#真っ赤なハンバーグ

私が小学生のときのことだ。
私が習い事をしていたために、帰宅が遅くなる。それと同時に送り迎えをしてくれていた母も、私に付きっきりになるため遅くなる。
祖父母の介護が必要だったため、週に何回か父の妹(叔母)がご飯などの家事をしてくれる日があった。

自営業をしていたお店で働いていた叔母は、小学生の私からみても、自由だと思っていた。
普段から周りに 忙しい忙しい と言いながらも、タバコを吸ったり、用もないのに家にきたり、どこが忙しいんだろうと思っていた。
私の母は同時主婦だったため、 暇でいいよね と皮肉な言葉をよく言われていた記憶がある。
私からすると、母は祖父母の介護、家事、子育てで必死だったと思う。実際、ほとんど母と過ごしていたが、母の友達にはほぼ会ったことがなかったし、いつも動いていた。母が悔しい思いをしながらも、笑顔で 楽にさせてもらっています と、思ってもいない真逆の言葉を毎回返しているのをみて、私も悔しかった。


大人の世界では余計なことを言わない。
ということを小学生の私は知らなかったし、わからなかった。自分でいうのもあれだが、素直だった。

間違っていることは間違っている。

確かにそうだ。
無知な私は叔母に言ってしまったのだ。

" 叔母さんの仕事は自由なの?"

と。

" 憎たらしい子。"

と一言。
まずい状況になったとその時感じた。
母には私が教えているように思われるから二度と言わないで!っと怒られた。

ある日。

いつものように習い事が終わってから帰宅すると、その日の夕食はハンバーグだった。
習い事の日なので叔母が作った夕食だ。
ハンバーグは大好きだったのですごく嬉しくて急いで自分の椅子に座った。
わくわくしながらフォークで中を開いたら、真っ赤だった。横に座る母と弟のは、中が茶色になっている。私のだけ中が真っ赤だった。周りはみんなと一緒でこんがり美味しそうになっているのに、、。
私が食べないのに気づいた母は、取り替えてくれた。

またある日。
その日も習い事の日。
ハンバーグのとき以来、叔母のご飯の日は何もかもを確認してから食べるようにしていた。
嫌な予感がしたからだ。
デザートにメロンが出された。
一口サイズにフォークで刺して食べれるようにカットしてくれてある。食べようと思って口に運んだら驚いた。
皮に付いていた部分が何かの毛だらけだった。
確認したら私のだけ、全部毛だらけだ。
おそらく叔母が飼っていた犬の毛だろう。
食べる気をなくしてしまい、叔母が帰ったあと捨てた。


これは私への嫌がらせに違いない。
でも30代の叔母が小学生の私に、、?

信じがたかったが、私のだけそうなるということは嫌がらせだろう。

私は叔母が怖くなってしまった。
笑顔で

"お腹空いているでしょ?冷めないうちに食べてね!''

とよく言えたなと
改めて思う。

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