只今検査結果待ち
乳がんについては、実はまだ状態も治療方針もわからないのです。今はひととおりCTもMRIも済ませ、診察日を待つばかりです。
CTもMRIも初体験でワックワクしながら検査してしましたが、特にMRIは面白いものでした。そもそも、かねがね噂には聞いていたのです。
「うるさい」
と。どのくらいうるさいのか楽しみにしていたのですが、私が喘息持ちのため、医師は非常に気を遣ってくださっていたようです。
「造影剤はアレルギーを起こしやすいので、造影剤なしでやるようにしますね。そもそも喘息だとMRI自体をやらなかったりもするのですが……大丈夫ですか?」
いや、そんなに? 喘息持ちがパニクって発作起こすほど、MRIは過酷なのか?? (造影剤アレルギーについては「それラジエーションハウスで見た!」と思っていました笑)
そして検査の日。いざMRIの部屋に入るとすでにリズミカルです。何やら奥でバスドラとタムがゆったりめのテンポでドンドン鳴っている感じです。ここはクラブでしょうか。横揺れな気分です。
MRIの上には何やらアタッチメントが乗っていて、2つの穴が。どうやらうつ伏せになって、その穴に1個ずつ振り分けるようです。顔は下を向いた状態になるため何も見えません。何かあったら押してくださいと、頭の方に挙げた手にボタンが渡されます。どうも耳にスポンジ的な何かが当てられたようで外の音がモヤっとします。
「それでは始めます」
おおっうるさい。確かにうるさい。腹に響く感じがするくらいの音量ではあります。アンプからプラグを抜き差しするときの「ボツッ」という音が大音量かついろんな音階とパターンで鳴っている感じ。そしてなんだか時々リズミカル。そしてひとしきり盛り上がった後、音がやむと、また奥から微かにドンドンが聞こえてきます。
正直、非常に面白く聴いていました。ライブハウスのようです。ノイズミュージックならおとなしい方でしょうきっと。眠かったこともあって、最後の方になると多分寝ていました。持たされたボタンはというと、実は1回だけ押しました。
「すみません、足がつったんで動いてもいいですか?」
よく足がつるのです。
それにしても、乳腺というのは不思議な臓器だなと思うのです。子供が生まれてから、母乳以外の食べ物で生きられるようになるまでの期間のみ活躍する臓器です。それも本来は子供が育つかどうかを左右する大切なものですが、人工ミルクがある昨今、必須なものではなくなってしまいました。
考えれば考えるほど、乳腺はその機能よりも、その部分ひとかたまりで女性の象徴、アイコンになってしまっているのだなあと思うのです。臓器としての大切さではなく、それが存在していること自体が「女性」の証明となる器官。こんなに文化的な意味しか持たない臓器も珍しいのではないかと思います。
そうなると、私はいったい何でしょう。「無くなったら嫌だな」という感情が、今の所全く発生しておりません。あんながん化しやすい臓器いらんでしょう。今後の心配がないように、ちょっと多めでもいいから切っちゃって〜ついでだからもう片方も切っといて〜、くらいの感情です。
きっと変な人なのでしょう。「性」に振り回される時期も過ぎた気がします。男か女かわからないような存在でぬぼーーっと生きていきたいのです。