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【PiEDH】ドゥームスカージ、カルダール デッキ100枚解説


◆はじめに

こんにちは、Ausgangです。
今回はMTGの変則ルールであるEDHのさらに変則ルールである「パイオニアEDH」の記事となります。
EDHの変則ルールと言えばヒュージリーダーズや誓い破り等も注目を浴びていますが、パイオニアEDHはそれらに負けず劣らずな人気を誇るフォーマット。
そんなEDH変則ルール情勢を受けてか(?)、11月3日よりパイオニアEDH記事コンテストが開催されました。

発起人は晴れる屋のEDH大好き男こといってつさん

ということで、私も企画への便乗という形でパイオニアEDHの拡大に微力ながら貢献するべく、今回の記事を投稿することとなりました。
私自身パイオニアEDHの環境をそこまで深く理解できているわけではないのですが、今後パイオニアEDHへの参入を考えられている方の一助となれれば幸いです。

◆パイオニアEDHについて

既にパイオニアEDHについてご存じの方も多いでしょうが、念のため簡単にルール等を記載しておきます。

●パイオニアのカードプールで統率者デッキ(統率者1枚+メイン99枚)を構築する
●禁止カードはEDH準拠、独自の禁止カードは2023年10月時点で存在しない
●ゲーム中の各種ルールもEDH準拠

細かい詳細を知りたい方はパイオニアEDH管理コミュニティ様のサイトをご確認ください。

パイオニアEDHは通常のEDHに比べて軽量マナファクトが極めて少なく、比較的ターン数が伸びやすい傾向にあります。
また、寿司やトリミケ、バサルトブライトのような工数が少ないコンボが少なく強力なサーチカードも限られていて再現性が低いため、クリーチャーによる殴り合いでの決着を目指すデッキが通常のEDHよりも多いように見受けられます。
こういったメタゲームを踏まえ、コンバット重視の環境を悪用活用するために、今回私が統率者に据えたのが《ドゥームスカージ、カルダール/Kardur, Doomscourge》となります。

◆統率者

スターター・統率者での収録により絵柄が3種類もあります
レアリティもUCからMRに2階級特進

カルダールはカルドハイム次元の領界の一つ、イマースターム出身のデーモンです。
イマースタームは神々によって封印が施されて以降、デーモン達が欲望と怒りのままに相争う地獄と化していますが、カルダールはそんなデーモン達にすら恐れられる存在でした。
このため、他のデーモン達によって地下深くに封じられたものの、復活のために日々少しずつ地上へと向かっている…とのことです。
カルドハイムのストーリー中には登場せず、「カルドハイムの伝説たち」の記事にて上記のバックグラウンドが語られております。
またカード名の「ドゥームスカージ(Doomscourge)」は翻訳テンプレート的には「破滅の災い魔」等と訳されるのが通例ですが、カルドハイムにおける重要な単語《ドゥームスカール/Doomskar》に引っ掛けて発音そのままに訳されているのも興味深いポイントです。

カルダールが地上に帰還した瞬間を描いた英雄譚もあります
実際にはまだ復活してないはずなんですけどね…

能力としては、指定したクリーチャーを自分以外に強制攻撃させる「使嗾(しそう)」のような処理を対戦相手全体に押し付けることができます。
クリーチャー全体に使嗾を与えるカードとしては《礼儀妨害/Disrupt Decorum》等がありますが、それ等に対してカルダールの能力はプレイヤーの行動そのものに影響を及ぼすという違いがあります。
これにより、速攻持ちやミシュラランド、ターンが帰ってくる前にブリンク等で出し直されたクリーチャー等も攻撃に参加させることが可能となっています。
この特性のお陰で、ETBが誘発した後はほぼ無敵の状態で次のターンを迎えられるでしょう。

もう一つの能力として、攻撃中のクリーチャーが死亡すると全員から1点ドレインすることができます。
この能力は死亡したクリーチャーのコントローラーについての指定が無いため、対戦相手の攻撃クリーチャーにも反応します。
この能力と攻撃強制によって、対戦相手を争わせながら自分だけが愉悦を得られるというデスゲーム主催者の雰囲気が味わえる楽しい統率者です。

能力に関する注意点として、「可能ならあなたでないプレイヤーを攻撃する」という部分には気をつけなければなりません。
卓が自分と対戦相手1人のタイマンになった場合、攻撃を逸らす先が無いため相手のクリーチャーは全てこちらに突っ込んできます。
他の2人は倒せたが最後の1人の盤面が出来上がりすぎていてそのまま敗北という流れが往々にしてあるので、各プレイヤーのライフや盤面の状況には気を払いましょう(n敗)

