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デジタルでもアンダー目が良いのか

皆さまこんにちは!
ミスター600mm!!
ヒコーキの世界を超望遠で切り撮る航空写真家
深澤明です。

ポジフィルムでの撮影の話をすると、現代の撮り方に沿っていないので「フィルムの話はいいって」と敬遠されがちですが、ポジフィルム時代にはアンダー目に撮影するカメラマンが「上手い」とされていました。

少なくともそのようなことを口にする先輩が多かったです。

ポジフィルムはラチチュードが狭かったんです。ラチチュードとはフィルムがとらえることができる明るい部分から暗い部分までの再現可能な幅のことです。

デジタルカメラでいうところの、ダイナミックレンジ、ですね。

ポジフィルムはそのラチチュードが狭さから、適正露出で撮ることが難しく、それがプロへのハードルの高さの一つでもあった気がいたします。

ポジフィルムは白を飛ばしてしまうと、つまり階調がない状態にしてしまうと印刷原稿としての役割を果たせないため、基本的にはポジフィルムの見た目の綺麗さは追求しておらず、アンダー目に撮影していました。つまり、見た目も綺麗に越したことはないのですが、綺麗さだけに固執していないという意味です。

デジタルになってからはどうしても、見た目の綺麗さだけを訴求してしまう傾向がある気がするんですよね。したがってデジタルのダイナミックレンジが狭かったこともあり、平気で白飛びしている写真が氾濫していた時期もありました。

「現像による仕上げまで想定して撮る」と書くと、JPG撮って出し至上主義派は嫌悪感を覚える場合もあるようですが、ポジフィルムも撮りっぱなしだったんだから、という論理の上に成り立っていることからの思考でしょう。

撮って現像所にフィルム現像に出すだけだったのだから、何にもコントロールしてなかったでしょ、という論理です。

しかしながらデジタルになって多少の領域ではありますが、印刷に向けた製版領域の知識や経験的見地が必要で、その上に成り立ったデジタルデータは結果として(←ここが重要)、綺麗な成果物になるわけです。

JPG撮って出しでは、綺麗な成果物が作れない、ということではなく、やや残念な部分が出てきます。まあ、SNSにアップしてニヤニヤしている分には構わないのですけれども。

「JPG撮って出し至上主義でも綺麗な印刷物になっているやん」と思われた方。それは製版屋さんと印刷屋さんが頑張ってくれたおかげなだけです。もしくは雑誌の編集者が色校正の時に的確な指示を出してくれたおかげなのです。

ここを理解して主張を展開される分には良いんですけれども、「この事実を知ってよぉ〜」と思っていても、学ぶ機会もなければ、その必要性だって普段は感じませんよね、なかなか。

ただ、このあたりの話は興味のある方には結構面白いことになるでしょうから、どこかで学べる場所を探してみてください。

「ド本気講座」、ですとかね!

ところで、撮影時の露出感から仕上げまでの段階はこんな感じです。あくまでも(Case of 深澤)であり、正解がこれだ!という訳ではありません。ご自分のスタイルで自由にお撮りいただいて良いのですよ!

しつこいですが、あくまでも(Case of 深澤)です。

 撮って出しJPGがこちら。この露出感で撮影している(Case of 深澤)
RAWからパラメーターを動かして現像した結果(Case of 深澤)
さらに仕上げを行い、写真を完成させたもの(Case of 深澤)

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