モンスの天使 ~占いと預言のジオメトリー・補遺Ⅱ~
この度の連作短篇の補遺の一つ、特に『アリアドネ』のテーマと構成の補足として、とある歴史上の事件の解説をしたいと思います。
『アリアドネ』はホルヘ・ルイス・ボルヘスの架空の短篇と、ガイアナのジョーンズタウンで起きた実際のカルト集団自殺事件をベースに描きましたが、着想の時点ではもう一つの事件を利用するかどうか迷っていました。しかしながら次点のモチーフは、テーマは同じでも真逆の結果を生んだ事件でしたので、なかなか作品中に取り込むのは難しく、補遺としてここに書き留めておきたいと