◆デッキ構成

カルダールを統率者として運用する上で重要なのは「可能な限りETBを毎ターン使用すること」です。
攻撃強制が切れると「殴れるうちに殴らなければ」という考えから集中砲火を食らう可能性が高まるため、ありとあらゆる手段を用いてカルダールを戦場に出し直し続けることを目指します。
そして、他の全員が疲弊するか生き残った1人とタイマンになったタイミングで致命的な一枚を繰り出して勝利を搔っ攫うのが最終目標となります。

上記の目的のため、カルダールを出し直すためのカードを多数採用しています(全体の1/5程度)
その他にも対戦相手にトークンを押し付けるカードや死亡時に誘発する能力を持つカードのような、カルダールの能力を最大限活用していくためのカードでもって戦略をサポートしていきます。

また、固有色の都合もあってクリーチャー以外への妨害が貧弱であり、コントロールやコンボ系統のデッキには真正面からでは太刀打ちできません。
その辺りは「他の殴り系ジェネラルに上手いこと攻めてもらう」という解決策でもって対応していきましょう。
ビートダウンデッキがコントロールやコンボを攻めて、そちらへの防御策で手一杯になっている状況を作った上で漁夫の利を狙っていくのが最善の勝ち筋となります。
全員コントロール系だったら?
…そういう日もあります。

◆採用カード解説

■ETB再利用:即時リアニメイト

●《フェイン・デス/Feign Death》
 黒1マナインスタント、ターン終了時までに対象にしたクリーチャーが死亡した時、+1/+1カウンターを1個置いてタップ状態で戦場に戻す。
●《マラキールの再誕/Malakir Rebirth》/《マラキールのぬかるみ/Malakir Mire》
 黒1マナインスタント、2点ルーズ。
 ターン終了時までに対象にしたクリーチャーが死亡した時タップ状態で戦場に戻す。
 タップインの黒土地として裏面で出せる。
●《まだ死んでいない/Not Dead After All》
 黒1マナインスタント、ターン終了時までに対象にしたクリーチャーが死亡した時、ひねくれ者・役割トークン(+1/+1修正、墓地に置かれたら各対戦相手1点ルーズ)をつけてタップ状態で戦場に戻す。
●《超常的耐久力/Supernatural Stamina》
 黒1マナインスタント、ターン終了時まで対象にしたクリーチャーに+2/+0修正、死亡した時タップ状態で戦場に戻す。
●《不死なる悪意/Undying Malice》
 黒1マナインスタント、ターン終了時までに対象にしたクリーチャーが死亡した時、+1/+1カウンターを1個置いてタップ状態で戦場に戻す。
●《異様な忍耐/Abnormal Endurance》
 黒2マナインスタント、ターン終了時まで対象にしたクリーチャーに+2/+0修正、死亡した時タップ状態で戦場に戻す。
●《悪魔の贈り物/Demonic Gifts》
 黒2マナインスタント、ターン終了時まで対象にしたクリーチャーに+2/+0修正、死亡した時戦場に戻す。
●《死の偽装/Fake Your Own Death》
 黒2マナインスタント、ターン終了時まで対象にしたクリーチャーに+2/+0修正、死亡した時タップ状態で戦場に戻して宝物トークン1個を生成。
●《戦闘復帰/Return to Action》
 黒2マナインスタント、ターン終了時まで対象にしたクリーチャーに+1/+0修正と絆魂付与、死亡した時タップ状態で戦場に戻す。
●《ケイヤ式幽体化/Kaya's Ghostform》
 黒1マナオーラ、自分のクリーチャーかプレインズウォーカーにエンチャント。
 エンチャントしたパーマネントが死亡するか追放された時戦場に戻す。
●《屍気の拝領/Necrogen Communion》
 黒2マナオーラ、自分のクリーチャーにエンチャント。
 エンチャントしたクリーチャーに毒性2付与。
 エンチャントしたクリーチャーが死亡した時戦場に戻す。
 カード毎に細かい挙動が若干違うものの、いずれも死亡したクリーチャーを戦場に戻す能力を付与します。
 後述のサクり手段やチャンプアタックに合わせて唱えることで、過労死したカルダールに即出社してもらいます。
 死は労働をやめる理由にはならん。

俺達フェイン・デスイレブン!

