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壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑮御手洗水の滝

 この壱岐旅行で最も苦戦した訪問地が最終日午後に急遽追加した御手洗水(おちょうず)の滝だった。
 旅行計画時点において壱岐公式観光ガイドで確認した情報には滝と表現するにはあまりに小規模どころか滝の概念はどこにあるのかと疑問を呈したくなるか細い水流の写真があった(*決して干上がった日の写真が観光用に使用される訳がない)。その時点では友人と相談の結果、今回は見送ることにした場所。

意味をなさない(=管理放棄の)案内表示

 二人共写真撮影に時間がかかる為に毎回の旅行では訪問地は少なく設定していた。その二人であるが、前回も触れたように移動時間が短縮されたお陰でとうとう予備リストどころか保留の場所まで訪問することになる。
 酔狂な訪問者になるのも時にはいいわよね、と明るく出発した二人だったが、カーナビが全く役に立たない。スマートフォンのナビに切り替え近くまでは来ているのだが、それでも幹線道路から入る道(=海に向かう道)が探せない。
 助手席でナビ担当の私は標識かも知れないポール横を通り過ぎた瞬間、視覚の端に四角の表示板を見た。本当に、単に四角というだけ。それでも、情報には違いなく急ぎ引き返した所に在った案内はどれほど動体視力良くても判別し難い御手洗水の滝→の文字。

畑の中に在る観光案内板

 矢印があっても簡略の地図は無い。畑に立つ案内板の横の道が車両通行可能かも不明。当然、駐車場も近くには無い。無い無い尽くしの中、徒歩で幹線道路から離れて緩やかな下り道を海があるだろう方へ向かうことにした。

海岸へと

 歩き始めても訪問地までの距離案内板がないまま不安を抱え歩いた先にようやく海岸へと下りる道を見つける。

自然の中を抜けて行く

 この場所に手摺があること、このこと自体が先に観光地があることの証明かと安堵し急な下り坂に進んで行く。

御手洗水の滝

 もしも、上記の写真一枚のみを紹介した場合は辛うじてと捉えるかもしれない。
 滝とは、河川にできた河床の段をいう。段を落ちる水流が、自然の川、湧水であることを条件としているが、実際には滝もどきも多いそうで判別が分かれることもある。国土地理院では「滝とは、流水が急激に落下する場所をいいます。 ふつうは高さが5メートル以上で、いつも水が流れている有名な滝や好目標となる滝を表示…」とある。


御手洗水の滝 1
御手洗水の滝 2
御手洗水の滝 3
海岸から見た御手洗水の滝

 此処で見るものは瀑布等の一般的な滝の姿ではなく、弘法大師が持っていた杖で岩を叩くと水が流れ、滝になったという言い伝えが観光地になっているよう。
 観光の場合、そこに何を求めるのかで満足度には差異が生じる。レビューがあまり参考にならないのは個人の価値観や背景が見えない為だ。
 私たちは少なくとも期待を込めて訪問した組ではなかった為に、さほど落胆もなく、一応辿り着けたわね、とピリオドを軽く打った。
 この note に簡単に動画を UP 出来るのであれば、少なくとも御手洗水の滝は写真よりも静かな趣きが伝わる。

 壱岐の観光関係者へのお願い:
 推薦観光地の中に候補と上げた以上は、島外者にも分かるようなサインの準備をして欲しい。自然の景観を損なう派手がましいものは決して要らないが標識の役目を果たさない物を形だけ設置されるのは非常に困る。
 


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