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<4>新型コロナウイルスの流行の推移

この記事は以前にLINEのタイムラインに載せた内容の備忘録です。
最新の内容ではなく、私見も含まれるのでその点をご了解下さい。
常に最新の情報を入手するように心掛けて下さい。

[令和2年4月27日 LINEタイムライン掲載]

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文章中にカタカナが多くなると読みづらいので、新型コロナウイルスを「SARS-hCoV-2」、インフルエンザウイルスを「flu-virus」と略します。
今回は読み物的な内容です。

感染性が強く症状も強く出るウイルスのうち、似たような場所に感染するウイルスは同時期には流行しない、と言われることがあります。
これについては確定的な結論は出ていませんが、診療の中で経験的に気付いてくることです。
SARS-hCoV-2が流行り始めてから、flu-virusはめっきりと減ってきました。

理由は幾つか挙げられています。
(1)手洗いなどの予防が徹底された。
(2)咳エチケットなどに注意を払うようになった。
(3)濃厚接触が減った。
(4)健康管理、体力増強に関心が高まった。
(5)外国からの未知の病原の流入がなくなった。
などなど、です。

ですが、臨床での気付きはもっと早かったですね。
年初ぐらいに「今年はインフル流行らないねぇ」と話した記憶があります。
その時期ぐらいにはインフルエンザはすでに減り始めていたことになります。

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【資料1】は沖縄県のインフルエンザ感染状況です。
昨年の秋頃に大流行しました。
その後、年明けに若干の流行が本島中部を主に見られました。
那覇ではかなり減少し始めていました。
SARS-hCoV-2について日本本土で騒ぎ出すのが2月頃ですので、昨年12月末頃から今年1月初めが転換点だったと思います。

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【資料2】は沖縄県の新型コロナウイルス肺炎の感染状況です。
日本本土よりやや遅れて3月から感染が目立ち始めました。
インフルエンザからのタイムラグが1ヶ月ほどありますが、原因は分かりません。
4月になるとflu-virusはほぼ見られなくなりました。

SARS-hCoV-2もflu-virusもどちらも喉などの気道や肺に感染します。
ですので、肺に疾患を持っている方や心臓病などの体力が弱い方で重症化しやすいです。
感染部位が似ているので、2つのウイルスがせめぎ合いながら感染した結果、SARS-hCoV-2が勝ったと推測されます。
だからと言ってflu-virusに気を付けなくて良いかと言えばそうではありません。
たまにインフルエンザの方もいます。

感染部位が異なるウイルスについては、同じ時期に流行することがあります。
・インフルエンザ(気道や肺)とノロウイルス(腸管)
・エンテロウイルス(手足口)とアデノウイルス(眼や喉)
・ライノウイルス(鼻腔など)とインフルエンザウイルス(気道)
ですので、常に1つのウイルスだけが流行するわけではありません。
感染症についてはいかなるものにも注意が必要です。

GWが始まり、気の緩みで感染したりさせたりしないよう自分の行動に気を付けましょう🙏

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