好みは変わっていないのかも
ポジフィルム時代の写真です。まだまだフォトグラファーに昇格していないカメラアシスタント時代のものや学生時代の写真を見返していると「案外シャッターを押す感覚ってあの頃とちっとも変わっていないかも」って。
不思議なものですね。まだまだひよっこだった時代と今が同じ感覚かもって思うこと。まだまだひよっこなのかもしれませんね。
変わるべきものと変わるべきでないものがあるとするならば、光を捉える感覚や嗅覚みたいなもの。研ぎ澄まされてきている部分と鈍くなってなっている部分。いろいろとあるのかもしれません。
上の写真は今でいう県営名古屋空港です。国際線も華やかで、2,700mの滑走路をジャンボやMD-11が目一杯使って離陸してゆくシーンを目に焼き付けていた頃です。
台風で昼間は外に出られないくらいの日曜日。天気予報では夕方には抜けそうな感じがしたので、雨風が吹きつける中を空港へと車で向かい、この瞬間を待っていました。
台風の後の夕暮れは怪しいオレンジ色になるだろうと読んでいた通り、それはそれは見事なソラでした。
当時はポジフィルム。増感すればマゼンタ色成分が浮き上がってくることを経験でしていたので、+1と1/2増感するつもりで露出を設定して撮りました。JASのMD-90ですね。
現像所から上がってきたスリーブを手に取った時の興奮は今でも覚えています。もう25年以上も前の話ですけどね。
いまでもこういう狙い方、するだろうなって思います。
こちらは下地島空港です。知り合いを通してお願いをして、訓練で訪れていたボーイング777-200型機(JA8981、シリウス)をランプ内で撮らせていただいた時のもの。この機体は2014年6月に退役しています。
この写真を撮ったのはまだまだ航空写真家の夢見ていた頃です。所属していた広告写真スタジオに無理言って有給休暇も使って1週間の夏休みをもらい、訓練中の数日間、密着して撮っていました。
ポジフィルム100本(RVP)持って宮古に飛び、レンタカーを借りてフェリーで伊良部島に入り下地島空港へ行きました。
その時に「伊良部島大橋 早期実現を!」という大きな看板があったことを覚えています。まさか航空写真家になってから取材などでその伊良部大島を渡ることになろうとは、この頃は知る由もないですが。
この主翼下に潜り込んでエンジンを入れながら機種方向へレンズも向ける撮り方、今でもやっています。好きなんです、このアングル。
これを撮った時、梅雨明けのめちゃくちゃ天気の良い日で、顔も腕も日焼けで真っ黒になりながら撮っていました。あまりに暑いのでちょっと休憩のつもりで主翼下に潜り込んだんです。そしたら、このアングル見つけてしまって。「これだ!!」と叫んだのを今でも覚えています。今から22年ほど前のことです。
この頃の下地島は通り池や、いわゆるRWY17エンドもそれほど人も多くない、まさにとっておきの場所でした。夜には満点の星空、最高でした。
上の写真は鹿児島空港で撮ったボーイング747-400Dのエアボーン。ジャンボの離陸ショットは好きでした。「斜め前からのエアボーンショット、嫌いな人はいないよ」とかつて青木勝さんから言われてお互い笑いましたが、昔からこのショットが大好きでした。もちろん、いまでも。
こうしてかつての自分がポジフィルムで撮影してきた写真を振り返ってみると、プロフェショナルの航空写真家になる前から狙い方や好みはあまり変わっていないのかもしれません。
まあ、変わる必要もないんでしょうけどね。
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