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今更ながらLenovo Legion Y700(2022)にカスタムGSIを搭載した顛末。


これは、安易な気持ちでAndroidタブレットを買った馬鹿が、紆余曲折を経て真に使いやすいタブレットを手にするまでの記録である…

【NoxPlayer使えん問題】

まず初めに前提として、この画像を見ていただきたい。

なぁにこれぇ

これは今自分がやっているソーシャルゲームの一覧である。一応この後にフェスティバトルが追加されたが、とあるIFが12月にサ終するので総数は変わらないと思っていただいて構わない。
思うだろう。「やりすぎ」だと。だがSNSでの流行りに追いつこうとすると必然こんな事になってしまうのである。そこんところはJKの流行とあんまり変わらない。
35タイトルの是非は兎も角、今危惧しているのは端末の問題だ。といってもストレージの問題ではない。今自分が使っているGalaxyS23Ultraはネット限定の1TBモデルだし、そもそも我がパソコンにはAndroidシミュレータ、NoxPlayerが構えているからだ。

ゲムぼく。さんで知った人も多いだろう

じゃあ何でこんなことをやっているか。それは、多重窓として使っているNoxに相性問題が多々見え始めたからだ。先ほどのリストで言うと、とあるIFやプリコネ、ブルアカはまず立ち上がらない。デレステやトワキズは立ち上がりはするがクラッシュし易い。ポケマスEXに至ってはインストールができないという始末。
これはエミュレータを嫌うアプリ開発による対策が施されているからであり、例えばMod化しているアプリであればチェックをすり抜けられるのであるが、その場合GooglePlayの自動更新を受けられず、Modの更新を待たないといけないという大問題が発生する。

エミュレータで動かしにくく、更新頻度も高い上、Modの更新が遅いタイトル代表

その為、当座の対応として「Modの更新が来るまではGalaxyでプレイする」というやり方を取っていたわけだが、これが非常に面倒くさい。
どっかの冠位命題のように機種変更の度にデータ削除→再ダウンロードが必要な害悪連中はまあ仕方がないとして、データ共有に対応しているアプリをModの入れ替えの為だけに再ダウンロードするのは無駄の極み。コイツ等揃って大容量データだし。
そんなこんなでもう一つ正規のAndroid端末を欲していた自分は、「ついでに大画面でデレステやりたいなぁ」という3周遅れのの音ゲープレイヤーのようなことも言い始め、遂にAndroidタブレットを買う事に決めたのである。なおiPadは最初から思考の外だって別OSになると有償石消えちゃうし…

【意外とないぞ防水防塵】

で、買う機種の選定に入ったわけだが、必要条件を次のように設定した。

  1. Snapdoragon 860以上である事。
    これは原神が快適に遊べる最低クラスのSoC。とりあえず最重である原神が遊べればアプリの問題はクリアされるだろうと考えた。なおゼンレスゾーンゼロはこれを上回るらしいがそんなのは知らない。

  2. 防水・防塵である事。
    できればお風呂でYoutubeとか見たいなぁ、と思ってのもの。所謂「防水ケース」を使う事も考えるとハードルは低いが、あの類のケースは使用したまま充電ができないのでいちいち外さないといけない。それが面倒で条件に入れた。

  3. FHD以上の液晶。
    同上の理由。

  4. サイズが8~10インチである事。
    単純に持ち運びができなくなる為。あとそこまで大きいと取り回しが難しい。

  5. 価格。
    先ほど言ったように俺には1世代前の最強of最強スマホ、GalaxyS23Ultraがいるわけで、その状況でタブレットに10万とかかけてられないのだ。

で、選定に入ったわけだが、これが予想の10倍ぐらい難儀なものだった。
まず、予算内のタブレットに搭載されているSoCが軒並み「Helio G99」。これはローモデルのSoCの中でもコストパフォーマンスに優れたモデルであり、中華の怪しい奴だけではなくGalaxyTabAシリーズ等にも採用されている非常に有名かつ優秀なSoCなのだが、その性能はせいぜい原神が動くかどうかレベル。快適とは遠い。
じゃあG99以上のSoCはどうかというと、今度は防水防塵が満たせない。「Pixel Tablet」や「Legion Y700」等のコスパが良く性能も高いモデルはそれなりにいるが、防水性能はないお風呂に入れたら3分で力尽きる。というかiPadですら防水性能はゼロなので、恐らく発熱の問題なんだろう。
そしてこの難しい2つの条件をクリアしているタブレットは、調べる限り「Galaxy Tab S9」系だけ。流石は我が愛用のSAMSUNGだ、と思ったが価格が10万を超える。高すぎるわ!!

