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人類なら理解できる。         カラーグレーディングとカラーコレクションの違いを解説。

この記事では、カラーグレーディングとカラーコレクションの違いを解説しています。

RAW映像を誰でも扱ことが出来るようになり、近年急激に注目されるようになったカラーグレーディング。YouTubeでのHowTo動画や記事でもよく取り上げられるようになりました。


しかし、注目されすぎて情報過多でどれで勉強したらいいか分からない!

そこで今回は、カラーグレーディングの「これさえ押さえておけば、大丈夫!」という部分と私なりのカラーグレーディングの勉強方法を説明します。
これからカラーグレーディングを学びたい!もっとカラーグレーディングの能力を向上させたい!といった方向きに記載しております!

カラーグレーディングとカラーコレクション

よく言われる”カラグレ”、”カラコレ”。
これ、実は意味が違います。結構同じ意味で使われていることが多いですよね。
意外とカラー触っていないと知らないんですが、カラーを触る上でこの違いはかなり重要になってきます。

カラーコレクション

カラーコレクションとは、実際のカラーに戻す作業を示します。ここで簡単に説明すると、logやrawで撮影した撮影データには、実際に肉眼で見ているような色が反映されていません。
ですので、logなどで撮影した素材を元の明るさ・彩度・ホワイトバランスに戻します。
※logやrawでの撮影ていう言葉をよく聞くことになると思いますので、次回こちらの記事も書かせていただきます。

これを読んで疑問に思った方もいるんじゃないでしょうか?
あれっ、撮影でホワイトバランスって合わせるよね?

撮影でホワイトバランスは合わせます。しかし、完璧に合わせることは不可能です。そのため、カラーコレクションでさらに正確なホワイトバランスに合わせる必要があるんです。
例えば、logで撮影していて、ホワイトバランスを合わせました。しかし、ホワイトバランスのズレが1メモリ程あったとします。
カラーコレクションで元の色に戻すために、のっぺりとしたlogの映像の明るさと彩度を上げます。

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第4・5回 配付資料(NUMMIの事例)

明るさを上げると波形は引き延ばされます。(図2)

スクリーンショット-380-1024x576

彩度を上げると波形はずれます。(図3)

スクリーンショット-381-1024x576

つまり、撮影時は微々たる1メモリのズレでしたが、カラー調整によってそのズレが2、4、8、、、とどんどん大きくなっていくわけです。

そのため、カラーコレクションではズレが発生しているホワイトバランスを合わせる必要があるんです。

そして、カラー補正の中で1番大切なところなんで、カラーグレーディング(以下グレーディング)の前に行います。カラーコレクションを先に行うことで、カラーグレーディングを行う時に的確に色を抽出出来たり、色を加えたりすることが出来ます。

例えば、室内の電球色のライトによって、カメラ内では白の服がオレンジになったりしますよね。私たちはそれを感覚的に白と認識できますが、カメラは映像の表面の色情報しか出せません。つまり白の服がオレンジの服として情報が出されてしまっているんです!このままグレーディングでオレンジを赤に変えたりすると服の色まで赤になってしまいます。。。。

これはホワイトバランスだけの例ですが、明るさにも彩度にも同じことが言えますので、これを避けるためにコレクションを行う必要があるんです!

カラーグレーディング

カラーグレーディングは、カラーコレクション後のカラー補正の作業を示します。最近流行りのティール&オレンジにする作業はこの分野になります。

ただ正直に言うとカラーグレーディングには、正解がないんです。どんなルックを作っても、そのルックを作ったカラリストが納得していればそれは正解なんです。要するにカラーグレーディングは、”芸術”なんですよね。

ですので、作業する際にどうすればいいとかこれは絶対に抑えておけばいいとか確証のある説明できないんです。ただ、カラーグレーディングをする上で、これは知っておいた方がより上手くいくよというものはありますので、これから説明していきたいと思います!

レファレンス(参照となる映像のJPEGやPNGデータ)を用意することです!

え?そんなの考えたら分かるじゃん。。。って思いますよね?

でも、私もそうでしたが意外にカラーグレーディングをしてると自分で色を作りたくなるんですよね!
さぁ、作るぞ!って意気込むんですが、全然思っている色が作れないんです。本当に、全く。。。

ですので、カラーグレーディングの為に、映画のワンシーンのスクショとかで全然問題ないのでレファレンスを用意します。
これをDaVinci Resolveに入れて、波形を読んでください。そうすると、そのレファレンスのカラーの仕組みが分かります。

どんな色がどこの階調に使われているかが確認でき、それに沿ってカラーグレーディングを行うとスムーズに出来ます。

YouTubeでチュートリアルが結構挙がっていますよね。あの方たちはレファレンスを用意しないかもしれませんが、それはプロだからです。色の組み合わせや仕組みを熟知されています。

まだ何も知らない私たちは、彼らのようには絶対にできません。ですので、完成されたルックを分析&勉強して自分のクリップに落とし込むこれが重要だと思います。

さぁ、レファレンスについて少し熱くなってしまいましたが、ここで1つ、レファレンスを使う上で大前提となっていることがあります。

『波形を読む』

これ、めちゃくちゃ重要です。
もちろんカラーグレーディングでも重要ですが、カラーコレクションでも理解しておかないと作業できないくらい重要なんです。

そこで次はカラーコレクションで絶対使うスコープ(波形)の見方について説明します。

私はカラー補正でDaVinci Resolveを使用していますので、Davinciベースで書かせていただきます。

スコープ

ウェーブフォーム

使用用途:輝度とホワイトバランス
縦軸は輝度、横軸は画面を表しています。ウェーブフォームにはパレードと波形の2種類がありますが、表示しているものは同じです。RGBごとに表示しているかしていないかの違いだけです。RGBのズレを直すことでホワイトバランスが合わさるため、基本的には波形を使うことが多いです。◯のついている部分が対応しています。

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ベクトルスコープ

使用用途:彩度と色相
円が色相を表し、中心から距離が遠いほど彩度が上がります。スキントーンインジケータというスキントーンの適性の色相を表す線があり、その線にスキントーンを合わせます。

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スコープを読み取ることはカラー補正で一番重要です。映像は発信する媒体によって規格が変わってきます。そのため、再生媒体によって暗すぎたり明るすぎたりすることがあります。スコープをしっかり解読して、適性の色を表現できるようなりたいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考

https://vook.vc/n/1981

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