■ETB再利用:コピー

●《悪夢の番人/Nightmare Shepherd》
 黒4マナ4/4飛行。
 自分の他のトークンでないクリーチャーが死亡した時、それを追放すればナイトメアでもある1/1となったコピートークンを生成
 死んだクリーチャーを1度だけ再利用させてくれます。
 通常のクリーチャーであれば1/1となって登場して終わりですが、統率者の場合は追放後に統率領域へ戻れるので能力を複数回利用できます。
 4/4飛行でアタッカーとして強いのも高評価。
 他のコピー生成カードもほぼ同じですが、コピートークンも伝説ではあるのでレジェンドルールが適用される点は気を付けましょう。

●《暴走魔導士、デリーナ/Delina, Wild Mage》
 赤4マナ3/2、攻撃した時自分のクリーチャーを対象としてd20を振る。
 1-14:伝説でなく戦闘終了時に追放される対象のコピートークンを攻撃状態で生成。
 15-20:上記のトークンを出してもう一度d20を振る。
 攻撃誘発でコピーを出してくれますが、大きな特徴は「コピーが伝説でなくなる」こと。
 これのお陰でコピーのカルダールが盤面に残り続けられるので、鉄砲玉として適当なところに突っ込ませて戦闘ダメージを与えるなり、自爆特攻させてドレイン能力でライフを吸い取るなりといった形で有効活用が出来てしまうのです。
 デリーナ本人はスタッツがあまり強くないので、攻撃先には注意が必要です。

●《トラブルメーカー、ジャクシス/Jaxis, the Troublemaker》
 赤4マナ2/3、赤1マナとタップと1枚ディスカードで速攻と死亡した時1ドローを持つ自分の他のクリーチャーのコピートークンを生成し、次の終了ステップ時にサクる、ソーサリータイミング限定。
 2マナで奇襲(速攻と死亡した時1ドローを得て次の終了ステップにサクる)
 手札1枚をクリーチャーコピーに変換してくれます。
 生成されたコピーは奇襲と同じ特性を持つため、最終的にはコスト分の1枚を返してくれる優しさも持ち合わせています。
 自身も奇襲を持っているため、使い切りにする代わりに即座に能力を利用することもできます。

●《ラバブリンクの英雄、オーシオン/Orthion, Hero of Lavabrink》
 4マナ3/3、赤2マナとタップで速攻を持つ自分の他のクリーチャーのコピートークンを生成し、終了ステップ時にサクる、ソーサリータイミング限定。
 赤9マナとタップで上記トークンを5体生成し、終了ステップ時にサクる、ソーサリータイミング限定。
 ジャクシスと比べて起動コストが1マナ増えた代わりにハンド消費が無くなりました。
 コピー5体はただただカルダールに使っても無意味なので、死亡時誘発を有するクリーチャーと組み合わせたり、他の非伝説のクリーチャーを増やしたりすることで活用していきましょう。

●《炎駆の乗り手/Flamerush Rider》
 赤5マナ3/3、攻撃した時他の攻撃クリーチャーのコピートークンを攻撃状態で生成し、戦闘終了時に追放する。
 赤4マナで疾駆(速攻を得て終了ステップ時に手札に戻る)
 攻撃誘発でコピーを出してくれますが、コピー対象も攻撃している必要があります。
 この子もカルダールも戦闘においてそこまで強いわけではないため攻撃先を吟味しなければならず、盤面の状況次第では殴りに行けずコピーを出せないということがしばしばあります。
 ちょっと癖が強いですが、疾駆のお陰で奇襲性が高く即座にコピー生成が可能な点はありがたいですね。

●《双つ身の炎/Twinflame》
 赤2マナソーサリー、速攻を持つ自分のクリーチャーのコピートークンを生成し、終了ステップ時に追放。
 赤3マナで奮励(コストを追加で払えばその回数分対象を増やせる)
 よく《二重詠唱の魔道士/Dualcaster Mage》と組んで悪さをしているコピー呪文ですが、パイオニアEDHでは相方が不在のため普通に運用します。
 カルダールのコピーを出すのが基本的な役割ですが、マナに余裕があれば他のクリーチャーを出して自爆特攻させるのも十分アリです。

●《多勢の兜/Helm of the Host》
 4マナ装備品、装備5マナ。
 自ターンの戦闘開始時に伝説でなく速攻を得た装備クリーチャーのコピートークンを生成。
 キャストも装備もコストが重たいですが、通れば毎ターン自動でカルダールのコピーを生み出し続けてくれます。
 しかもこれで生まれるトークンは非伝説でターン中に消えないため、盤面の状況次第では延々と残り続ける可能性もあります。
 あまりにも効果が強いのでなかなか装備まで行くことができませんが、隙を狙って挑戦していきたいです。

