Mackerel38 NFT | Case study‐NFTを販売するってつまり何がどうなんや‐
はじめから読む
簡単すぎるあらすじ:
アバランチは広告制作会社として25年を迎えた節目の年に、web3事業という、まだ不透明で広大な海原に足を踏み入れ、にっちもさっちもな状況もどうにかこうにか乗り越えながら、プロジェクトサイトとコミュニティがオープンしました。
今回からCase study編です。
Vol.6までは、発起人である情熱の社長・熊本さんの一声をきっかけに、何も分からなかった状態からどんなことを感じ、何を学びプロジェクトを進めていったかを中心にお伝えしてきた。
ただ、このプロジェクトの推進にあたっては、熊本さんをはじめ、想像以上の男サンディ、少年ジャンプの男佐々木さん、そして今これを書いているわたし…だけではもちろんできるわけがなく、社内の本当に多くの人があくせく動いてくれたおかげでプロジェクトオープンまでこぎつけている。
しかしながら、その全てを細かく書くと、あまりにも完成までの道程が長すぎて、書いてるこちらの心が折れそうだったので省略してきたのである。
Vol.2を思い出してほしい。
昨日まですっかり忘れていたが、そもそもこのnoteをはじめた時、わたしは熊本さんから「できれば読んでるひとが一緒にweb3を学べる感じがいい」と言われていたのである。これはまずい。
このままだと「結局この材料はどんな形に切って、一体どのくらい、どのような方法で調理したのか」という重要な部分が抜け落ちた料理動画のような、「なんの参考にもならん」記録になってしまう。非常にまずい。
ということで、今回からはCasestudyとして、プロジェクトの進行に使ったツールやその理由、企業内での動きなんかを、細かな部分も紹介していこうと思う。
よーし、なんか役に立ちそうなことを、いっぱい書くぞ!
今日のCase study名
やっぱりすごいぞ!サンディ
~NFTを販売するってつまり何がどうなんや~
NFTを販売するぞ、となった時、販売場所としていちばん有名なのはOpenseaだと思う。
NFTをNFTたる状態にするためには、こんなルールで売ろう!と決めた売買条件をコード化してブロックチェーン上に配置(デプロイ)する作業というものが必要になり、それに対応するコードが書けないと自分ですることはもちろんできない。正直この段階で「もう何書いてるかわからんわ」と思っているが、つまり「誰でもできる」というものではないのである。
なので、そのよく分からん難しそうなものを、より便利に、簡単に、そして広く利用してもらうべく、NFTにしたいものを用意し必要な内容を入力するだけで、誰でもNFTの生成が可能になるように設けられた場がOpenseaをはじめとした販売プラットフォームである。
NFTに関する詳しいことは「NFT とは 簡単に」とかでググってほしい。
わたしは当初、まったく想像のつかない広大なweb3砂漠の中で、「NFTを販売するよ!」という決定事項を聞いて、唯一知っているOpenseaを使用すれば、制作から販売まで全て解決するもんだと思っていた。間口の広いプラットフォームなら安心だし、利用する側も分かりやすくていい。
しかし、制作を進める中でサンディは言うのである。
「Openseaじゃない、こうゆうのはLPサイトで売る」と。
…じゃないの?何言ってんの?全然分からない怖い。
わたしの唯一の知識として心の支えにしていた「Opensea」を一瞬で砕き、サンディは「こうゆうの」とは何で、LPサイトで売るとはどういうことかを説明してくれた。
が、正直分かったフリして頷いてただけだったのでこのnoteを書く上で血眼でググった。
今だにうまく説明できる自信はないが、わたしのノミのような脳みそで理解できた範囲でサンディの言葉の意図を説明したい。
独自コントラクトと共有コントラクト
独自コントラクトはユーザーが自分で作成したスマートコントラクトのこと。
共有コントラクトはOpenseaなどのNFTマーケットプレイスが作成したスマートコントラクトを指す。
これを書くと「ほんでスマートコントラクトって何なのよ」という部分を避けて通れなくなるが、これも本当に申し訳ないくらいざっくり書くと人の手を介さずに契約内容を自動で実行してくれる仕組みであって、契約内容とその実行条件をあらかじめプログラミングしておくことによりそれを可能にしている。
これ以上のことは「スマートコントラクト とは 簡単に」とかでググってほしい。
つまりサンディは今回
「共有コントラクト」ではなく「独自コントラクト」でやりたいと言った。
例えば共有コントラクトでNFTを生成した場合、共有コントラクトの作成者であるプラットフォームがサービスを終了してしまった場合や規約変更により制限がかけられた場合に、該当のNFTが消える可能性が少なからずある。
