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AIのべりすと怪文書『ファイト一発クラブ』

 札幌市内に「喧嘩同好会」があった。彼らの名は〈ファイト一発クラブ〉という。彼らは札幌ドームで開催される喧嘩大会に参戦していた。
「おい、もうすぐ出番だぞ!」
「わかってるよ! 急ごうぜ!」
「おっしゃあああ!! 今日も気合い入れていこうぜ!!」
 彼らは〈ファイト一発クラブ〉というチーム名から想像できる通り、喧嘩に自信があるメンバーばかりが集まっている。だが、彼らには問題があった。それは彼らが喧嘩を楽しみすぎていることだ。そのせいで、彼らの対戦相手は病院送りになり、出場禁止になったりしているのだ。しかし、それでも彼らは懲りずに喧嘩をしている。
 そして今日もまた、喧嘩の大会が行われる。
「あぁ……なんだかムラムラするぜ」
 闘争心がムラムラしている彼らは、すでに臨戦態勢だった。
「そういえば知ってるか? 最近この辺りで暴れまわっている連中がいるらしいぜ?」
「マジか!? そんな奴らが俺たちの相手なのか!?」
「どうやらそうだ。しかもそいつらは俺らの同類らしいんだ……」
 その謎の喧嘩屋集団は、札幌市内で好き勝手に暴れていた。彼らは毎日のように夜になると現れては、一般市民と喧嘩を繰り広げている。
「なんだよそれ!? 俺たちよりも質が悪いじゃねえか!」
「ああ、だから俺らも負けていられないぜ!」
「おうよ! 俺たちも早く行こうぜ!」
 こうして彼らも札幌ドーム内にある闘技場へと向かうのであった。

 一方その頃、闘技場ではすでに試合が開始されていた。観客たちも盛り上がりを見せている。
「オラァアアアアッッ!!!」
「くたばれえぇええっっ!!!」
 激しい殴りあいが繰り広げられている中、一人の男がいた。彼は身長が2m近くある巨漢であり、見た目とは裏腹に素早い動きで相手を翻弄し続けている。
「うおおぉおっっ!! まだまだこれからだぁあっっ!!」
「ちぃいっ! なんてタフネスしてやがる!?」
 彼の名は山岸優斗。北海道最強の喧嘩師と呼ばれている男である。彼の強さの秘密は彼の驚異的な回復力にあった。どんな攻撃を受けてもすぐに回復し、痛みを感じない体質なのだ。そのせいで、どれだけ殴られようとも怯むことなく戦い続けることができる。まさに無敵の男だった。
「うわぁああっ!」
「あのデカいの、とんでもねえ!」
 山岸の強さに圧倒されながらも必死に立ち向かう挑戦者たちだったが、ついに一人残らず叩き潰されてしまう。
「さすが山岸さんです! 圧倒的ですね!」
 司会役の男が興奮した様子で言う。
「ふん……。当然の結果だ」
 山岸は不機嫌そうな表情で自らの頬を掻く。それが彼の癖だった。
「続いて次の挑戦者の登場です!」
 闘技場の扉が開かれ、そこから二人の男たちが現れる。
「あれは……!?」
「おいおい嘘だろ!?」
「まさかあいつらが噂の……」
 観客席からは驚きの声が上がる。なぜならそこには、先程まで話題になっていた例の喧嘩屋集団のメンバーたちがいるからだ。
「なんだお前たちは……?」
 山岸は鋭い目つきで睨みつける。すると、メンバーの一人が口を開く。
「あんたが札幌最強の喧嘩師ってやつか?」
「……だとしたらなんだ?」
「へぇー、こいつがねぇ……」
 男はニヤリと不敵に笑う。
「なら話は早い。早速始めようぜ?」
「ふざけんな。俺はガキのお遊びには付き合えないんでね」
「おいおい……今更逃げるのかよ?」
 挑発的な態度を取る男に対して、山岸は怒りを募らせていく。
「てめぇ~、この俺様の導火線に火をつけやがったな! まとめてスッポン鍋にしてやる!」
 山岸は男の胸ぐらを掴みあげる。
「いい度胸じゃねえか。後悔すんじゃねえぞ? 俺を怒らせたことをな!」
 こうして始まった頂上決戦。だが、その勝負はすぐに決着がついた。開始と同時に、山岸の強烈な一撃によって吹き飛ばされてしまったのだ。

