレイス

239. 真夏のアメイジング・グレイス寝室の窓を閉めると、中庭に響いていた大きな聞こえなくな…

235-236 あの日の香り

235. 正しさよりも美しさを南の空には数本の飛行機雲がかかっている。今も西から東にツーっと…

237-238 凜とした静けさの中で

237. いつもと違う日もいつもと同じように中庭のガーデンハウスの上を黒猫が小走りに通り過ぎた。「幼い」というには少し大きいけれど、それでも中庭で遊ぶ他の猫たちよりも小柄で、とっとっとっと、と、軽やかに歩く。緑の鳥が三羽、連なって向かいの家の屋根の上を通り過ぎていった。 今日は日本から友人がやってくるので、ミーティングやセッションをした後、部屋の片付けをする。そうしているときっとあっという間に到着時刻になるだろう。長時間のフライトは予定よりも1時間近く早く着くときもあるので

233-234 話をするように、景色そのものになるように

233. 習慣になること、ならないこといつの間にか一日がはじまった。今日はそんな日だった。思…

230-232 『草枕』に希望と絶望を思う

230. オランダ的呪術的体験書斎の机の前に座り、先に開いたメールへの返信などをしていると、…

228-229 「葡萄」という名前を知ること

228. 「葡萄」という名前を知ること今日も既に東の空高い位置に太陽が昇っている。隣の保育所…

225-227 住み継がれた家に祖父の絵を掛けて

225. 住み継がれた家に祖父の絵を掛けて書斎の机の前に座ると、東の方角からぱっと日が差して…

リフレクションジャーナルとしてのnote活用のすすめ

いつもは誰のためでもなく書き連ねたことをnoteにも転載しているが、「書くことと書いたことを…

222-224 SNSと人の意識について考える

222. SNSと人の意識について考える時刻は18時を回った。日記を書き始める前に外の空気を吸おう…

221 打てば響く太鼓のように

221. 打てば響く太鼓のように太陽礼拝のポーズを何度か行ったあと、白湯を飲もうと沸いた湯を小さな白磁の湯のみに注ぎ、口をつけた瞬間に、まだ自分が椅子に座りきっていなかったことに気づいた。椅子に腰を下ろしながら湯のみを持ち上げた感じだ。今日の予定が頭を巡っているからか。 湯のみから指先に伝わってくるあたたかさ、白湯の甘さ、そして白湯に溶け込む湯のみの口触りに意識を向けた。 そう言えば、街路樹をつつきながら登っていた頭の先の赤いキツツキは、1ヶ月ほど前に二日続けてその姿を見