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アンチテーゼやアイロニーは必要か

肯定する。否定しない。

良いことを言う。悪いことは言わない。

その方が誰も悪い気はしないのだろうか。そうすれば、誰もがハッピーなのだろうか、と考えるときがあります。

「あまり良いことばかりを口にして、マイナス面を言わないのはかえって信頼を落とすよね」。実はこのアンチテーゼとアイロニーという単語を目にした直後にバッタリ会った同業者が言っていた。

それもそうかなと思いつつ、まあどんなものかなとその時はあまり思考を進めなかったけれども、時間の経過と共にいろいろな要素が混ざってきて、やや頭の中が混沌としています。

人のヒコーキ写真を見て「ヘタクソっ!」と切り捨てることが愛情か、それとも「ここはとても良いね!もう一つステップアップするにはこうすると良いと思うな」とアドバイスを送ることが愛情か。実はここはかなり深いテーマを含んでいると考えていて、ズバッと一言で切り捨てることでレベルへの未達をシンプルにわかってもらうことの方が、プロからのメッセージとしては良いのかもしれない、とも頭をよぎったのです。

もちろん、そんなことはしませんが、プロが相手にするにあたわず、という態度をとること自体は悪いことだとは思いません。そんなに人に関わっている時間などないでしょうし、限られた時間と労力をどこに注ぎ込むのかといえば、クライアントだけで良いわけですからね。

ただ、言いたいことは言えない、ですとか、忖度して言わないことは必ず出てきますね。携わる媒体の性格、性質、ポリシーに添うのは当たり前ですから。それがメーカーの仕事であっても同様でしょう。販促が絡んでいるなら尚更かもしれません。

「メーカーに魂をどこまで売れるか」という論点まで出てきますが、そこは向く方向によって言うべきこと、言わないといけないこと、言ってはいけないこと、言うできでないこと、が変わってきます。

メーカーに対しては、良くても悪くても、言うべきことを言わないといけないでしょうね。それが次へのクリアすべき課題なのかも議題にあげなければなりませんから。では、売る先の顧客や潜在顧客には、すべてを言うべきなのでしょうか。

「ここはまだまだダメだから買うべきではない」と、率直に言う人を信用するのか、それとも「全く問題ないよ」というニュアンスしか言わない人を信用するのでしょうか。

最終的にはそれぞれの判断であるとはいえ、本音で語ってくれる人の方が良いなぁとは思うし、自分自身はそうありたいと強く思っています。

さて、私はNikonユーザーなので、少しNikonの話をしようと思います。

今現在、一眼レフカメラのD6とミラーレスカメラのZ6IIを併用していて、空港やその周辺で撮影するとき、D6にはテレコン付きの超望遠を、Z6IIにはZレンズの24-200mm、もしくはFTZアダプタを使用して80-400mmを装着しています。

仕事での取材や撮影の時は、Z6IIがいまはメインで、いずれミラーレスのフラッグシップクラスが出たらそれがメイン機となるのかなと漠然と考えていましたが、Z6IIの軽量かつコンパクトさに慣れてしまうとD6のボディが大きくて重い(笑)。なので、フラグシップクラスになるとD6ほどの重さはあるかどうかはわかりませんがおそらく大きさは同等近くになるでしょうし、そうなるとZ6IIのボディサイズの方が例えば旅モノの取材の時は圧倒的に機動性が高い気がしています。

「一眼レフとミラーレスを混在して使うのは難しい」ということをよく聞きますが、そんなのは慣れの問題でいまは違和感なく展望デッキや外周で撮るときは併用していますから、要はできないと思ったらできないし、できると思えばできる訳ですよ。

どちらにせよ、何で撮ったかが問題ではなく、何をどう撮ったかが大事だなと思う次第です。

まあでも正直、Nikonは売り方はうまくないですね。Z6IIのレンズキットも最初から売っていればもっと反応が良かったと思うし、24-200mmのレンズキットがあればもっと売れているのではないかと。それが本音です。

以前200-500mmのレンズが出た時に「これはヒコーキ写真撮影者こそメインターゲットです」というセリフは聞いていたけれど、それほどの強いPRは感じなかったですしね。

これらはすべてユーザー側の視点だから、製造する側、売る側にはそれなりの論理があるのでしょう。

経済ニュースなどには「Nikonの映像事業の赤字」について報じられたり解説されている記事をみるにつけ、Nikon一筋の身としてはさみしい気持ちになりますが、単に1ユーザーとして、Nikonという最高の道具を使って、クライアントの期待に応え続けていくのみであります。

そろそろ2000文字を超える勢いで書いていて(書きながら画面の右上に文字数がカウントされていくのも「note」の良いところかも)、題名と内容が合っているのかいささか不安ですが、アンチテーゼやアイロニーが必要とは思いませんが、できるだけ本音を口にして生きたいなとは思います。

【写真キャプション】Nikon D6   VR 600mm f/4E + 2倍テレコン (1200mm相当) 1/800  f8  ISO1600 JPGFINE撮影   「そろそろ冬の空気から春を感じる空気へと変わりつつある早朝の羽田空港第2ターミナル展望デッキ。日の出との絡みを狙ったが、運良く?!朝から南風運用。朝陽との絡みは実現しなかったが、マット調な背景とのショットが撮れた。」




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