■ETB再利用:バウンス・ブリンク

●《祖先の像/Ancestral Statue》
 4マナ3/4、出た時自分の土地でないパーマネントをバウンス。
 恐らくデメリットとして強制バウンスが付いていますが、それを活用してカルダールを手札に戻してキャストし直します。
 無色なのでマナ基盤を気にせず出せるのは嬉しいポイント。
 恐らく他の活用方法があまりにも有名なカードですが、その話は後程。

●《逃走用の車/Getaway Car》
 3マナ機体、パワー1で搭乗すると4/3速攻。
 攻撃かブロックした時、登場したクリーチャーをバウンス。
 相手に追突すると乗客を手札に逃がしてくれる黒塗りの高級車。
 速攻持ちのため出したターンから攻撃することができ、ブロック時にも誘発するので攻防のどちらにも使いやすいです。
 搭乗が1なので、終盤に適当なクリーチャーを乗せて突撃をかけるような運用もできます。

●《金色の大帆船/Golden Argosy》
 4マナ機体、パワー1で搭乗すると3/6。
 攻撃した時搭乗したクリーチャーを追放し終了ステップ時にタップ状態で戻す。
 パイオニアEDHの黒赤で利用できる貴重なブリンク手段、パイオニアに《妖術師の衣装部屋/Conjurer's Closet》くれ~!
 タフネス6のお陰で打ち取られにくく、比較的雑に突っ込ませても生き延びやすいのが良いところ。

■サクり手段

既に場に出たカルダールを統率領域に戻す手段として活用します。
先述のリアニメイト手段と組み合わせれば、統率者税を払って再キャストせずとも手軽にカルダールを出し直すこともできます。

●《悲哀の徘徊者/Woe Strider》
 黒3マナ3/2、出たとき白0/1のヤギトークンを生成。
 他のクリーチャーを1体サクると占術1。
 黒5マナと墓地4枚追放で脱出、脱出時は+1/+1カウンターが2個乗る。
 マナコスト無く起動できるサクり台1号。
 デカくなった《臓物の予見者/Viscera Seer》という感覚で、重い分サクる種を連れてきてくれます。
 脱出を持っているため、手札が減ってできることが少なくなった状況の場繋ぎとしてポンと出せるのが非常に良いところです。

●《イマースタームの捕食者/Immersturm Predator》
 黒赤4マナ3/3飛行。
 タップされた時、墓地のカード最大1枚を追放して+1/+1カウンターを1個置く。
 他のクリーチャーを1体サクるとタップして破壊不能。
マナコスト無く起動できるサクり台2号、個人的にカルドハイムの頃のスタンでめちゃくちゃお世話になった1枚。
 能力のお陰で場持ちが極めて良く、白の定番追放除去が無いパイオニアEDHではその生存性に拍車がかかっています。
 気軽に墓地掃除をすることもでき、誘発の度にサイズが上がっていくのでブロッカーとしてもアタッカーとしても優秀な子です。
 疑似再生故に下家のターン中に能力を使うと対面や上家への防御に回せないこと、墓地追放がフィズるとカウンターも置かれないことには注意です。

●《堕落した確信/Corrupted Conviction》
●《村の儀式//Village Rites》
 黒1マナインスタント、追加コストとしてクリーチャー1体をサクって2ドロー。
 クリーチャーを手札に変えるドローカード2種。
 1マナと種になるクリーチャーさえあれば手軽に構えられる便利さが売りです。
 サクリファイス・エスケープ用に構え続けるのも良いですが、手札消費が激しいデッキなので早めに使ってしまうのも十分アリです。

●《禁忌の調査/Plumb the Forbidden》
 黒2マナインスタント、追加コストとしてサクったクリーチャーの数だけコピーされる。
 1ドロー1点ルーズ。
 種さえあれば2マナで大量ドローが狙える呪文。
 カルダールはもちろん、トークン生成ができるクリーチャーも複数いるので結構複数コピーする機会は多いです。
 追加コストを払うのは強制ではないため、緊急の際は単発で撃てるのが偉いです。

●《悪魔の意図/Diabolic Intent》
 黒2マナソーサリー、追加コストとしてクリーチャー1体をサクって1枚サーチして手札に加える。
 《悪魔の教示者/Demonic Tutor》の調整版の一つ。
 追加コストが必要とはいえ、軽いマナで万能サーチが使えるのは非常に強力です。
 本デッキでは追加コストの方も有効活用できるので、まさに至れり尽くせりなカードです。

