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Red Hot Chili Peppers『Californication』(1999)

アメリカ、いや世界を代表するファンクロックバンド、RHCPことRed Hot Chilli Peppers
絶賛来日中につき、改めて聞き直してみたので魅力をレビュー。

1983年にAnthony Kiedis(Vo.)とFlea(Ba.)、Hillel Slovak(Gt.) 、Jack Irons(Dr.)の高校の同級生でバンドを結成。1984年にアルバム『The Red Hot Chili Peppers』をリリースし、キャリアをスタートする。

もはやバンドの代名詞ともなっている「破天荒」は、デビュー当時からで、ほぼ全裸(Sox on Coc○s)でライブ、ドラッグ三昧、Anthonyがプールに飛び込んで頸椎骨折等、伝説は無限に出てくるが、しかしそのロックスター的なアティチュードは世界を席巻し、90年代には世界で最も重要なバンド10選に選出されている。

遡って1988年、『The Uplift Mofo Party Plan』をリリースした直後、まさにこれからという時に、ベースのFleaをバンドに誘った張本人で、バンドの創始者でもあり精神的支柱であったギターのHillelがドラッグ中毒により突然この世を去る。
失意に覆われたバンドは、その後ドラムのJackも脱退し、崩壊の危機に瀕する。
この危機を救ったのは、RHCPの大ファンであったJohn Fruscianteとの出会いだった。
JohnはRHCPに加入するとテクニックもさることながら、その人柄と情熱ですぐさまバンドの重要人物となり、同時期に加入したドラムのChad Smithと共に作成した『Mother’s Milk』はビルボードチャートを駆け上がり、名実ともにアメリカを代表するバンドに登りつめる。
そんな人気絶頂の中、1991年にリリースされたアルバム『Blood Sugar Sex Magik』に収録されている『Give It Away』『Under the Bridge』『Suck My Kiss』『Breaking the girl』といった曲がシングルカットされ、バンドの人気は更に上昇、日本を含むワールドツアーが組まれる事になった。

しかし、その来日中に突如Johnが帰国、そのままバンドを脱退してしまう。
原因はJohnの鬱病の悪化とドラッグの過剰摂取による体調不良だった。

再び崩壊の危機に瀕したバンドであったが、代わりのギタリストが頻繁に変わる中『One Hot Minute』をなんとかリリースし、Johnの懸命のリハビリとバンドの献身もあり、7年の時を経てバンドに復帰、そして1999年本作『Californication』が完成する。

Californication

RCHPが持つファンクロック要素、ラップ、ブルージーなテイストの全てが最高のバランスで配合されており、初期中期の最高傑作と名高い一枚。

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Anthony Kiedis – lead vocals, overdubbed backing vocals

John Frusciante – electric guitar, acoustic guitar

Flea – bass guitar

Chad Smith  – drums, percussion
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■Around The World
Fleaのブリブリベースを合図にアメリカ西海岸からファンキーなノリとカラッと乾いたロックの風を呼び込む開幕曲。
Chadの軽妙洒脱なビートとAnthonyのRapが耳を惹く。


■Parallel Universe
Fleaの細かで粒立ちがいいベースラインにAnthonyのソウルフルな歌唱がのる高クオリティのグルーヴィーロック。
3:23〜のタガが外れたようなJohnの爆発的なギターソロに思わず耳目が奪われる。


■Scar Tissue
勢いはありつつも、ベテランの落ち着いていて細かなニュアンスやフレージングの絶妙さに「大人のロック」を感じられる一曲。

■Otherside
Anthonyの歌ゴコロとFruscianteの洗練されたギターのメロディラインが際立つメロウなチューン。
コーラスはしっとりと涙腺直撃。
まるでバンドが味わってきた幾多の苦しみと悲しみを受け止めつつも、それを乗り越えて新たな世界を切り拓く歩みの如く。

■Get On Top
RHCPの核「ファンク」が前面に出た曲。
ギターがチャカポコし、ベースが自由に踊り、ドラムが楽しげに遊ぶ曲。


■Californication
RHCPをワールドワイドバンドにのし上げた曲を5曲挙げろと言われたら確実に入ってくるであろう名曲。
4人が紡ぎ出す鮮美透涼のメロディと深遠なるクリエイティビティを強く感じると共に「California」が持っている明るくて陽気なイメージをいい意味で彩度を落として塗り直してくれる。

■Easily
真っ直ぐ突き刺さるようなファンキーロックなナンバー。
「イーイーズリイィイー」のフレーズがなんとも艶かしい。

■Porcelain
展開もメロディもシンプル極まりないが、だからこそ、込められた歌詞の意味や、洗練されたメロディに自然と聞き入ってしまう。

■Emit Remmus
独特の世界観を構築するフルシアンテのギターワークが光る淡々と進むミドルテンポの曲。

■I Like Dirt
John Fruscianteの瀟洒なカッティングが冴えまくるご機嫌なファンクミュージック。

■This Velvet Glove
カリフォルニアの爽やかな初夏と夕焼けの匂いを思わせるカントリーの要素も入ったさすらいファンクメロディ。

■Savior
重厚でメロディアスなヘヴィロックからはじまり、中間でゆったりと揺蕩うような浮遊パートを挟み、またずっしりと進むパート、、、まるで複数の曲がメドレーでつながっているかのようなミルフューユソング。
めくるめくプログレ展開をめしあがれ。

■Purple Stain
FleaとJohnの掛け合いに小気味よくフワリと乗るAnthonyのラップが
初期のアルバムの雰囲気を出している。
This is Rap Rock.

■Right On Time
小刻みなカッティングに乗せて焦燥感あるリズムが追いかけてくるファンクラップソング。


■Road Trippin'
AnthonyとFleaの放浪の旅の実話を元にした曲。
アコースティックと静かなベースでミステリアスブルージー、あるいは、カントリー風に展開していく。
アメリカ大陸の乾いた大地を迷い歩く様子が目に浮かぶ。


総合満足度 87点(カリフォルニアの風を感じる)

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