APOGEEというバンドについて徒然と

■聴いてもほしいけど“見て”ほしい

Twitterのプロフィール欄に好きなアーティストを4組書いているんですが、5番目に入れるとしたら多分彼らになります。APOGEEというバンドです。

公式のPV載せたいけど、より見てほしい初期のシングルは個人(有志と言いたい側面はある)が上げてるのばかりなんだよな。

私がAPOGEEを初めて知ったのは、NHK-FM「ミュージック・スクエア」という邦楽を幅広めに取り扱うラジオ番組で流れた「GHOST SONG」でした。

これは余談ですがミュージック・スクエアには非公式のリスナーサイトがありまして、ゲスト情報やオンエアリストが整理されていて大変重宝しております。

そのサイトによると、「GHOST SONG」が初めてオンエアされたのは2004年9月14日だと思われます。

インディーズ時代に「preview」という3曲入りシングルを発表しており、その1曲目でした。
当時のタイトルは英語表記でしたが、2006年にメジャーデビューし、セカンドシングルとして出る際にはカタカナ表記の「ゴースト・ソング」となり、再録された音源になっています。

■美しいバンド、APOGEE

初めて聴いた時に思ったのは、「声が良いな」と「不穏だな」ということ。

APOGEE永野さんの声はスピッツ草野さんと同じ系統だと思います。
男性にしては高く、綺麗に伸びる歌声です。切なさの表現に合うような声。叫ぶ感じもない。
一時期流行った、ピッチ上げして違和感のほとんどない声(女声に近づく)というのも共通しています。

自分がスピッツファンだからでしょうが、スピッツ好きな人はAPOGEEにも好感もってくれるんじゃないかしらと思う。

不穏というのは、曲名に引っ張られた部分もあったかもしれませんが、美しくて胸がザワザワする…といった感覚です。

綺麗すぎるものって怖くないですか?

APOGEEというバンドに形容詞を一つ添えるなら“美しい”だと思うんですよ。
耽美主義というほどメッセージ性を排除してはいないけど、曲のあらゆる要素が美しさをベースに構築されている気がします。
でも綺麗だなーで止まらないんです。

トランプタワー(ピラミッドの方ですよ)みたいなバランスで、どこか一点、指先で触れたら一瞬で崩れ去りそうな、儚さと危うい雰囲気をまとっています。

そこに途方もなく惹かれますね。

■独自の道を行く創造性

また、PVやジャケット、公式サイト等、デザインの部分にかなり力を注いでいるクリエイティブ色の強いバンドという印象でした。

PVは毎回手が込んでいて、特殊効果とか先進的技術とか、どんどん取り入れていましたね。
ビデオ関連の賞を受賞したり、NHK「テクネ 映像の教室」でPVが取り上げられたり。

「ゴースト・ソング」と「グッド・バイ」のジャケットが好きなんですが、もしやと思ってクレジットを見るとCentral67(スピッツのデザインといえば)が手掛けていて、やっぱり!となった記憶があります。

公式サイトはリリースのたびにデザイン変更されていましたが、当時の私の弱々ネットワーク環境のパソコンで日参するには重かったですね(笑)。

また、PVにほぼ毎回登場していた鹿モチーフだったり、ライブ時にシンセサイザーの上に置いてあった地球儀だったり、何か自分達の決めごとみたいなものを大事にしている人達なのかなと思っていました。
何かをキーにして整っている感じといいますか。

■​活動ペースは緩やか

よく書かれていた通りシンセサウンドが特徴的で、当時のロックシーンでは異端児的な存在だったと、一リスナーとしても思います。
出るのが早すぎたとか言われてますね。
世が世なら、と思ってしまうバンドです。

正直、CDは全作買ってるんですが、しっかり活動を追っていたのは2009年に出た3枚目のアルバム「夢幻タワー」までなんです。
というのも、その後次の作品まで約5年あって、結構寡作タイプなんですよね。
ビクター所属だったはずですが、この5年の間に外れてなかったかな…。

その間、私は就職して異動になって東京を離れて、趣味にしていたライブ参加もタワレコ通いも音楽誌チェックもできなくなっていました。

サードアルバム以降、個人活動が増えたというのもあります。
特にボーカルの永野亮さんは、配信限定のカバーアルバム、ソロ作品のアルバムを出しているのと、CM曲や楽曲プロデュース等を多数手掛けています。
セーレン、佐川急便、トヨタのプリウスとか。
近年だとセキスイハイムのおひさまハイムとか。

藤原さくらさんがカバーした「春の歌」の楽曲アレンジ、プロデュースも担当されています。
これもスピッツ関連で仕入れた情報ですね…。

最近Awesome City Clubを表でよく見るようになったなと思っていたら、制作に永野さんが入っていて驚きました。

うわーそうなんだ!と嬉しくなった記事。
永野さんがこがけんさんと同じサークルでコピバンやってたエピソードも。

4人いたメンバーのうち、ベースの内垣さんが2019年に脱退されているので現在は3人編成です。
最後のライブに行けなかったのは心残りです。
といっても、ワンマンライブを観に行った経験も2008年の一度きりなのですが…。

タワレコ新宿で行われた永野さん弾き語りによるインストアライブは行きました。
これは確か2007年。握手会も兼ねていました。
身長が自分と同じくらいでした。

■今、ちょうどいいかもしれない

ちなみに「アポジー」と読みます。
最初に書くべきだった。

多くの人に聴いて、見てもらえたらいいなと思います。

私は一人でカラオケに行くと絶対に「Just a Seeker's Song」を歌います。
歌っててめちゃくちゃ気持ちいいです。

これこそ、PV見てほしい。どなたかが上げた動画がYouTubeにあります。

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