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INSOMNIUM 『Shadows Of The Dying Sun 』(2014)

フィンランドはJoensuuにて1997年に結成された睡眠不足系メロディックデスメタルバンド INSOMNIUM の2014年発表の6thアルバム。
Century Media Recordsからのリリース。

Shadows of the dying sun


2001年からバンドの不動のアックスマンとして君臨してきたVille Vanni(Gt)がなんと外科医に専念するために脱退、OMNIUM GATHERUMと兼務する形でMarkus Vanhala(Gt)が加わるも、多忙な彼の補欠としてEnter My SilenceのTuomas Jäppineもサポートとして加入している。

サウンドはIN FLAMESAMORPHIS の中間のようなメランコリック味が香る空間系メロデスで、大好物なやつ。
前作からよりサウンドの奥行きが増して、ハーモニーとメロディが際立つようになった。
新加入のVilleも要所要所で泣きまくりフレーズをがっつりと決めており、早くも存在感を出している。

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Niilo Sevänen – lead vocals, bass
Ville Friman – guitars, clean vocals
Markus Vanhala – guitars
Marcus Hirvonen – drums
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■The Primeval Dark
世界終焉を告げるトランペットのようなリフに哀愁を帯びたメロディがゆったりとのる開幕曲。

■While We Sleep
ギターユニゾンで徐々に上昇していく印象的なリフから始まる壮大なオープニングチューン。
6分と割と長めだが、ギターが叙情的なハーモニーを響かせたり、ザックザク刻んだり、ウィスパーボイスを軸にアコギでメランコリックパートがあったりと飽きさせない展開が続く。
特に5:25あたりからの激泣きギターソロは必聴。

■Revelation
太めに刻んだ切れ味のよいギターリフが全般的に支配する北欧味溢れるメロデス。
静まるパートから劇的に音を積み上げてくる展開にはまさに感嘆の一言…
4:35からアウトロ的に流れてくるギターソロもむせび泣きの逸品。

■Black Heart Rebellion
美旋律と美ハーモニーを幻想的に奏でつつ、ゆるやかに進行する後ろでバスドラが地味に主張している。
これといったフックもなく、若干地味…か…?

■Lose To Night
分厚いメロディが染み渡るスローバラード。
慟哭系のグロウルと合唱がいつまでも響き続ける…

■Collapsing Words
激しいリフに乗せて走るThis isドコドコ系疾走メロデス。
後半は余韻を残しながらメロディを噛み締めるようにスローダウン。

■The River
波打つようなトレモロギターメロディが印象に残ってたまらない幻想的な曲。
メランコリーが止まらない。
いわゆる「Insomnium」っぽさが前面に出てる。

■Ephemeral
珍しく明るいメジャーキーの展開で走るアップテンポのスピーディーなメタル。
これは客席奥で腕組んで直立不動でライブを見ていた人も最前線のモッシュに加わるレベル。

■The Promethean Song
全ての罪を赦すかのような、これまでの過ちを洗い流すかのような贖罪感に溢れるメロディにカタルシスを感じてならない。
中間のギターソロは罪の告解とも取れる泣きに満ちたトーンが響く。


■Shadows Of The Dying Sun
クリーントーンでひたすらアルペジオが紡がれつつ、激情のコーラスに雪崩れ込むアルバムタイトル曲。
途中でテンポチェンジするわけでもなく、アトモスフェリックな雰囲気を纏いながら淡々と進む。

■Out to the Sea
前のめり気味なリフが先導する前半と、メランコリックに静まる中間部を経て、扇情的なギターで盛り上がりを見せる後半へ…と様々な展開を見せながら壮大な絵巻は終焉を迎える。


総合満足度 83点(幻想的すぎて寝不足になるレベル)

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