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ヘアドネーションしてきました

髪は、天赦日に切ると決めています。どうせ切るなら、縁起の良い日に。行き着くところは、すべてのことを天から赦される日でした。

そうは言っても、タイミングが合わないこともあります。この間の天赦日がまさに、そうでした。

令和3年6月15日火曜日。

火曜日!

美容院の定休日じゃないですか!でも、これで泣くこと、そこそこあるんです。

しかし私は、諦めきれませんでした。
次の天赦日は、8月28日土曜日。美容院は開いていますが、ここからまた2か月、髪は伸びっぱなし……いや、ダメだ。もう限界まで、私の髪は伸びていました。

私は、伸ばすだけ伸ばした後に、髪の毛の寄付をすると決めているのです。

ヘアドネーション。Hair(髪の毛)Donation(寄付)は、アメリカ発祥の慈善活動です。
病気で髪の毛を失った子どものウィッグ(かつら)をつくることを目的としています。

活動団体へ、30センチ以上の髪の毛を郵送します。
私は、切ったあとボブスタイルになるくらいの長さを保ちたいので、うなじから30センチ以上必要です。ショートヘアの仕上がりなら、耳の高さから測れます。

自宅で切って送っても問題はありません。しかし、自分の腕に自信はありません。いくら長いとは言え、後ろの髪の毛は見えません。30センチ計りながら、ざんぎり頭にならないように切るなんて、やはりできません。

ということで、火曜日の天赦日に開いている、ヘアドネーションカット対応の美容院を探し始めたところ、あっという間に見つかったのです!

美容院検索アプリで、3年前ヘアドネーションカットをした美容院の予約履歴が残っていました。
そしてその美容院が、6月15日火曜日の予約可能……嗚呼、天赦日。

美容院に行くこともそうですが、平日の天赦日は有給休暇を使って仕事を休むことにしています。年度当初に休暇申請しています。これで、準備万端。3年振りに、南青山のオサレ美容院に行ってきました。

11時予約でしたが、なんせ行き慣れない都会の街です。表参道駅の出口を間違えて、まったく真逆の地上に出てしまいました。
キョロキョロ目印を探しているうちに、予約時間が過ぎてしまい、とりあえず遅れる旨を電話しました。

「すみません。今向かっている最中で……」
「大丈夫です。気をつけてお越しください」

行く気はあるということを伝えられてホッとしました。
10分遅刻し、何とかたどり着いた美容院の入口で、まずは謝罪です。

「遅れて申し訳ありません」
「いらっしゃいませ。大丈夫です。お荷物、お預かりします」

早速席に案内され、すぐに打ち合わせが始まりました。

「肩くらいまでは残したいんです。ショートにすると、くせっ毛なので、のちのち大変で」
「では早速、横の髪が短いので測ってみます」

横の髪も含め、長さはしっかりありました。

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「こんな感じで、いかがでしょうか」
「はい、お願いします」

ゴムでしばったところから、切ってもらいます。

「3年振りですよね」
「そうなんです。これくらいの長さになるまで、3年かかるっていうことですね」

ばっさり切ってもらいました。

「今日は火曜日なのでお休みかと思ったんですけど、助かりました」
「以前はお休みだったのですが、密を避けるためにスタッフを少なくして、その代わりに毎日営業しているんです」

コロナ禍の接客業は気を遣うことも多いでしょう。でも、助かる人はたくさんいます。
美容院がなくなったら。髪を切ることは、不要不急ではないのかもしれませんが、考えられないことです。

仕上がりについては、私の希望をたくさん聞いてくれました。
前髪のストレートパーマ、オリーブ系のカラーリングはこだわりですが、その気持ちを汲んで、いろいろな提案をしてくれました。普段のスタイリングやケアの方法も教えてもらいました。

帰りに、封筒に入れた髪の毛を受け取りました。
「今は自分で送るんでしたよね」
「そうなんです」
後は自分で郵送します。ここまで丁寧に用意してもらいました。後日、郵便局から郵送しました。

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特定非営利活動法人 Japan Hair Donation & Charity
通称 NPO法人 JHD&C(ジャーダック)
大阪市北区浪花町13-38 千代田ビル北館7A

3年伸ばした髪は、カラーリングとパーマで痛みきっていました。かつらを作るまでには、30センチの半分の15センチまで短くなるそうですが、私の髪の毛が使えるかどうかも疑わしいレベルです。

それでも、私ができる社会貢献はこれくらいしかありません。3年後になりますが、また協力させてください。

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ブリッサ(brisa)
東京都港区南青山5-10-17 グランツキステン表参道1F
平日11:00~21:00・土曜日10:00~20:00・日祝10:00~19:00
定休日無し

今、新たな髪の長さと、まだ白髪の出てきていないオリーブの髪色に、ニマニマしながら毎日過ごしています。
「オリーブは、“薄い黒”っていう感じが好きなんです」
この感覚に共感してくださった、担当の佐久間さんに、心から感謝しています。多分、3年待たずに伺うと思います。

こんな天赦日を過ごしました。

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