余剰9年---14




あぁ、愛されたかったんだ
と不意に、圧倒的な哀しみに襲われる


当たり前のように朝がきて
嘘だったみたいに夜がくる


目覚ましが幾度と声をあげても
目を背けたい明るさに抗い
重めの身体をギリギリのタイミングで起こす


愛されてなかったんじゃなくて
受け入れるだけの容量がない
愛するって?と考えるのは
執着との境界が曖昧だから

一体 "わたし" という存在はなんなんだろう
からっぽの実像がただそれとなく日日をこなし
受け取れなかったものを探して、悲嘆して
愛なんてわからないと匙を投げる

誰かとの関わりに不安を抱くのは
ひとりでいる時みたいに
簡単にシャッターを下ろせないから

ひとりを望むのに独りがこわいのは
誰もわたしを知らないんだと思うから
知られたくないのに、知って欲しい矛盾と
わかってくれっこない が全てになっているから

優しさに触れると涙が浮かぶのは
想像よりも遥かに 孤独に食い荒らされているから


少なくなった感情のビー玉が
これ以上溢れおちないように
埋まらない穴が増えないように


いつか愛されることを
愛することを
受け入れられるように

孤独との共存を手探りする日日

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