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よみ人しらず:雑感

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2019年10月の記事一覧

時に言葉はナイフ

 友人や知人にかけられた温かい言葉や慰めの言葉をまるで贈り物のように大切にいつまでもしまっていて思い出すことがある。  言葉自体には何も罪も悪意も含んでいなくても、使い手によって同じ言葉が変容し武器になることも、悲しいが現実にはある。  Twitterでは日常茶飯事に見られている世界。Twitterの場合、どちらかと云うと一つの言葉或いは一人の言葉が発信する力には限度がありながらも、大勢の同意を得ることで仮の力を得る。誤解を含みながら違うベクトルへと進行し始めた時は発信者のコ

続:「リーフ茶」解せない半端な言葉

 「急須が自宅にない二十代」の話が今話題の誰かのことではなく身近な問題と知らされた友人との食事会。知っているつもりだったお茶について改めて調べ、雑感を書いたのが昨日。  緑茶消費量等々調べる中で、気になったというよりも違和感でしたなかった言葉が「リーフ茶」。日本的感覚と云ってしまうとそれまでだが、絶句。  もっと急須でお茶を飲んでくださいと云う業界の方々が使う言葉なのか疑問でならない。この言葉が昨日からずっと気になって離れなかった。  普段自宅での飲み物の95%は紅茶をいただ

煎茶道 「道」が付かない茶の風景

 茶道と云われ皆が描く風景は茶筅で点てる一服、抹茶道。同じ茶ではあるが、多少文化の流れが変わり「煎茶道」と呼ばれるものがある。  抹茶道は茶道の祖珠光が築いた「侘」の境地を千利休が完成させたものをいい、この抹茶道は主に武家社会に浸透。武士の密会の場に使われもした。  一方、煎茶道は、江戸時代中期以降に文人墨客たちの間に流行。当時は茶道の形骸化が進む中、それに異議を唱えた知識人たちが形に捕らわれない茶道として見出したのが煎茶道。  実は昨夜友人との会話の中で「職場二十代同僚が

形に込められたもの 形式と形骸化

 昨日上げた旅行記の中でカトリック教徒にしか意味が届かない聖水について説明をしてしまった。この先カトリック教会を訪ねることがあっても洗礼を受けていない一般観光客には無縁のものではあるが、それでもそこにある意味を知っていることは無駄ではないだろうと考えてだった。  その際に、幼い頃の私はどうだっただろうか、とふと考えてた。  おそらく親に入堂の際の手ほどきを受け、おとながする通りの真似をしていた筈だ。幼いながらも流石に聖水が大切な意味は知っていても、そこにある宗教的な意味までは