夕日にダム 2018.11/3

いつだっけか Iと話す 「どこ?」 「福岡」 「実家?」 「いや ひとり」 「そうなん」 「そう」 「そっちは?」 「どこまで話したっけ」 「だいぶ経つかな」 「そっちは?」 「車買ったんよ」 「へぇ」 「オープンカーでさ」 「ほぅ」 「そんでまぁ ガレージ付きの家がちょうど あってさ 家賃三万でさ」 「ほぅ」 「まぁ そういうこっちゃ」 「ほぅ らしいな」 「もう 貯金無くなったし 働かんといかんけどさ」 「夏 暑かったやろ?」 「まぁ 暑かったよね でも なんか ちょうど 見つけてしまってさ これ 逃したら 乗らんよなと 思って 古い車なんだけどさ」 「メンテナンス 面倒そうやね」 「まぁ ハイオクでさ なんか そんな 乗れんのよね」 「軽で十分やろ」 「まぁ そうなんだけどさ」 「らしいな 笑うけど」 「バスだと終点のとこだから 車ないとなんもできんけどさ ガソリン代かかるから 乗れんのよ」 「へぇ こっちはさ 店やることになったよ」 「あぁ そうか おめでとう」 「めでたいのか よう わからんけどさ」 「こっちよりか めでたい気もするけどな」 「わからん でも どうしていいんか わからんでさ 2ヶ月くらい その場所を 歩いたり 掃除しとるだけで過ぎてしまったな」 「あぁ おれも 歩いてるよ 夕方になるとさ 住んでるとこの近くにある ダムの周りを」 「そうか 場所と仲よくなるのも 少しづつでしか できんもんやね」 「そうやろね 間違っとらんやろ それも」 「そうかもしれんけど まぁ のろまやね」 「そうか まぁ いつも通りなだけな気するけどな」 「まぁ そっちも 相変わらずやな」 「仕事探さないといかんけどね」 「Tが来年こっち戻るってさ」 「会ってないな」 「まぁ Tも変わらんよ たぶん まぁ おやすみ」 「じゃ」 夕方 ダムの周り 歩くIを 想像した ただ ただ 歩いてるんやろな そんな時間は こっちは 今 あんまり無い 音を再生するように これ 書いてるけど いつもより 音が 聞こえにくい それは それで しゃーない 細々したことを やってると そうなるんかもな 気に入った場所に住めたのは よかったんじゃなかろうか と 思うよ 車は知らんけど で 次話したら 車は無くなってそうだけど そんなことは どっちでもいいんだよな こちらは こちらで やっぱ 見えてるもん 信じるわ しばし このまま 進む


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?