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日田から高千穂峡へ小旅行:2 いまどきマニュアル車(MT車)と桜滝

 この旅行の始まりは友人からみてもおそらく迷惑なほど突然な展開であったはずだ。只、日田市内在住の友人は高千穂への一泊が急遽であり一切の予約手配はこの旅行の同行をお願いする私の担当とした。
 私の日田での二泊の予約、高千穂での友人との予約一泊、夜神楽二人分予約等が順調に終わり旅館のキャンセル料が派生する時にアクシデント。

  「右手首を骨折したの。」と彼女から電話がある。
 私の頭の中では大きく疑問符が点滅。云われていることは十分に理解出来ている。既に、その先のそれでは運転をどうするのかというところで私は思案し始めていた。旅行の中止は今振り返ると殆ど考えてはいなかった。
 どうしましょう、というか運転は私よね?と考えの終着点で尚も往生際悪く現実対応にうまく気持ちがシフトしていかない。

 彼女の車も私の車もマニュアル車、この点問題はない。
 今回のお話は、限りなくニッチな世界となり書くべきか悩みはしたが、けれども、今までの旅行でこのような展開は初めてだったことを踏まえるとやはり旅の記録の一部として残すことにした。

 彼女の場合は分からないが、少なくとも私には免許取得の際にAT限定はそぐわなかった。また、欧米でレンタカーを借りる際にMT車が多いことを考慮するとAT限定に意味はない。そもそも、MT車がというか運転が好き。
 警察庁「運転免許統計」による新規免許取得者数の推移では2019年の普通免許取得数は全体の約68.2%(1,094,648人 / 1,605,386人)がAT限定。仕事上MT車に乗車する人を差し引くとMT車に惹かれている人は少ないのは明らか。実際に市場での新車販売の98%がAT車というデータからも分かる。

 話を戻すと、そうした中で二人が乗っている車がMT車という奇跡(と呼ぶのか類は友を呼ぶなのか)。
 私は早速彼女の車種を確認、車体の大きさもさほど私の車と違いがないことも併せて確認する。私の5速に対し彼女の車が6速なことが強いての差違だった。けれども、事前にどれほど丁寧に彼女の車を調べようとネットでの服の購入に似て試着(=試乗)無しでは実際には異なる。

  一日目のホテルへ彼女の車が代行運転で届けられていた。
 私のチェックイン時間に合わせて右腕ギブスの彼女と一年ぶりの再会をする。
 そもそもMT車運転歴は長いが旅行先のレンタカーはAT車利用で自分の車ではないMT車の運転自体が初めてだった。明日からの運転も流石に怖くて日田一日目に日田市天瀬町に在る桜滝まで慣らし運転をすることになった。片道15km、慣らし運転として十分な距離。
 Rギアの位置が全く正反対はやはり戸惑う。私の車は右下だが、彼女の車は一旦下に押し込んでからの左上。駐車場で係る部分なのでそれほど問題はないがニュートラルと各ギアの位置が浅く、慣れるまでは教習所での練習のように一段ずつのシフトチェンジをするしかなかった。


天ヶ瀬の桜滝

 高千穂では竜ヶ岩の滝も予定に組んでいたが、落差50mのその滝への遊歩道が利き手を怪我した彼女には危険に見えルートから外した。
 友人はそのことを考慮して、この桜滝を慣らし運転の為とは言え代わりの滝として用意してくれた。その気遣いがうれしい。平日も影響していたとはいえ、訪れる人も少なく静謐な滝を味わえた。
 生活圏にこうした場所がある友人が羨ましい限り。

 明日からの片道120kmの運転も助手席に彼女が居ることでどうにかなりそうと確認ができた短い初日ドライブだった。

 




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