●《敵対するもの、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Adversary》
 黒赤3マナプレインズウォーカー、初期忠誠度3。
 犠牲X(唱える時にパワーがXのクリーチャーをサクれる)で初期忠誠度Xかつ非伝説のコピーを生成。
 +1:各対戦相手は1枚ディスカードか2点ルーズ、デビルかデーモンがいれば自分は2点ゲイン。
 -2:「死んだ時好きな対象に1点を与える」を持つ赤1/1のデビルトークンを生成。
 -7:プレイヤー1人を対象に7ドロー7点ルーズ。
 ニューカペナのトップレアと持て囃されていたオブさん。
 各能力はEDHにおいては何とも言い難い性能ですが、犠牲持ちのためカルダールをサクりながら忠誠度4のコピーを出せます。
 さらに、カルダールの攻撃強制が使えれば攻撃されることが無いので複数ターン生き残らせることも十分可能です。
 +1のゲインはカルダールが満たしている(デーモン)ので無理にトークンを出す必要は無いです(1敗)

■トークン生成

コントロールやコンボは盤面にクリーチャーをあまり並べてくれないので、せっかくのカルダールによる攻撃強制が上手く働かないことが時々起こります。
そのため「対戦相手の場」にトークンを出せるカードを採用し、自作自演でデスゲームを発生させていきます。

●《殺戮の専門家/Slaughter Specialist》
 黒2マナ3/3、出た時各対戦相手の場に白1/1の人間トークンを生成。
 対戦相手のクリーチャーが死亡した時+1/+1カウンターを1個置く。
 優れたマナレシオに加えて成長能力も持っており、デメリットとしてつけられたトークン生成も本デッキでは非常にありがたい能力です。
 対戦相手全員の場にトークンが出るため、EDHでは本体とトークン3体で計6打点分を生み出せるハイスペッククリーチャーと化します。
 本体が軽くカルダールとの同時展開もしやすいのがグッド。

●《秘宝荒らし/Relic Robber》
 赤3マナ2/2速攻。
 戦闘ダメージを与えた時、防御プレイヤーの場に「ブロックできない」と「アップキープにコントローラーへ1点与える」を持つ0/1のゴブリン・構築物・アーティファクト・クリーチャートークンを1体生成。
 戦闘を介して人の場に厄介なトークンを押し付けられます。
 3マナでカルダールより先に出せて、速攻によりすぐ仕事ができるためかなり役立ちます。
 トークンは0/1なので防御側のトークン等との相打ちに持ち込ませず、ほぼ確実にチャンプアタックを強いることができます。

●《アクロスの木馬/Akroan Horse》
 4マナ0/4防衛。
 出た時対戦相手1人にこれのコントロールを渡す。
 コントローラーのアップキープに他のプレイヤーの場に白1/1の兵士トークンを生成。
 トロイの木馬をMTGのカードとして再現した1枚。
 これ自体はアタッカーにはなり得ないものの、毎ターン着実にトークンを生み出してくれます。
 早いうちにサクられたり自爆させられたりすると悲しいので、渡す相手は吟味する必要があります。
 欲を言えば自分の場に留まってほしかった。

●《カタカタ橋のトロール/Clackbridge Troll》
 黒5マナ8/8トランプル速攻。
 出た時対戦相手1人の場に白0/1のヤギトークン3体を生成。
 自分の戦闘開始時に対戦相手がクリーチャー1体をサクったら、これをタップして3点ゲインと1ドロー。
 定期的に出てくる攻撃かコントローラーへのメリットかを選ばせてくるクリーチャー。
 アタッカーとしての性能が高いのはもちろんですが、本デッキではトークン生成を目当てに採用しています。
 トークンを出す先は特に事情が無ければ下家の場に出すのが良いと思います(下家がヤギをサクらず選択を他の2人に押し付けてくれる可能性があるため)

●《往時軍の覚醒/Awaken the Erstwhile》
 黒5マナソーサリー、各プレイヤーは手札を全てディスカードし、その枚数分の黒2/2ゾンビトークンを生成。
 豪快な手札破壊を行いつつ、大量のゾンビトークンを生成する(可能性がある)呪文。
 通ってしまえば全員でトップ勝負を行うことになり、全除去でトークンが流される可能性が大きく減るのでほぼ確実にトークンでの殴り合い環境を作り出すことができます。
 もちろん自分も全ディスカードの対象となるので、継続的にカルダールのETBを使い回せるカードを出した後に撃ちましょう。