また、共有コントラクトを使用したNFTは、他のマーケットプレイスで販売できない(あるいは販売できてもロイヤリティが受けれなくなる)こともある。
独自コントラクトであれば、そういったプラットフォームに依存する運用ではなく、自分たちの手で運用することができるのだ。
なにより、コントラクトに独自の仕様を自由に盛り込めることが大きな違いといえる。
共有コントラクトを使用してNFTを生成する際は、コレクション名などの基本的な項目を決めるだけで、特殊な挙動を設定することはできない場合がほとんどだという。
独自コントラクトであれば、コードを書くことさえできれば、自由に契約内容や高度な機能も取り入れることができ、「ただ販売・取引するだけではないNFT」を作ることができる。
「まずはNFTってどんなものか作ってみたい」
「コードは難しくてかけないから手軽に販売したい」
「自分の保有しているNFTを転売したい」
といったニーズに対しては共有コントラクトを提供しているOpenseaは最適であり、サンディの言葉を借りると「1点ずつ販売するクリエイターや、個人間の取引に向いている。メルカリみたいな感じ。」ということらしい。
ちなみに独自コントラクトで生成したNFTをOpensea等のマーケットに出品することはもちろん可能である。
後述するが、最近では手軽に独自コントラクトでNFTが作れるツールも増えているらしいが詳しいことはググってほしい。
(あとサンディがOpenseaにしない理由を話している中で「カスタムできるけど、1枚1枚設定やらなきゃいけない、ちょっとめんどくさい」というような内容も言ってた気がするので、ドンと枚数を出すにはマーケットプレイスは工数がかかる、というのも理由としてあったのかもしれない。ただこのあたりは記憶の断片しか残ってないので確証がなく、知らんけどとしか言いようがない。知らんけど。)
では独自コントラクトで!
と、言うは易く行なうは難しというものである。
スマートコントラクト上でコードを書くのに使用される言語は「Solidity」というなんかシュッとした名前のもので、新しい言語なのでまだ書ける人がそう多くなく、書ける人に依頼した場合の報酬額は正直とても高い。
サンディは「何か方法を探します」と言った。
そして、2日後くらいに、あっさり答えを持ってきた。
「Nifty.kitを使えば私でも設定できると思います。」
仕事が早いんよ。
Nifty.kitがなんぞや、みたいな細かなサービス説明は省きたいので、その時サンディが送ってきたチャットをご覧いただきたい。
「全マニュアルを読むつもりなので、問題なかったらこれでスマートコントラクトを作成しましょうか。」
枝毛の先だけでいいからその細胞分けてくれよ煎じて飲むから。
もちろんNifty.kit以外にもコードが書けなくてもフォーマットを基にカスタマイズし独自コントラクトをつくるツールは多分ある。
Nifty.kitの良かった点は、買い切りプランでは複数プロジェクトに使用することができ、またスマートコントラクトの展開料が発生しないことだった。
アバランチとしては「今後も別のプロジェクトで使う可能性」があり、「買い切りによりプロフィットシェアが発生しない」ことが経理上ありがたく、なにより「サンディができると思うと言った」結果、Nifty.kitを使用して独自コントラクトでNFTを生成し、LPページで販売することに決めた。
そのため、予定しているNFTの販売時はOpensea等のマーケットプレイスへの展開ではなく、前回ご覧いただいたプロジェクトサイトから直接購入いただける。
他のことももちろんそうだが、「できないからやれない」ではなく、「できない人もできるように誰かしらが何かしらを作ってくれている」というのも、このweb3の事業を進めていく上で個人的に嬉しい学びだった。
完全なる偏見だが、「知ってるやつしか認めない」みたいな、選ばれし人間だけができることみたいな、クールで閉鎖的なイメージを勝手に持ってしまっていたweb3という世界が、「僕あれできますよ」「こんなサービス作っといたよ」「こうすればできるよ」と、できる人がそれぞれ役割を分け合いながら、みんながやるためにはどうすればいいかを思考してくれているのが見えて、無機質だと思っていたものに血が通っていたことが分かると、「できるかもしれない」という気持ちも芽生えた。
なんか、思ってたよりもずっと、やさしい世界なんだなぁ、というのが素直な感想である。
ということで次回、
「書きたすぎて本人取材までして本当はこの回におさめたかったのに気づいたらもう3500字超えててさすがに長すぎるので次回にします|敏腕リスクモンスター参戦!法人がイーサリアムを買うと何が起こるんや」です。
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