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<15>ジョニーが来たなら伝えてよ、2次会庄屋だと。

じじょうくみこが誕生して丸10年。というわけで勝手に生誕記念⁉でウェブマガジン「どうする?Over40」に連載していた処女作の「崖っぷちほどいい天気」をこちらに転載しております。

第14回は本編とは別の雑談でしたので割愛いたしまして、今回は第15回をお送りします。「NO DANNA, NO LIFE」をテーマに、絶賛婚活中の四十路独女じじょうくみこでございます。婚活で知り合った人と会うまでにいたらない小心者のわたくしですが、勇気を出して「会いませんか!」と告白した結果……。

ちなみに、調べてみたら独身証明書ってまだあるんですね。



*** 2013年8月31日の記事***

ジョニーが来たなら伝えてよ、2次会庄屋だと。


婚活して初めて知る事実、というものがあります。

たとえば、世の中に「独身証明書」なるものが存在すること。

正式には「婚姻要件具備証明書」または「結婚情報サービス・結婚相談業提出用証明書」と呼ばれる、全国の市町村役場で発行される公式書類。個人情報がうるさくなった2000年に、戸籍謄本のかわりに誕生した新しい証明書らしいです。もとは重婚を予防するために作られているようですが、結婚相談所でも加入時に提出を求められることがあるとか。身分を保証する証明書は多いほど信頼度も高まっていいでしょうが、それにしても

「正真正銘100パーセントまじりっけなしの独身ですテヘペロ 」

と書かれた書面を殺風景な役所のカウンターで受け取るさまを想像するだけでアイ・キャン・ストップ・ザ・ロンリネス、悲し〜みがぁ〜と〜ま〜ら〜なぁい〜♪じじょうくみこです。

婚活サイトでも独身証明書を登録できるようになっていますが、免許証やクレジットカードなどは登録されていても、独身証明書を登録している男子にはまずお目にかかりません。そりゃそうだよね、婚活サイトは自己申告の世界だもの。

少し前にも妻子持ちの四十路市議会議員が「ひーちゃん」と名乗って婚活サイトでオイタした、というニュースがありましたが、そんなメンズに騙される可能性も十分にあります。ネット婚活はそういう有象無象、魑魅魍魎と相対することなのだな、とようやく気づいた今日この頃です。

* * * * * *

先日、写真ありきのお堅い婚活サイトからアバターアイコンのライトなサイトに乗り替えたという話をしましたが、写真からアバターに変わるとどうなるかというと、

圧倒的にチャラくなる


それはもう激変と呼んでもいいほどの変化でした。登録した途端に交際申し込みのメールがガンガン届くのはいいのですが、

「すぐに会える女の子希望! 会える人だけ返事くださーーーい(^^)/」

「渋谷あたりでお食事しませんか。いつも○○あたりにいます。連絡待ってるよ♪」


かるっ


まじめなメッセージもたくさんありますが、四十路、五十路メンズも写真を見せないとこんなに強気に出るものかと、改めてオトコという生き物に対して新鮮な思いがいたします。

でも、あれこれ調べた結果どうやら婚活サイトでは早い段階で相手と会うケースが多いらしい、ということがわかってきたのです。婚活仲間のナツカワちゃん@20代にも「メールとか面倒なんで、私すぐ会っちゃいます。婚活は会ってこそですよ、くみこさん」と言われてしまいました。

そうねそうね、確かに会わないとわからないよね。それはわかるんだけど「会っちゃわなーい?」「オッケー」
でいいのか?相手がどんな人かわからないのに、事件だって起きているのに怖くないのか??と思ってしまう私は考えすぎでしょうか…。

やっぱり、メールで人となりがわかってからでないとイヤだなあ。でもそれで前のサイトでは失敗ばかりだったわけだし、尻軽アクティブな雰囲気の婚活サイトに登録したのも何かの縁。流れにのっかるのもいいかもしれないと思い、ひとまず連絡をくれた人の中で誠実そうな文面の方と交際(といってもネット上ですが)してみることにしました。

お相手は1歳年上の会社員、ターさん。「よろしくお願いします」とメッセージを送ると、早速返事が届きました。

「OKありがとうございます。名前は竜也ですよ。家は渋谷区○○○です。最寄り駅は○駅、駅から徒歩15分くらいです。よろしくお願いしますよ(^-^)/」

ギャッ

なにそのいきなりな個人情報開示!!!

こここここれは家に来いということなのかそうなのか??婚活サイトにはヤリ目と呼ばれる、エッチ目的の男子もいると噂に聞いていたので最初から警戒心マックス。いやいやでもアラフィフ独女相手にヤリ目も何もないだろうと(そういう時だけオバサンコンプレックス発動)、とりあえず様子を見ることにしたのですが

「こんばんは。いま帰ってきたよ。これからシャワー浴びてビールだよ。乾杯o(^▽^)o」
「今日は暑くなりそうだね。体調に気をつけてね♪」
「今日のお昼はつけ麺にしたよ(^-^)/午後もガンバロウ」
「今週もお疲れさま。週末は雨みたいだね(^^;)仕事は休みかな?」

他愛もないメールを毎日送ってくるのです。それはもうせっせと、1日も欠かすことなく。すばらしいまめっぷりです。でもね、さすがに私も学習していますよ。

筆まめなメンズほどメールが浅いということを。

案の定、1ヶ月たっても事態はいっこうに進みません。届くのは決まり切った天候や挨拶のメールばかりで、ターさんはプライベートを質問は一切しないし、自分の話もほとんどしないのです。

これは一体どういう心理なんでしょうか。メールすることで「きみのことを大事に思っているよ」というアピールのつもりなんですか。「文章は苦手だから早く会おうよ」ということなら、それはそれで心の準備もいたします。でもね、リアルな友達や恋人ならともかく、どんな人かもわからない相手と内容のないメールを交わし続けるのってね、

はっきり言って拷問

メールからゆっくり関係を築きたい派の私も、さすがにしんどくなってきたのでメッセージを送りました。

「このままメールを続けても、ターさんのことがよくわからない気がします。せっかくお知り合いになったのですし、もっとお互いのことを話しませんか。または、会ってみるのはどうでしょうか。」

速攻で返事が届きました。

「あなたは私の思っていた相手と違うようです。交際を中止させてください




はらああああ~~~


始まりもすごかったけど、終わり方もすごい。ガラガラガッシャンとシャッターおろされて、あやうく指挟むところでした。

むうう〜〜。おかしいなあ。私のまわりでは「婚活サイトで知り合った人と結婚した」とか「婚活サイトで彼氏ができた」とか聞くんですけど、なんでかなあ。これを読んでいる人に「四十路で婚活なんてしないほうがいいのかも」と思われるんじゃないかと心配になってきました。いやホントに、うまくいってる人はいってるみたいなんで!そこはどうかひとつご理解を!

なんて考えていた数日後。婚活サイトからお知らせメールが届きました。


「ターさんから交際のお申し込みが届きました」


なんじゃそれ!

却下!!


いやあ男心まじわからんわあ〜。
もう飲むわ、飲むしかないわ、てことで2次会庄屋集合で!!

By じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎

★おまけの人物相関図★

ターさんは完全に忘れてました

元サイトはこちら。

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