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新たな歴史を刻む背番号は、中村悠平とともにある

10月26日火曜日。

6年前の優勝は、「あれ、優勝しちゃった」っていう感じだったんですけど、今年の優勝は、春のキャンプから「お前がその気になれ」という、その言葉をずっと胸にやってきたので、えー……ほんとに、うれしいです。はい。

優勝会見で、よろこびを噛みしめるように語った中村悠平のこの言葉に、私は「あぁ、今だったんだ」と、自身の考えを改めた。

2015年、14年ぶりの優勝に貢献した時も、2018年、選手会長とキャプテンを兼任した時も、検討の気配すらなかった、新たな背番号。

これだけのチームへの献身でも与えられない背番号とは、何なんだ。
背番号は、“付けてなんぼ”じゃないのか。
前任者の成績に及ばなかったとしても、ムーチョの背番号にしていけばいいじゃないか。

この6年間、ムーチョへのバッシングを目にするたびに、何度「あの時、付けさせればよかったんだ」と思ったことか。
しびれを切らしたということなのか、ムーチョは今年から、背番号を「2」変更してしまった。もう、諦めたということか。

──前回の優勝とは違う、“自分の手で手繰り寄せた”優勝。その手に感触がまだ残っている、あの優勝会見を見て、私は高鳴る胸を抑え、「その時を待とう」と決めた。

日本一の瞬間、人目を憚らずに泣く中村の姿は、新鮮で、でも「これが今年のムーチョだ」と納得した。
固定観念を捨てて組み立て続けた配球は、解説者たちを唸らせた。
感情を出して表情豊かに戦う姿は、血湧き肉躍るヤクルトの野球を作り上げた。
ヒーローインタビューで、「誰かのミスは、みんなで埋めればいい」と言い切ったキャッチャーは、優勝までの道のど真ん中でチームを牽引していた。

FA宣言もせず、ファン感謝DAYで「来年もお世話になります!」とファンに報告した、ムーチョ。
ここで、“新たな背番号の発表”という演出を期待していた私は、少しがっかりしながら、それでもその吉報を待った。

今も震えが止まらない。2021年が、こんな素晴らしい年になるなんて。

中村悠平の「27」が誕生する。新たなヤクルトの歴史を刻むのは、中村悠平、その人で間違いなかった。

ずっと「付けたい」って言ってたもんね。おめでとう、ムーチョ。
そして、古田敦也臨時コーチばかりがクローズアップされますが、衣川篤史コーチ!
スコアラーから指導者への転身は、大変だったことと思います。ムーチョと二人三脚でしてきたこと、見ている人は見ていますよ。よかったね、きぬ!おめでとう!おめでとうございます!

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