●《崩老卑への貢納/Tribute to Horobi》/《死者の嘆きの残響/Echo of Death's Wail》
 黒2マナ英雄譚。
 ①~②各対戦相手の場に黒1/1のネズミ・ならず者トークン1体を生成。
 ③これを追放して変身させて出す。
 変身後が黒3/3飛行速攻。
 出た時全てのネズミトークンのコントロールを得る。
 攻撃する時、これ以外のクリーチャーをサクると1ドロー。
 相手にトークンを配り、最後に奪い取るというデザインのカードですが、本デッキではトークンを渡す部分がメインとなります。
 裏面もほどほどのサイズのフライヤーでサクる能力持ちなので、状況によってはカルダールのサクり台として有効活用できることも。

●《囚われの聴衆/Captive Audience》
 黒赤7マナエンチャント、対戦相手1人のコントロール下で出る。
 コントローラーのアップキープに「ライフを4点にする」「手札全ディスカード」「各対戦相手の場に黒2/2のゾンビトークン5体を生成」から選んでいないものを選ばせる。
 一番有利な相手を失速させるための面白エンチャント。
 トークン生成ももちろん強力ですし、全ハンデスにより対処札を奪うことができ、ライフ4点によってキルターンを大幅に縮めることができます。
 着地まで確定すれば各プレイヤーによる論戦が始まるので、盤面やデッキ相性を吟味しつつ押し付け合いする様を楽しみましょう。

■フィニッシャー

本デッキ最大の弱点は「他2人が脱落して1vs1になると、途端に統率者が弱くなること」です。
そのため、フィニッシュ手段に関しては基本的にカルダールに依存せず、本項目のカードを活用して決めることを狙っていきます。

●《囚われの黒幕、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, Captive Kingpin》
 黒赤4マナ4/3飛行トランプル。
 対戦相手が1点のライフを失った時、これの上に+1/+1カウンターを置きライブラリーのトップ1枚を次の自分のターンまで衝動的ドロー。
 灯を失ったオブさん。
 カルダールのドレインや1/1トークンを出すカード等と相性が良く、かなりのサイズへの成長とアド確保が見込めます。
 トランプルによって強引にダメージを通していけるので、最後の詰めとして突撃させていきましょう。
 《完全なる統一/All Will Be One》との1枚コンボが有名ですが、他にカウンターを得る手段があまり無いので今回は不採用です。

●《暴動の長、ラクドス/Rakdos, Lord of Riots》
 黒赤4マナ6/6飛行トランプル。
 対戦相手がライフを失っていないと唱えられない。
 対戦相手が失ったライフの点数分、クリーチャーを唱えるコストを軽減。
 cEDH等でも時折見かけるラクドス様。
 キャスト制限の代わりに強力なコスト軽減を有しているため、統率領域に戻ったカルダールの出し直しに役立ちます。
 詳しい方はご存じだと思いますが、先述の祖先の像とクリーチャーが出た時にダメージを飛ばす置物、そして対戦相手がライフを4点以上失ってる状態が揃えば祖先の像の無限出し入れで勝てます。
 統率者が絡まないコンボにはなりますが、各パーツが単体でも本デッキとの噛み合いが良いために搭載してみた次第です。

●《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
 黒5マナ2/4、出た時黒の信心分ドレイン、ゲイン量は全員が失った分の合計。
 黒が濃いデッキでは手軽に活用できるフィニッシャーであり、本デッキでは多数のコピー生成カードによってそのETBを複数回使い回すことが容易にできます。
 回復量が信心分ではなく全員のルーズ分であるため雑に使っても割と強く、集中攻撃で自分のライフだけ沈んでいる時に出して延命もできるのが偉すぎます。
 信心を上げるために他の黒パーマネントを優先展開した結果流されるということも割と起こり得るため、自分が有利な時での展開タイミングはよく考えましょう。

●《虐殺のワーム/Massacre Wurm》
 黒6マナ6/5、出た時対戦相手の全クリーチャーに-2/-2修正。
 対戦相手のクリーチャーが死亡した時、そのコントローラーは2点ルーズ。
 横並べ絶対許さないワーム。
 パイオニアEDHには《冒涜の行動/Blasphemous Act》や《毒の濁流/Toxic Deluge》といった定番の全除去が少ない分、クリーチャーを大量に展開して押し潰す戦術が通常のEDHよりも強いと感じます。
 そのような横並べデッキに対してこのワームを出してやれば、盤面一掃に加えて大量のライフルーズで一気にゲームセットまで持っていくことも十分狙えます。
 ライフを削る置物としての性能が高い分ヘイト稼ぎもバッチリしてしまうので、使う時は点数をよく計算して明確な殺意を持って出しましょう。