「何てこった」
〈ファイト一発クラブ〉の面々は山岸の圧倒的な強さに驚愕していた。
「おいおいマジかよ……」
「あり得ねえ……」
「これが最強の喧嘩師の力なのか……」
 あまりの強さに言葉を失う一同。しかし、リーダーだけは違った。
「さすがは山岸さんだぜ……」
 彼は山岸のことを尊敬しており、いつか山岸と対戦したいと思っていた。そして、ようやくその願いを叶えることができたのだ。
「次は俺の番だぜ……」
 リーダーはゆっくりと立ち上がると、闘技場へと足を踏み入れる。
「まだやる気なのか? もう止めとけ。怪我するだけだぞ」
「いや、俺はまだ進化の余地がある。行くぞ!」
 リーダー、柴田正樹は山岸に向かって突進していく。
「オラァアアッッ!!」
 正拳突きを放つ。だが、その攻撃はあっさりと受け止められてしまう。
「くそっ!」
 今度は蹴りを放つ。しかし、それも簡単に防がれてしまう。その後も、何度も攻撃を仕掛けるが、どれも通用しない。そしてついに、柴田の攻撃は山岸に全く効かなくなってしまう。
「どうした? 終わりなのか?」
「くぅう……」
 悔しさに歯噛みしながらも、なんとか反撃を試みる。
「おらぁああっ!」
 渾身の力を込めたアッパーカット。それをまともに喰らった山岸は宙高く舞い上がる。
「やったぜ!」
「これで決まりだ!」
 観客たちの歓声が響き渡る。
「いやまだだ! 気を付けろ!」
 リーダー柴田の警告通り、山岸は何事もなかったかのように着地すると、再び襲ってきた。
「オラァアアッッ!!」
 激しいラッシュが続く。山岸は倒れない。
「くっ……なんというタフネスだ……」
「オラオラオラァアッッ!!」
 さらに勢いを増した山岸の猛攻に耐え切れず、柴田はついに膝をつく。
「うぅうう……」
「ふん……。まあまあやる方だったが、所詮はこの程度か」
 山岸は再び拳を振り上げる。
「死ね」
「ぐふぁあああっ!?」
 顔面を思いっきり殴られ、そのまま地面に倒れる。
「おい! しっかりしろ! 柴田さん! 起きてくれえぇー!!」
「嘘だろ……こんなの勝てるわけがない……」
 残されたメンバーは、すでに戦意を喪失していた。
「さて、残るはお前たちだな」
 山岸は残ったメンバー二人に視線を向ける。
「ひぃいっ! すいませんでした!」
「俺たちが悪かったです!」
 二人は必死に命乞いをする。だが、それで許してくれるほど山岸は甘くなかった。
「問答無用!」
「ぎゃああぁっ!」
「助けてください!」
 必死に逃げ回るも、すぐに追いつかれてしまい、一方的にボコられる。
「雑魚どもが……。二度と俺の前に姿を現すんじゃねえぞ」
 こうして、闘技場は山岸の勝利に終わった。

 試合後、リーダーの柴田は山岸の元へと向かう。
「山岸さん……俺を弟子にしてください!」
「断る」
 即答だった。柴田は愕然とする。
「ど、どうしてですか!? あんなに強いのに!?」
「俺は自分より弱い奴とは絶対に組まない主義だからな。悪いが諦めろ」
「そんな……待ってくだ―――」
「しつこいぞ」
「ぐほっ!?」
 山岸は容赦なく腹パンを決める。
「じゃあな」
 そう言い残して、彼はその場から立ち去ったのであった。

