落合博満から学ぶ、バレーボールにおけるスパイク動作のバックスイング
こんにちは、中田です。
スパイク動作について深めたいプレイヤー、指導者向けの記事です。
スパイクのステップって、教わりましたか?
その打ち方、合ってる??強烈なスパイクを打ちたいあなたへ。
あたりの続き。
関わっていただいている皆様、今年もたいへんお世話になりました。
年末ということでダラダラと本を読んだりしています。
『落合博満 バッティングの理屈』という本、興味があって買ったはいいものの“積ん読”になってしまっていました(落合さん、すみません)。
さっそく目を通したのですが、スポーツ好きにはたまらないですね。三冠王を3回とっている落合さんのバッティング理論が、余すところなく書いてあり、とても参考になりました。野球あんまりやらないけど。
何が参考になったかというと、例えばバッティングのバックスイングについて。
スポーツすべてに共通する、動作の本質を突いているように思います。
ざっくりいうと、落合さんは著書の中でこう語っています。(以下、一部要約)
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・(球種の見極めについて)コンパクトなスイングが必要だ。
・コンパクトなスイングとは、構えを深く、バットは一直線に振り出し、フォロースルーは大きくするスイング。
・深く構えておくことで、バットを振りだすまでに投球をじっくり見られる。
・そうすると、ストレートのタイミングでバットを振り始め、フォークだと分かったらスイングを止められる。
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つまり、コンパクトなスイングをすることで、
ボールをよく見ようというわけです。
バレーボールで例えるならば、クイックの場面。
焦ってしまって、ブロックや相手のコートなんて見てられないこと、ありませんか?
落合さんは、テイクバックを大きくとっておき、時間の余裕を作るのが大切と言っています。
(大きなテイクバックのイメージ↓)
続けて、こんなことも書かれています。
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・体の近くでバットを小さく振るスイングでは、変化球に気づいてもスイングが止まらず、投球を見極められない。
・構えを深くすると、差し込まれる(振りが遅くなる)のでは?
→ミートポイントまでの距離が大きくなる分、スイングを速くしなければならないが、始動のタイミングで調整可能。
・速いボールに対して急いで打ってしまうと、打者の負け。
・スイングは一連の動作。急いで打ってしまうと大事な部分が欠ける。
・始動を調整するだけで、あとは普段と同じスイングをすべき。
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少し詳しく見ていきましょう。
参考資料:バレーペディア改訂版(日本バレーボール学会)
小さく振るスパイクのスイング
体の近くで振るスイングでは、スイング速度が下がりがちです。
また、スイングの前にテイクバックをとることを考慮すると、セッターやブロッカーのちょっとした変化に対応できませんね。
テイクバックを大きくすると振り遅れる?
結論から言うと、振り遅れません。以下の理由からです。
①テイクバックはすでに完成している。
②体幹を使って腕を振るため、スイング速度は上がる。
急いで打ってしまう
相手ブロッカーや相手コートをみて打つ余裕がなくなってしまいます。
また、動作の大事なポイントを省略するため、打ちやすいフォームではなくなり、スパイクに力が乗りません。
始動を調整する
野球では、足の踏み込みから調整します。
バレーボールでは、助走開始から調整します。
そういう意味で、オープントスを打つ場合とクイックを打つ場合とで、スパイクフォームは変わりません。
実際に時間計測しても、アタッカーの助走開始からボールヒットまでの時間はフォームによって変わりません。
このあたりはファースト・テンポは “はやい攻撃” なのか!?(詳細解説)を参照。
まとめ
・スイング時にテイクバックを大きくとることがコンパクトなスイングにつながる。
・コンパクトなスイングができると、周りの状況を見る時間的余裕が生まれる。
→決定率、効果率アップ!
・ボールヒットのタイミングは、動作の始動で調整する。
以上。再見!
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