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2024年補助金ルール大改正:ルール厳格化へ

2024年6月、デジタル行財政改革会議において補助金運用ルールの大幅な変更が決定され、デジタル化の推進と手続きの厳格化が図られることになりました。今後、補助金の申請にはデジタルへの対応と、より厳密な手続きが求められるようになります。

デジタル行財政改革の背景と目的

デジタル行財政改革は、急激な人口減少社会への対応として、利用者起点で行財政のあり方を見直し、デジタルを最大限に活用して公共サービスの維持・強化と地域経済の活性化を図り、社会変革を実現することを目的としている。

背景には、2020年の約7,500万人から2040年には約6,200万人へと約1,300万人の生産年齢人口の減少が見込まれていることや、高齢化率の上昇、公共サービスの生産性低下と提供困難による地域の人口密度の低下などがある。

これにより、一人ひとりの可能性を引き出し、新たな価値と多様な選択肢が生まれる豊かな社会を目指すことが、デジタル行財政改革の目的とされている。

電子申請義務化の影響と準備

2025年度以降、全ての補助金申請において電子申請が原則義務化されることになり、企業は電子申請への対応準備を進める必要がある。

電子申請の義務化対象は資本金1億円超の大企業だけでなく、将来的には中小企業にも拡大される見通しであるため、規模に関わらず早めの準備が求められる。

電子申請の導入により申請作業の時間短縮や書類作成の手間削減、ミス防止などのメリットが期待できるが、 初期投資や体制整備、システム導入などの事前準備が必要となる。

電子申請義務化への円滑な対応のためには、外部連携API対応システムの導入や専門家のアドバイスを参考にしながら、計画的に準備を進めていくことが重要である。

外部委託基準の強化とその影響

補助金審査や交付業務の外部委託に関する基準が強化され、関係省庁との協議体制の整備が求められることになった。 外部委託を行う際は、委託先の選定基準の設定、契約条件の検討、委託業務のモニタリングなど、適切な内部統制の構築が重要となる。

委託先の情報セキュリティ、業務能力、不祥事・事故履歴、財務状況などを選定基準とし、比較検討して選定する必要がある。 また、外部委託開始後は、委託先が契約通りに業務を実施しているかをモニタリングし、議事録や定期的な業務報告、進捗報告などで確認することが求められる。

外部委託の基準強化により、補助金業務の適正化が図られる一方で、委託元の管理負担増加や委託コストの上昇などの影響も想定される。 外部委託を検討する際は、コストと効果を慎重に見極め、リスク管理を徹底しながら進めていく必要がある。

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