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時間はおそらく傍目には確実に進み、初春を殆ど飛ばし梅雨になった。庭の木々の一枚一枚を文字通り洗いたての素顔に戻すように空から落ちてきれいな緑に変える雨だれら。これから夏に向かって一雨一雨、緑を濃くしていく。 一番好きな音は傘に落ちる音。言葉の代わりの様にその強弱、その速さで状況をおしゃべりして雨の歩きに楽しさを添える。 空からパラシュート部隊よろしく落ちてくる雨は、その途中では我々の聞こえる範囲の音は当然生じさせない。雨の軌跡のその最後にドラムを打つように「それぞれの音