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嵐のような凪のような、島の片隅でくじを引く。

いやはや今週は、嵐のような1週間でありました。

以前「はいPCRを受けます、と言いました。」の回で書きましたが、シマ島で3年ぶりに神社の縁日を開くかどうか、ここ1週間ずっと検討が重ねられてきました。他のイベントは軒並み中止となり、唯一残されたのがこの縁日。たかが縁日、と思うかもしれませんが、こういうささやかなお祭りが夏の思い出になったりするものです。

一時は「やる」と決まったものの、そのあと島内でクラスターが起き、そのたびに縮小方向で何度も調整。そのうちに、縁日を一番楽しみにしている子供たちの間で爆発的に広がっていることが判明すると、いよいよ開催自体を見直さないといけなくなってきました。

やめることはカンタンで、そうやって3年間やめ続けてきたシマ島では、もはや思考停止になって「始めること」ができなくなっています。このままいくとマズいという危機感と、何かあったときの責任の重さで、お祭り実行委員会は大揺れに揺れていました。

さあ、どうするか。
と会議が煮詰まったときに、スッと手を挙げた男がいました。

「やるかやらないかじゃなくて、そもそもこの祭りって何のためにやるのかってところに立ち返りません?」

シマ島の有名人、光乃丞その人であります。

みつのじょう、通称みっちゃん。大変ヒストリカルで仰々しい名前ですが、本人は「踊る阿呆に見る阿呆」なら間違いなく踊りまくる、アホウでノリノリな陽気なおっちゃんです。

みっちゃんのユニークなキャラクターについてはいずれゆっくり書きたいと思いますが、とにかくみっちゃんのひとことで空気が変わり、「この日に神社へお参りして子供たちの健康を祈るのが目的だったよね」となり、「だったらお参りをメインにして、帰りに少しリフレッシュしてもらう感じでいいんじゃない」となり、最終的にはごくごく小さな出店にとどめて決行することになりました。

それがギリギリに決まり、「くみさん悪いけどPCRキットを明日朝イチで送って」と連絡きたのが夜8時。シマ島では検査できる医療機関がないので、自分で唾液を採取して速達で本土に送ることになっているのですが、1日1便、早朝しか船がないので〆切時間に遅れると翌日の発送になってしまうのです。あわてて準備してダッシュで投函。

翌日に届いた検査結果はぶじ陰性。いやー、今年イチ緊張した。。。


というわけで、縁日もぶじ開くことができました。

わたしはくじ引きコーナーの担当で、縁日の中ではいちばんの人だかり。やってもいいですよとは言ったものの、やっぱり不特定多数の人と接するのは緊張する・・・。

それでも、3年ぶりに浴衣でおめかししてやってきた子供たちの楽しそうなことったら。現場はバッタバタでしたが、このバタバタが本来シマ島の夏ではデフォルトだったわけで、忙しいほうがむしろ落ち着くみたいな不思議な穏やかさを感じたのでした。

いろいろあったけど、できてよかった。これでなんとかこの夏も乗り切ったかな。

と思った途端に、まさかの展開が待っていたのですが・・・。

長くなるので次回へつづく。

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