【かんたん解説】令和5年度補正予算「⼩規模事業者持続化補助⾦」
小規模事業者持続化補助金とは?
小規模事業者の生産性向上と持続的発展を目的とした補助金です。
具体的には、補助金は販路開拓、業務効率化、生産性向上などの取り組みに使用でき、これには新たな商品やサービスの開発、ECサイトの構築、マーケティング活動の強化などが含まれます。補助金の額は通常枠で最大50万円、特定の枠(賃金引上げ枠、後継者支援枠など)等の活用で最大250万円までとなっており、事業規模や取り組む内容に応じて異なります。
事業規模が小さな事業者のみが申請できるため、競合も少なく、フリーランス様も活用できる補助金となります。
※令和6年能登半島地震により被害を受けられた小規模事業者は通常のスケジュールとは異なり、優遇された条件で申請することが可能です。
持続化補助金の補助上限額や補助率
持続化補助金で受給できる補助金には下記のように上限が設定されています。申請する枠に応じて補助額等が異なるので事前に確認しておきましょう。
※令和6年能登半島地震により被害を受けられた小規模事業者は補助上限額が200万円(間接的な被害の場合100万円)となります。
対象地域:石川県、富山県、福井県、新潟県
用語説明
インボイス特例
免税事業者が適格請求書発行事業者(インボイス)の登録をした場合に適応される。申請する類型の補助上限額に+50万円加算される。(例:通常枠の場合、補助上限額は100万円)
免税事業者の期間
・2021年9月30日~2023年9月30日
・2023年10月1日以降に創業した事業者
小規模事業者
従業員(役員、日雇い労働者等除く)が5名以下の事業者のことを指します。
ただし、宿泊業・娯楽業、製造業、その他(建設業等)は従業員が20名以下の事業者を指します。
補助対象経費
機械装置等費、広報費、展示会出展費用、旅費、新商品開発、資料購入費、借料、設備処分費、委託・外注費が対象経費となり、幅広い販路開拓に使用できます。
ただし、対象外経費もあるため、経費が対象になるかどうかは必ず事前に確認しましょう。
主な対象外経費
国が助成するほかの制度を利用している事業と重複する経費
販売や有償レンタルを目的とした製品、商品等の生産・調達に係る経費
他社のために実施する経費
自動車等車両
上記のほかに、補助対象経費として認められない経費
持続化補助金の申請方法
持続化補助金を申請するためには以下の書類等を事前に準備しましょう。
以下の書類の他にも申請する類型によっては別途資料が必要になりますので、公募要領をしっかり確認しましょう。
・GbizIDプライムアカウント
行政サービスをオンラインで行うためのアカウントです。補助金の申請は主にこのアカウントを使用します。持続化補助金の場合、必須ではないですが、郵送で申請する場合は大幅な減点になるので、可能な限りGbizIDを使用しましょう。
アカウントの作成日数は1週間ほどかかるので未発行の方はこちらよりアカウントを作成しておきましょう。
・事業計画書の作成
A4サイズのWordに10,000文字以内でご自身の現在の事業内容や補助金を活用して実現したいこと等を記載します。持続化補助金の審査は主に事業計画書を見て判断されます。そのため、しっかりした事業内容を考えましょう。事業計画書の雛形は補助金事務局の商工会議所の専用ページよりダウンロードが可能です。事業計画書で重要な項目を以下にまとめるのでご参考にしてみてください。
・事業支援計画(様式4)
この書類は商工会議所が発行します。事業計画書を作成したら、管轄の商工会議所へ提出を行い、発行を依頼しましょう。3日~1週間程かかります。提出の際に改善ポイントを聞いておくと採択率がさらに上がりますので積極的にコミュニケーションを取りましょう。
・貸借対照表および損益計算書(直近1期分) ※法人のみ
損益計算書がない場合は、確定申告書(表紙(受付印のある用紙)と別表四(所得の簡易計算))の写しをデータ提出してください。
決算期を一度も迎えていない場合は不要です。
・直近の確定申告書【第一表及び第二表及び収支内訳書(1・2面)または、第一表及び第二表及び所得税青色申告決算書(1~4面)】(税務署受付印のあるもの)または開業届(税務署受付印のあるもの)※個人事業主のみ
事業計画書の作成ポイント
1企業概要(事業内容を中心に記載)
自社の概要:あなたの事業を始めて見る方をイメージして自身の事業内容をわかりやすく記載します。
現在の売上・利益の状況:事業の売上や利益の状況を記載します。表のだと見やすくでおすすめです。
経営課題:今の事業の課題を記載します。(補助金を使って解決できること)
2顧客ニーズと市場の動向(事業の分野全体の状態を記載)
市場の動向:ご自身の事業分野を広く把握して、どのような状況なのかを記載しましょう。客観的なデータがあればさらに良いです。
顧客ニーズ:お客様のニーズを記載しましょう。
3自社や自社の提供する商品・サービスの強み(ご自身の事業の強み、ご自身の強み)
自社の強み:ご自身の強みや特徴、関係者との連携等を存分に記載しましょう。
自社の提供する商品・サービスの強み:他者とは違うというポイントやこだわりがあればさらに良い。
4経営方針・目標と今後のプラン
経営方針・目標:ご自身の経営方針や目標を記入します。(補助金を使用して届く範囲のものが理想です)
今後のプラン:上記の方針目標が達成されるためのプラン(売上や顧客数の増加等でも良いです)
5補助事業の概要
補助金を使って行う事業の内容をわかりやすく記載しましょう。図や写真を入れる工夫をするとさらに良い。
6具体的な取組
上記の内容をさらに詳しく記載します
7補助事業の効果
取組の効果:補助事業を行った結果どのようなことになるかを記載します
効果の試算:その効果を数字で表現しましょう。(売上、顧客、受注数等)表でわかりやすく表現できればさらに良い。
持続化補助金の実施の流れ
STEP1 申請の準備