 翌日。札幌の街に山岸の姿があった。彼は昨日、喧嘩をした場所にいた。
「あのクソガキが……。今度会った時はただじゃおかねぇぞ……」
 山岸は怒りで体を震わせながら呟く。
「ん? あれは……」
 彼の目に一人の男が映った。それは、喧嘩で倒した男の一人、〈ファイト一発クラブ〉のリーダー柴田正樹である。
「あいつは確か……」
 山岸は柴田の姿を見て、怪訝そうに首を傾げる。柴田は〈ファイト一発クラブ〉のメンバーたちと一緒にいる。だが、一人だけ様子がおかしいのだ。まるで別人のような雰囲気を纏っている。
「おい、何をしているんだ?」
 リーダーの異変に気付いた他のメンバーが声をかける。
「……」
 しかし、返事はない。
「おいおい、無視かよ?」
「……おい、俺を馬鹿にしているのか?」
 リーダーはゆっくりと口を開く。その口調には殺気が込められていた。
「てめぇ~、舐めてんのか? ああんっ!?」
「喧嘩売ろうっていうのか? 上等だコラァッ!!」
 他の二人が柴田の胸ぐらをつかむが、柴田は他の二人の股ぐらをつかむ。
「ぬおっ!?」
 そして、そのまま持ち上げると、勢いよく地面に叩きつけた。
「ぐへっ!?」
「ぐわっ!?」
 柴田は二人を見下ろしながら言う。
「雑魚の分際で俺様に命令すんじゃねえ」
 その言葉を聞いて、二人は青ざめる。
「貴様ら全員スッポン鍋にしてやる」
「ひっ……!」
「うぅうう……」
「おいおい、どうした? もう終わりなのか?」
 柴田は余裕たっぷりといった表情を浮かべる。
「くそぉおお!」
 メンバーの一人が殴りかかる。だが、簡単に受け止められてしまう。
「なんだこのパンチは? パンチでなくてパンティだな」
 他のメンバーたちは自らを奮い立たせて柴田に襲いかかるが、柴田は彼らをちぎっては投げ、ちぎっては投げ、さらに傍観している山岸にドロップキックを食らわせた。その様子を見物していた札幌市民たちは興奮し、一斉に乱闘を始めた。
「オラオラオラァアアッッ!!」
「やれやれ、とんだお祭り騒ぎになったぜ……」
 山岸はため息をつくと、騒動に巻き込まれないよう、その場から退散しようとした。
「待てよ、ゲロマッチョ」
 山岸は自分の足を文字通り引っ張る柴田の存在に気づき、振り落とそうとする。しかし、柴田はスッポンのように執念深い。山岸は自らの右脚を思い切り振り上げ、柴田を蹴飛ばした。
 見物人たちは当事者同士となり、盛大に殴り合いや取っ組み合いを続けている。そして、ついには札幌市内が大暴動状態と化してしまった。
 その様子は道内テレビ局のみならず、全国各地で報道された。そして、道外のギャンブラーたちがこの大暴動を巡って大金を賭けた。さらに、札幌市外からも喧嘩屋たちが次々と参戦し、札幌は「北の修羅の国」と化してしまった。

「さて、現在の札幌市内ですが、なんということでしょう! 信じられない光景が広がっています!」
 リポーターは驚きの声を上げる。カメラが映し出したのは、血の海に浮かぶ無数の屍。まさに地獄絵図である。
「いったい何が起きたというのでしょうか!?」
「はい。実はですね、先程まで我々は、ある人物を取り囲んでいました。それは、〈ファイト一発クラブ〉のリーダー、柴田正樹です。彼は北海道最強のヤンキーと言われています。しかし、我々取材班は、彼が本当に最強かどうか確かめるため、彼に勝負を挑んだのです」
「なるほど……。それで結果は?」
「はい。我々は見事に完敗しました。我々は柴田氏とコサックダンス対決をしましたが、柴田氏は我々の倍近いスピードで踊ることができました。しかも、かなり上手かったです」
「えぇーっ!?」
「それだけではありません。彼は我々にボクシングのテクニックを披露してくれました。彼はボクシングの世界チャンピオンも顔負けするほどの実力の持ち主だったんです」
「な、なんてことでしょう!」
「さらに驚くべきことに、彼はプロレスの技も披露してくれました。彼は『北斗の拳』に出てくるケンシロウのような技を使ってきました」
「まさか……そんなことが……」
「彼は強かった。正直言って、めちゃくちゃ強すぎます。あの人なら、漫画『ゴールデンカムイ』の登場人物のように軽々と熊を投げ飛ばして、場外ホームランを出してしまうでしょう」
 柴田は、山岸以上の怪物に進化していた。その後、柴田は〈ファイト一発クラブ〉を率いて、暴れまわった。その結果、彼の率いる〈ファイト一発クラブ〉は、全道の不良たちの間で、その名を轟かせたのであった。