●《ラクドスの魔除け/Rakdos Charm》
 黒赤2マナインスタント、「プレイヤー1人の墓地を全て追放」「アーティファクト1つを破壊」「各クリーチャーはコントローラーに1点ダメージ」から1つ選ぶ。
 横並べ絶対許さないモード呪文。
 3つ目のモードにより、大量にクリーチャーを展開している相手を突然死させることを狙っての採用となります。
 他のモードも比較的使い道に恵まれており、EDHにおいてはどのようなタイミングでも腐りにくい1枚と言えるでしょう。
 ダメージは自分も受けることになるため、ライフ残量には要注意。

●《群衆の掟/Mob Rule》
 赤6マナソーサリー、「ターン終了時までパワー4以上のクリーチャーのコントロールを得てアンタップし速攻を与える」「ターン終了時までパワー3以下のクリーチャーのコントロールを得てアンタップし速攻を与える」から1つ選ぶ。
 横並べ絶対許さないコントロール奪取。
 デカブツか小粒かのどちらかのみにはなりますが、盤面に出ている全てのクリーチャーを奪って突撃させられるため、止めの一撃となり得る呪文です。
 コントロールを取って攻撃したが、打点が足りず返しで負けるという恥ずかしいオチにならないよう、点数計算はしっかり行いましょう。

■ダメージソース

強制攻撃とカルダールの能力で相手のライフはゴリゴリ削れて行きますが、決着を早めるためにも他のダメージ源となるカードを活用して自分からも積極的にライフを詰めれるようにしていきます。

●《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》
 黒2マナ1/1、自分のクリーチャーが死亡した時、各対戦相手から1点ドレイン。
●《想起の拠点/Bastion of Remembrance》
 黒3マナエンチャント、出た時白1/1の人間トークン1体を生成。
 自分のクリーチャーが死亡した時、各対戦相手から1点ドレイン。
 本デッキはカルダールを積極的にサクるムーブを取るため、死亡誘発によるドレインはとても相性の良い削り手段となってくれます。
 自分のクリーチャーにしか反応しないのが少し残念、《血の芸術家/Blood Artist》がパイオニアにいれば…

●《嵐拳の聖戦士/Stormfist Crusader》
 黒赤2マナ2/2威迫。
 自分のアップキープに全員1ドロー1点ルーズ。
 全員にメリットをもたらす《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》。
 その特性故に闘技場よりはヘイトを買い難いため見逃してもらいやすく、気づけばこの子一人で結構なライフを削っているということもあります。
 威迫のお陰で積極的に攻撃へ参加できるのも良いポイントです。

●《機知ある怨怒取り/Witty Roastmaster》
 赤3マナ3/2、団結(他のクリーチャーが自分の場に出た時誘発)で各対戦相手に1点ダメージ。
●《衝撃の震え/Impact Tremors》
 赤2マナエンチャント、クリーチャーが自分の場に出た時各対戦相手に1点ダメージ。
 カルダールには頻繁に戦場へ出入りしてもらう都合上、これらのETB誘発でのダメージ源も有用となります。
 死亡誘発の方と比べると、ライフゲインが付いていない分ブリンク等の手段でも使えるので一長一短。
 また、ラクドス+祖先の像の無限出し入れでのフィニッシュ手段にもなります。

●《ケルドの血拳、ガルナ/Garna, Bloodfist of Keld》
 黒赤4マナ4/3、これ以外の自分のクリーチャーが死亡した時、攻撃中であれば1ドロー、そうでないなら各対戦相手に1点ダメージ。
 死亡したクリーチャーの状況によって能力が変わりますが、基本的にはダメージを与える方での活用が多いと思います。
 ドローの方に関しては攻撃状態であれば戦闘結果等に影響されないので、フェイン・デス系を握りつつカルダールでチャンプアタック、ブロックされなかった場合は戦闘ダメージを与えた後にインスタントタイミングでサクって誘発させる形になります。 

■アド獲得・サーチ

本デッキ、だらだらゲームを続けていると攻撃強制を維持できずタコ殴りにされたり、他が急に脱落して最後の1人から総攻撃を受けたりという状況に陥りかねません。
そのため、ドロー加速やライブラリーサーチでもって強制攻撃状態を維持するカードを引き込みつつ、終盤になる前にフィニッシャーカードを持ってこないと死にます。

