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14.Evora:駅からポサーダへ

 文字にすると変哲もなく短いtitleを実際行動に移すことが、文章の流れから察しの通りかなり大変だった。
 到着した駅で下車した人数がそもそも少なく人の「流れ」を追うことも出来ない。鍵がかからない化粧室で奮闘している間に旅行者は勿論現地の人の姿も駅から消えた。Evoraは深い歴史を背景に持つ場所ながら駅自体は簡素で日本でのローカル駅と変わらない。
 日本での事前確認で彼には駅から20分ほどなだらかにホテルまで上ると云われていた。日本で聞く限りはさほど問題点は無い、無いのだ。しかし、既に記述しているように石畳でスーツケースを引くこと自体が厄介なのに「登坂」が加わる上、暑さも加わって地獄の様相。ロータリーに出向かえのプレートを持った案内の人が待っていることはありえず、客待ちタクシーが待機しているわけでもない以上丘の上への移動覚悟を決めるしかない。
 問題はガイドブックにも記されていたように降車駅が街の南外れに位置し手元の地図では駅が地図内に表記されていない。ホテルが一体どちらの方向なのか解らないところから始まった。
 まるでゲームの様相、と今は軽く書いているが…ご想像あれ。

 上記写真は敢えてトリミングせずに降車人数の少なさと暑さを伝えたい。
 全てを諦めてスーツケースを引きながら歩き始めて数分で持参地図上の建物を確認しホテルへの大凡の方向と到着時間が見えた時は最初の救いに見えた。*Top写真はこの駅のアズレージョ

 welcomeのこの広場はまだ城壁の外。暑さにめげる私を撮る彼は如何なものか。この広場から町を取り囲む城壁風景が見え始め、Evoraをやっと確認するがまだ、まだホテルまでは遠い。

 この城壁の向こう日本で云うところの旧市街地に入り、目指す処が丘の上にあるホテルであればもう問題がないかというと、否。兎に角、城壁内は細い道が迷路のように待ち構えていた。

 中心地広場に接してインフォーメーションを見つけ取り敢えず案内地図を手にしたころから空気が変わった。そもそも東洋人は私たちの他は滞在中見かけなかったことから解るようにスーツケースを傍らの旅行者姿の私たち二人は目立つ。彼がこの道路を横切った頃から何人もの人から「どうした?何処へ行きたい?」と道案内を受け、無事丘の上の「ポサーダ・ドス・ロイオス」に着く。

 


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