「よし、やったるで」
 関西ナンバーワンの喧嘩同好会〈稲妻道場〉は、〈ファイト一発クラブ〉を倒すために来道した。彼らも名うての喧嘩師たちだった。さらに、福岡が誇る喧嘩同好会〈アースクエイカーズ〉も〈ファイト一発クラブ〉を倒すために来道した。他にも各都道府県から無数の喧嘩集団が札幌に集結した。
 札幌市内の内戦状態は、全世界に報道されていた。おかげで、ロシア軍が呆れ果ててウクライナ侵攻をやめてしまうほどだった。ロシア軍に苦しめられていたウクライナ国民たちは、風が吹けば桶屋が儲かる的に日本の喧嘩師たちに感謝した。
「俺らが最強の喧嘩師集団だ!」
 日本中の喧嘩師たちは怪気炎を揚げた。そして、彼らは一丸となって〈ファイト一発クラブ〉の本拠地に攻め入った。
「オラァアアッ!!」
「死ねぇえっ!!」
「オラァアアッ!!」
「くらえやぁあああっ!!」
 怒号を上げながら殴り合う男たち。彼らの目的は一つ、北海道制覇だった。彼らは柴田を倒し、自分たちこそが真の日本最強の喧嘩師であることを証明しようとしていたのだ。

「柴田さん、奴らやって来ましたよ!」
「おうよ。返り討ちにしてやるぜ」
 柴田は余裕たっぷりといった表情を浮かべる。一方、〈ファイト一発クラブ〉のメンバーたちは顔面蒼白となっていた。
「あの連中、やべぇよ……」
「俺たちじゃ敵わないかも……」
「おいおい、弱音を吐くんじゃねえ」
「でも……」
 柴田はメンバーたちを鼓舞する。
「お前らは、俺が認めた男だ。だから自信を持て。いいか? 喧嘩ってのはな、ハートなんだよ。たとえ相手が誰であろうと、決して怯むな。勇気を出して立ち向かえ」
 柴田の言葉を聞いて、メンバーは奮起する。
「そ、そうですよね! よっしゃああ!!」
「やるか! かかってこいや!!」
〈ファイト一発クラブ〉は、札幌市内に散らばる喧嘩師集団たちを迎え撃った。
「オラァアアッ!!」
「オラァアアッッ!!」
「オラァアアッッッッ!!!」
 柴田は凄まじい勢いで殴りまくり、相手を地面に叩きつけた。
「ぐはっ!?」
「この野郎!」
「ウンチョス!」
 他の〈ファイト一発クラブ〉メンバーたちも、敵たちをちぎっては投げ、ちぎっては投げ、契って鼻毛、略してケツ毛を晒すほどボコボコにした。だが、敵たちも黙っていなかった。
「みんな、いくぞ!」
「おお!」
「必殺! ダイナマイト・ボンバー!」
「うわーっ!?」
「なんと!? ダイナマイト!?」
 なんと、敵の喧嘩師たちが自爆攻撃に出たではないか! 柴田たちは大爆発に巻き込まれてしまった!
「ぎゃー!?」
「うわー!?」
「ひぃい!?」
 爆風と爆煙が晴れると、そこには傷だらけの〈ファイト一発クラブ〉メンバーが立っていた。
「ドリフのコントかよ……」
「こいつら、バカなのか?」
「いや、きっと本気だろう」
「まあいい。全員まとめて地獄へ送ってやる」
 柴田はニヤリと笑みを浮かべた。
「柴田さん、ここは俺に任せてください」
「ん?」
 メンバーの一人がどこからか、巨大なハンマーを持ち出した。
「行くぞ! 100トンハンマー!!」
 ドカーン!
 男はハンマーを振り下ろした。
「なに!?」
「なんだ!?」
「あれ!?」
 次の瞬間、〈ファイト一発クラブ〉と敵対している喧嘩師たちは、全員気絶してしまった。
「どうやら、100トンの重さに耐えられなかったみたいですね」
「そんなに重くないだろ……」
「さすが柴田さん!」
「よせやい」

 こうして、柴田たちは無事勝利を収めた。そのニュースは瞬く間に世界中に広まった。ロシアのプーチン大統領は、彼らのことを「クレイジー・ジャパニーズ」と命名したのであった。
 その後、〈ファイト一発クラブ〉は、解散した。なぜなら、彼らは一生分の喧嘩を体験したからであり、喧嘩師集団として活動を続ける大義名分をなくしたからである。

『ファイト一発クラブ』(完結)

【Manowar - Hail and Kill】


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