見出し画像

elétrico【名(男): (路面)電車】

Olá, bom dia! Como está? 
先日、comboioの回でお約束した通り、今回はelétrico エレトゥリコ、路面電車についてです。手元の辞書には単に電車とありましたが、ポルトガルで(特にリスボンやポルトで)elétricoと言ったらトラム(路面電車)のことで、一般的な鉄道の電車はcomboioです。

トラムはお土産のモチーフに必ずと言っていいほど登場し、最早リスボンやポルト、ひいてはポルトガルのシンボル的存在とも言えます。今回はリスボンの市電をメインに取り上げてみたいと思います。

リスボンの市電はCarris(カリス)という会社が運営しており、現在、12E(マルティン モニシュ-マルティン モニシュ、環状線)、15E(フィゲイラ広場-アルジェシュ)、18E(カイシュ ド ソドレ-アジュダ墓地)、24E(カモインシュ広場-カンポリード)、25E(フィゲイラ広場-プラゼーレシュ墓地)、28E(マルティン モニシュ-プラゼーレシュ墓地)の6路線あります。

エレトゥリコには【形: 電気の、電気で動く】という意味もあり、その名の通り、もちろん電気で動いているのですが、1873年の運行開始当時(会社設立は1872年)は、今のサンタアポローニャ駅-サントシュ駅間を馬車鉄道(軌道上を走るが動力は馬)で走っていたそうです。その後、1901年に初めて電車方式が導入され、順次電化されます。ポルトガルのシンボルのようなエレトゥリコですが、もともとはアメリカから輸入されていたそうで、カーロ アメリカーノ(carro americano)と呼ばれていました。1884年になると、トラムだけでなく、坂が多いリスボンの必須アイテム、ケーブルカーやエレベーター、ポルトガル語ではAscensor(アッセンソール)やElevador(エレヴァドール)の運行も始まります。Lavra(ラヴラ)線、Glória (グローリア)線、Bica(ビカ)線のケーブルカーとSanta Justa(サンタ ジュスタ)のエレベーターは今も現役です。

画像1

1944年にはバス路線、1959年にはレスタウドレシュとセッテリオシュ間でメトロ(地下鉄)の運行も開始されます。メトロは今も路線延長されていますが、エレトゥリコは20世紀半ばに最盛期を迎えるものの、その後バスやメトロに取って代わられ、28路線あったものが今は6路線になってしまいました。街のあちこちに使われなくなった線路の跡が残っています。

トラム、バス、ケーブルカー、メトロは共通の乗車券で乗ることができます。乗車券(一回券、ケーブルカーは往復券)は運転手さんから買うこともできますが、あらかじめ、メトロの駅等でチャージ式のカード(あるいは一日券等)を購入しておくと便利です(自動券売機もあり、英語でも表示されます)。最初に0,50€払ってカードを購入し、好きな金額(あるいは回数)をチャージします(トラムやバス車内ではこのカードは購入できません)。トラム(バス、ケーブルカーも)は前乗り後ろ降り(15Eの新型車両はどのドアからでも乗り降りできます)。乗ったら乗車券を入口脇にある検札器にタッチします。降りる場合はParar(パラール=止まる)と書いてあるボタンを押して知らせます(バスも同様)。Carrisの携帯用無料アプリもあるので、停留所検索やリアルタイム時刻表など、トラムやバスを乗り尽くしたい方には便利です。リスボンの公共交通機関の乗り方や切符については、またいつかあらためて詳しくご紹介します。

先日、以前から気になっていたCarris博物館に行ってきました。15Eのトラムに乗っていると前を通るので、興味はあったものの、なかなか途中下車する機会がなかったのですが…思っていたよりも、とっても面白い博物館でした。
第一展示室は、トラムやメトロの歴史が紹介され、ま、いたって普通の博物館なのですが、そこを見終わると、構内専用のトラムがやってきて第二展示室へ連れて行ってくれるのです。当日は私と友達の2人で貸切状態でした。布張りの椅子で内装もちょっと豪華。第二展示室には歴代のトラムやバスの実物が展示されています。展示の最後には、さまざまなグッズを売っているショップもあり、その間、私たちの専用トラムは待っていてくれて、また出口まで送り届けてくれました。子供たちへの教育用の第三展示室もあるようですが、私たちはこれで終わりだよと言われたので、第二展示室までで博物館を後にしました。
15E、18EのEstação de Santo Amaroで下車後すぐです。

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9

画像10

トラムはリスボン生活にはなくてはならない足であると同時に、重要な観光資源です。観光客に一番人気の路線は28Eですが、ジェットコースターさながらのスピードでとっても狭い道を駆け抜けていくのはスリル満点です。でも一番人気ということで、いつもとっても混んでいるので(ロックダウン中は静かでしたが、最近またかなり観光客が増えてきました)、トラムに乗ること自体が目的なのであれば、始発駅のマルティン モニシュまで行って乗ることをお勧めします。それでも旧型車両で定員も少ないので、一台やり過ごさなければ乗れないかもしれません。
ジェロニモス修道院やベレン方面に行かれる場合は15Eが便利です。坂道や細い道がほとんどない15E路線は連結タイプの新型車両が多く、定員も多いので、まず乗れないということはありません。

リスボンにお越しの際は、エレトゥリコはぜひぜひ眺めるだけでなく乗ってみてください。では、今日はこの辺で。Até a próxima!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?