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スワローズは、川端慎吾だ

怪我と付き合うタイプの選手がいる。野球選手である限り怪我は付き物で、肘にメスを入れる中学生もいる。ただ、プロ野球選手においては、復帰を待つ過程で「=(イコール)怪我」というイメージがつきまとうことを差す。それは、期間が長いほど貼られるレッテルでもある。
まさか慎吾がそういう選手になるとは、思っていなかった。

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▲’19.9.22 sun. 1000試合出場(’19.9.4)表彰式

超高校級のバッティングセンスと体格。1年目から一軍帯同。デビューの背番号は、かつて池山隆寛もつけていた、ミスタースワローズの出世番号「36」。期待も希望も、超高校級だった。
そして、端正な顔立ち。いつも間にか、でも当たり前のように「王子」と呼ばれていた。

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▲’19.9.4 wed. 1000試合出場達成のバッターボックス

私には気になっていることがある。一度目の腰の手術は2017年。その時、「腰にはメスを入れたくない」と、手術をしない方向でずっと調整をしてきたと報道があった。
ただ、足にしびれがきていて、もうどうしようもない。足をつくのも左右の感覚が違う。手術をする他、手はない。だからとうとう手術をする、と。
そんな切羽詰まった決断の様子に、胸が痛かった。

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▲’19.6.2 sun. ファーム戦@鎌ヶ谷スタジアム

手術後も、慎吾はずっと腰が痛かったそうだ。そんなことにも気づかず、ファンは勝手に、慎吾がまた神宮に来る日を待っていただけだった。二度目の手術は2020年1月。キャンプ不参加の慎吾を見た最後は、いつだったろうか。

そんな慎吾の近況は、6月12日の球団公式ツイッターで確認された。

令和の超高校球児、奥川恭伸がシート打撃に登板したというニュース。その相手バッターが慎吾だった。慎吾のことにはまったく触れていない奥川くんの記事を見て、「慎吾だ!」とざわめく。それがヤクルトファンクオリティだ。

慎吾は言っていた。「久々に楽しかった」と。奥川くんの規格外のピッチングに「楽しかった」と言った慎吾。ワクワクさせてくれるルーキーと、バットを振ったことと。野球に触れて慎吾がワクワクしてくれているのなら大丈夫。絶対に、野球をしに神宮に帰ってくる。私はそう、安心した。

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▲’19.8.25 sun. 出塁@明治神宮野球場

キャリアハイは、優勝の2015年。首位打者と最多安打を獲得し、ベストナインにも選ばれた。優勝年に主役の活躍ができた。いや、この活躍があったから、ヤクルトは優勝できた。慎吾のスワローズ。スワローズは、川端慎吾なのだ。

2020プロ野球開幕まであと5日慎吾1

慎吾の描く道が、ヤクルトファンの進む道。だから、慎吾の思うとおりにしてほしい。慎吾!スワローズは、あなた。

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