という感じで2週間ぐらいあーでもないこーでもないと悩んだ結果、防水機能を捨てる事にした。本来の用途はゲーム利用が大部分な訳で、防水はまあケースでなんとかしよう、となったわけだ。
そして白羽の矢が立ったのが「Legion Y700(2022/Gen1)」。Snapdragon870を使用しRAM12GB・ROM256GBと性能も十分。イヤホンジャックがあるのも地味に嬉しい。価格も後継のSD8+Gen1搭載の2023年モデルが出たからか3万円台とリーズナブル。
これで決まりだ、と喜び勇んでポチッタのである。なおケースは2023年モデルのものが流用できるとの事でそっちから選定。

【LegionY700入手。そして…】

何だかんだで3日ぐらいで入手

ポチってから数日後、我が手元にはLegionY700の姿があった。8.8インチのサイズ感もジャスト。ケースも2023年モデルがジャストフィットし、さあ起動だ、と電源ボタンを入れた時人類は思い出した。これは中華製タブレットなのだという事を。

日本語でおk

「Legion Y700」に搭載されているOSはAndroidベースの「ZUI OS」。基本的な使い方は全く変わらないが、一つだけこのOSには注意点が存在する。
それは言語だ。ZUI OSに搭載されている言語は英語中国語しかない。一応グローバル版なら日本語等もあるそうだが、それは2023年モデルの話。自分が購入した2022年モデルではそんなものはない。不幸中の幸いか、ADBを介して日本語へのローカライズが可能という情報を手に入れていた自分は、さっそくZUIの日本語化に挑戦したわけだが…

【ZUIの日本語化は非常に簡単】

諸事情で既にADBの導入は済んでいたので、ZUIを日本語化する為に必要なのはOEMアンロックUSBデバッグの有効化のみ。S23を開発者モードにしまくった俺にはものの数秒でできる作業だった。

さあコレで日本語で使えるぞ…と思ったのもつかの間…

あれ…

何故か殆ど日本語化されていない。よく分からないが、ZUIのバージョンが原因なのかもしれない。困って調べなおしたら、カスタムROMなるものがあるとの情報に行き着く。よしコレだ。コレで行こう!!


――――これが地獄の始まりである…

【カスタムROM(GSI)導入、という名の地獄】

GSIを導入する為にはブートローダーアンロックというものをしないといけないわけであるが、これが非常に分かりずらい。何せ参考になるサイトが殆ど存在しない。唯一参考になりそうなサイトがこちら。

手順通りにUSBデバッグで接続して、「adb devices」コマンドで繋がっている事も確認して、「adb reboot bootloader」コマンドで…おお、Fastbootモードに入れた。ここまでは順調。
後はDLした「sn.img」をぶち込むだけ…の筈が…

地獄その1

何度やっても<waiting for device>に。これではアンロックできない。なぜこうなったのか調べると、どうもFastbootドライバなるものがインストールされていない為との事。でも前述したサイトのやり方でドライバインストールしたよな…と思って再度検索。そして原因が判明。
こいつ、ADBとFastbootでPC側の端末の認識が変わるらしい。つまりFastbootドライバをインストールする為にはFastbootモードに入っていないといけないという事。そんなん言われんと分からんわ!!