上記のように書類の準備、アカウントの取得を行いましょう。
まずは最も時間がかかり、重要な事業計画書の作成から始めましょう。
STEP2 事業支援計画(様式4)の発行を依頼する
事業計画書を商工会議所へ提出し発行をしてもらう。その際に事業計画書の確認も併せて依頼しましょう。
発行は3日~1週間ほどかかるので締切には余裕をもって依頼しましょう。
STEP3 電子申請
準備した各種書類をもとに申請を行います。書類を郵送することで申請することもかのうですが、避けた方が良いです。郵送申請の場合、書類がさらに増える上、審査も大幅に減点になります。せっかく準備した書類がもったいないので電子申請で行うようにしましょう。
※事業計画書は書類で作成してものを電子申請時に文章や図を再度添付する必要があります。初めて行う場合、苦戦する方が非常に多いので電子申請は事前に確認しておくことを推奨します。
STEP4 交付申請
補助金の審査が終わり、無事採択されたら交付申請に進みます。事業計画書で記載した補助事業に必要な見積書の取得や各種追加書類を準備して再度電子申請を行います。
※ここで補助事業の内容を始めないように要注意です。補助事業は交付申請が終えた後に行いましょう。先走って行うとその経費は全て補助対象外となります
STEP5 事業実施
交付申請が終えた後、補助事業を実施します。補助事業には期限が設けられているので必ず確認しておきましょう。期限は各公募によって異なります。
STEP6 実績報告・補助金入金
補助事業を完了した後、どのような効果があったか等を書類をまとめて申請を行います。これを実績報告と言い、実績報告が終えると補助金が確定、入金となります。
各申請類型の特徴
賃金引上げ枠
概要
従業員の最低賃金を地域別最低賃金より+50円以上とした事業者に対して支援します。
さらに、賃金引上げ枠に申請する事業者のうち業績が赤字の事業者については、補助上限引き上げに加えて、補助率が2/3から3/4へ引き上がり、優先的に採択されます。
可能であれば、積極的に加点を狙いましょう。当社の支援する持続化補助金の内、60%はこの類型で申請をされています。最低賃金はどのみち上がりますので、狙っても良い加点内容です。
この類型のポイント
従業員の最低賃金を地域内最低賃金より+50円に引き上げる
赤字事業者の場合、補助率が3/4に引き上げると同時に優先的に採択される
補助上限額は200万円(インボイス特例に該当すれば250万円)
卒業枠
概要
事業規模拡大に意欲的な小規模事業者に対し政策支援をするため、補助事業実施期間中に常時使用する従業員を増やし、小規模事業者として定義する従業員の枠を超え事業規模を拡大する事業者に対して支援します。
補助事業実施期間内(交付申請が完了した後、補助事業の期限まで)で従業員が超える見込みがある場合は申請をお勧めします。
しかし、従業員が計画通に増えず、以下の表の未満の従業員だった場合、補助金の取り消しなどのペナルティが発生るの点を注意しましょう。
卒業枠に必要な従業員の表
この類型のポイント
補助事業実施期間内に小規模事業者を超える従業員になっていること
補助上限額は200万円(インボイス特例に該当すれば250万円)
従業員を超えることができなかった場合はペナルティありのため要注意
後継者支援枠
概要
将来的に事業承継を行う予定があり、新たな取組を行う後継者候補として、「アトツギ甲子園」のファイナリスト等になった事業者を対象に政策支援をするため、以下の要件を満たす事業者に対して支援します。
申請時において、「アトツギ甲子園」のファイナリスト又は準ファイナリストになった事業者であること。
この類型は申請時点で該当するかどうかが決まっているので、該当していない場合はスルーしてください。
この類型に申請される事業者は当社で支援した実績では不採択だった事業者がいないので、採択率も非常に高い類型となります。
申請をしたいという事業者はまずは「アトツギ甲子園」にエントリーすることから始めましょう。
この類型のポイント
「アトツギ甲子園」のファイナリスト又は準ファイナリストに該当していること
採択率は非常に高い類型
補助上限額は200万円(インボイス特例に該当すれば250万円)
創業枠
概要
創業した事業者を重点的に政策支援するため、産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を受けた日および開業日(設立年月日)が公募締切時から起算して過去3か年の間である事業者に対して支援します。
少し時間はかかりますが、事前に準備している事業者であれば十分狙うことができる類型です。
特定創業支援等事業は融資の利率が低くなる等その他メリットもあるのでおすすめです。
特定創業支援等事業は経営、財務、人材育成、販路開拓に必要な知識の習得を目的とした、継続的な支援を行う事業です。
この類型のポイント
特定創業支援等事業による支援を受けていること
前もって準備を行うと誰でも狙うことができる類型
補助上限額は200万円(インボイス特例に該当すれば250万円)
補助金の活用支援
補助金の申請と活用は、中小企業やスタートアップにとって、事業の成長や新たなプロジェクトの実現に向けて非常に有効な手段です。
補助金は算入項目は営業外収益の雑所得となります。例えば、飲食業の事業者持続化補助金で補助金が200万円入金されたとします。飲食業は一般的に10%未満と言われています。この事業の場合、10%とします。この場合、補助金と同等の現金200万円を作るためには売上は2,000万円必要になります。
いかがでしょうか。実際に売上に戻すと補助金がなかなか大きな金額だと分かります。
当社では個人事業主を含む多くの事業者の支援を行っております。実績として事業再構築補助金、ものづくり補助金といった難易度が高い補助金を年間170件以上支援を継続しています。
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