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折り返し地点

・宇宙飛行士受験から1年とちょっと

私は18歳で今の世界に入って、36歳で宇宙飛行士を受験して、あと18年くらいで仕事を引退すると思います。
人生の折り返し地点を周りながらこの数年を過ごしてきました。

18歳から36歳まではひたすらに自分を鍛えてました。

仕事、勉強、運動、人間関係

自分の目標のさらに一歩先に宇宙飛行士という高い目標があってくれたおかげで、本当に充実した人生を送ることができたと思います。

ただ、そこには自分が気付いていない、負の面がありました。

以前、自分のこれまでのストーリーを選抜受験者の仲間内に話す機会があったのですが、最後に質問に答えていく過程で、こんな質問がありました。

「今後どうしていきたいか」

ごく一般的な質問なのですが、これに答えようとしても言葉に詰まり、涙が止まらなくなりました。

今までガムシャラに飛んできたので、飛行機を降りたあとの自分を想像したことがありませんでした。
自分が自分じゃなくなるようで怖かったのです。

人間はいつまでも最前線に立つプレイヤーではいられない。

自分を鍛えることができる。
努力を発揮できる場がある。
その幸せな時間は儚いものと気付かされました。

・7段階の人生論

能楽で有名な世阿弥が著した「風姿花伝」には7段階の人生論というものがあります。
世阿弥は人間が芸能の道を生きる上で、人生のそれぞれのポイントで何をすべきかを残していました。

これを見たとき、自分が歩むべき指針になるんじゃないかなと思いました。

ざっくりまとめると以下の通り。

幼  少:思うままにやらせなさい
少年前期:それだけで「時分の花」がある
少年後期:今までできていたものが小さな変化でできなくなる(声変わりなどがイップスを生む)。苦難が待ち受けるが諦めてはならない
青  年  期:「時分の花」を実力と勘違いするな、初心忘れず「真実の花」を目指せ
壮年前期:上がるは35歳までに「真実の花」となれ。40歳以降は下がるのみ。
壮年後期:難しいことはせず、得意なことをせよ。後継者を育成が一番大事
老  年  期:老いても老木に花が咲く。それが理想の能。

私はいわゆる壮年前期〜後期にあたります。
私がこれからすべきことは

・これまでの人生を振り返り
・今後の進むべき道を考え
・何か得意なことをし
・誰かを育成すること

だそうです。
これらをすることが、良い人生を歩むための指標になるのかなと思いました。

・自分の進むべき道

あれからいろいろ思うことがありました。
少しだけ飛ぶ仕事から離れる期間をもったり。

離れてみて思うことは、空に戻ることが怖かったということ。

乗ってるときはあれだけ降りたくないと思っていたのに、飛行機から離れると、空に戻ることが怖い。

おかげで安心できました。
自分は飛行機を降りても大丈夫。
前を向いて歩いていける。

・遺すこと

選抜期間中からちょこちょこnoteを書いてました。
初めは思考の整理、論文の練習などの目的に書いてたのですが、今ではちょっとした息抜きになっています。

私は後天的に作られた人間です。
遺伝的に優れた何かを持っていたわけでもなく
運動も勉強も別にできるわけでもなく
成績が良いわけでもなく
人間関係にも苦労する生活を送っていました。

努力が続く人間でもなかったので、いかに楽して能力を身につけることができるかばかりを考えてきました。
だから自分がどうやって課題を克服したかを言語化できるのかもしれません。

今だから遺せること。
あとで忘れちゃうかもしれないこと。

そういうものを遺していく。
人を育て、教え、導いていく。

そういう人生にシフトしたほうが、豊かな人生を歩むことに繋がるんだなと思いました。

これからもこのnoteを活用していこうと思います。

Aviator.