まあわかったから良しとしよう。そんなこんなでFastbootドライバをインストールし、「fastboot flash unlock」コマンドでアンロックに成功。
さあいよいよ「fastboot reboot fastboot」コマンドでFastbootdモードに入り、いよいよGSIだ。今回は比較的有名なGSIである「crDroid」を入れる事にした。多分これが一番丸い。

こちらのサイトを参考に、「fastboot erase system」コマンドでイレース、「fastboot flash system」コマンドでGSIの焼き入れ。無事成功。

ここまではまだ順調だったんだ…

地獄その2

再起動するとLegionのロゴが出てこの画面が表示。これはブートローダーアンロックしていると毎回出てくる警告表示である。なので問題はない。電源ボタンを2回押してそのまま通常起動に…

コピペかな?

あれ、おかしい…Legionロゴが出た後また警告表示に戻る…

そう、ブートループ/再起動ループである。
詰まる所文鎮化一歩手前である。

やばいやばいやばいやばい」と慌てて調べなおし、先ほどのサイトの別記事からZUIを復活させる方法を獲得。Lenovo端末に搭載されているEDLモードというものを使用して、ZUI OSそのものを端末のROMに書き込むというやり方である。

上記のサイトの力を借りてEDLドライバをインストールし、再起動を繰り返す端末を電源と音量±ボタン計3つを同時長押しする力技でシャットダウンし、電源+ボタンを押しながらUSBケーブルを繋げる事でEDLモードに無事突入。

見た目は真っ暗やで

そのままQFILでZUI OSを書き込み

取り合えずここまでは戻ってこれた。さて、どうすっかな…(´・ω・`)

【解決編】

何だ!?何が良くなかった!?」とマッドサイエンティストのテンプレみたいなことをほざきながら必死に調べ調べ調べ調べる。他のGSIのインストールもしてみる。が…ダメっ…!!そしてまたQFILのお世話になる。ホントマジコイツがいなかったら3万の文鎮になる所だった。高校時代にPS3にCFW導入した時のことを思い出したよ…

懐かしのPS3改造アイテム。俺はコレで3台壊した

そして調べた結果1つのサイトに行き着いた。

何かやべえ宗教のサイトっぽく見えるが気にしなくていい。このサイトには俺が探し求めていた情報があったからだ。

~わたしが選んで インストールした「crDroid-8.13-arm64_bgN-Unofficial.img.xz」で解説すると、「arm64」とは「アーキテクチャ」のことで、端末のCPUに応じて選ぶそうです。
arm / arm32 / arm64 / x86 などあって、最近のほぼすべてのAndroid端末は「arm64」だそう

―――上記のサイトより

わたしが選んで インストールした「crDroid-8.13-arm64_bgN-Unofficial.img.xz」で解説すると、[filename] -[アーキテクチャ] – xyZ.img.xz という書式になっていて、それぞれ意味があるそうそす。
1文字目 a:A Only(A/Bパーティション非搭載)機種用
    b:A/Bパーティション搭載機種用
2文字目 v:GAppsなど非搭載(Vanilla)
    g:GAppsを含む
3文字目 S:Superuser(要はroot権限)を含む
    N:root権限なし(Non rooted)
━━━━━━━━━━━━━━━━
x には a か b が入ります。
b = a/b
a = a-only

y には v, o, g, f が入ります。
g = gapps (通常のGAPPS)
o = gapps-go (Android GO 向けの軽量版)
v = vanilla (GAPPSを含まない)
f = floss (オープンソースのGAPPS互換ソフト)

Z には N, S, Zが入ります。
N = no superuser (非root)
S = superuser included (root取得済み)
Z = added enhanced dynamic root
(動的ルート、有効無効を再起動せずに切り替えられる)

「bless-v300m-210225-arm64-agZ.img.xz」というファイルであれば、
ARM64, A-only, GAPPS, dynamic root という感じです。

同上

これを読み「もしや」と思って確認すると、自分が導入しようとしていたGSIは全て「a64_BvN」。ひょっとして対応CPUが違ってたからか…と思い、
改めて「arm64_BgN」を焼き入れてみる。するとLegionロゴのまま変化せず、再起動ループにならない。しばらくすると…

おお…!?
おおおおお!!

無事焼き入れ成功!!ある意味相性問題だったのか!!

動く!!
遊べる!!!

こうして長い戦いに終止符が打たれたのであった


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