余剰9年---12


やはり生きるという行為は果てなく難しい

限りなく無に近い感情と
少し背伸びした精神を手にしたって
綻びが多すぎて突然空虚に襲われる

少しずつざらつくのを気づかないふりして
どんどんからっぽになる心から目を逸らす

構築して壊す。自分を死守するための防衛戦
たしかな線引きもなくあいまいな境界だけが増えていく

どんどん追い込まれていく
ぎゅうぎゅうに詰まった小さな箱に
諦めだけが潔く、また孤独を選んでいく

ひとりが安心なのに、1人は不安になる日
仲間が欲しいのに、仲間、友達の定義って?と考える日
からっぽがさらにからっぽになる日

生きづらさは日を追うごとに増していき
取り繕い続けて、勝手に疲弊する

自信を持てばいいのにという呪いの言葉と
理想と、現実はバランスの最悪な三角形だ

あの日帰り道のバスで涙が止まらなかったのは
呑みすぎたとか、眠いとか、
そういうことじゃなかった気がする

深い時間だからじゃなく、常々この思考が頭を巡り
その処理を片手間に労働をこなす


いつかなにか変わる日がくるのかな
なんて考えてしまった夜更け

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