●《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》
 赤2マナ1/3トランプル。
 攻撃した時自分の墓地から自身のパワー以下のマナ総量のインソー1枚をマナコストを払うことなく唱えることができ、唱えた呪文は追放される。
 大量に搭載されたフェイン・デス系、もしくは村の儀式系呪文を再利用するためのクリーチャー。
 本デッキは自軍クリーチャーのパワーを強化するような手段がほとんど無いため、この目的のためと割り切って採用しています。
 ウィザーズ様もっと1マナフェイン・デス系呪文作ってくださいお願いします。

●《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》
 黒3マナ3/2、変異黒1マナ(3マナで2/2のクリーチャーとして裏面で出て、変異コストでいつでも表にできる)
 自分の他のトークンでないクリーチャーが死亡した時1ドロー。
●《真夜中の死神/Midnight Reaper》
 自分のトークンでないクリーチャーが死亡した時1点ダメージ1ドロー。
 クリーチャー死亡に対してハンドアドによる補填を入れてくれるドローエンジン2種。
 本デッキではカルダールを戦場と墓地とで反復横跳びさせて補填を不正受給します。
 腸卜師は変異が付いていて奇襲性があるが自身の死亡には反応しない、死神は自身が死んでも引かせてくれるがダメージのおまけが付く等一長一短ではあります。
 両方ともトークンには反応しない点に注意。

●《憎悪の手、ラゴモス/Lagomos, Hand of Hatred》
 黒赤3マナ1/3、自分の戦闘開始時に赤2/1トランプル速攻のエレメンタルトークン1体を生成し、次の終了ステップ時にサクる。
 クリーチャーが5体以上死亡しているターンにタップすれば、1枚サーチして手札に加える。
 毎ターン特攻要員となるトークンを出してくれるので、カルダールのドレイン誘発に貢献してくれます。
 起動型能力はインスタントタイミングで使えるため、強制攻撃で大量のクリーチャーが討ち取られるような瞬間を見計らっていきましょう。

●《病的な日和見主義者/Morbid Opportunist》
 黒3マナ1/3、ターン中1回のみこれでないクリーチャーが死亡した時1ドロー。
 死亡時ドローということで先述の2体と近いクリーチャーではありますが、各ターン1回の代わりに相手のでもトークンでも反応するという大きな違いがあります。
 強制攻撃によって戦死したクリーチャーにも反応する都合から、ドロー効率はこちらの方がむしろ上になることが多いです。
 ラゴモスと並ぶと宇宙。

●《血空の主君、ヴェラゴス/Varragoth, Bloodsky Sire》
 黒3マナ2/3接死。
 黒2マナで誇示(攻撃したターンに1回起動できる能力)、プレイヤー1人は1枚サーチしてライブラリートップに積む。
 カルダールと同郷のデーモンにしてカルドハイムのストーリーにおけるラスボス。
 攻撃を行う必要はありますが、パイオニアにおける2マナの《吸血の教示者/Vampiric Tutor》として運用できます。
 しかもプレイヤー指定ができるため、全除去や置物破壊が早急に必要な時に他プレイヤーを対象にして持ってきてもらうという使い方もできます。
 接死のお陰で攻撃を通しやすく、ブロッカーとしても優秀と癖の強いデーモン達の中ではかなり扱いやすい1枚。ラスボスの癖に親切すぎない?

●《不気味な教示者/Grim Tutor》
 黒3マナソーサリー、1枚サーチして手札に加えて3点ルーズ。
 《悪魔の教示者/Demonic Tutor》の調整版として刷られたカードですが、それでもなお強いサーチカード。
 ライフコストも基本的に攻撃を受けにくい本デッキではあまり気にならないので気軽に使っていきましょう。

●《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》
 黒3マナエンチャント、自分のアップキープに1ドロー1点ルーズ。
 令和の世に帰ってきた黒の強強ドローエンジン。
 置いてからターンが回れば回るほど得られるアドが大きいのでできれば早めに展開したいですね。
 イラストの2人はホント今頃どうなっているのやら。

■除去・妨害

●《ティボルトの計略/Tibalt's Trickery》
 赤2マナインスタント、呪文1つを打ち消し1~3を無作為に選んで呪文のコントローラーのライブラリートップをその数分切削、その後名前が異なる土地でないカードがめくれるまでライブラリートップを追放していきそのカードを唱えてもよく、残りをライブラリーボトムに無作為に置く。
 よく自分の0マナファクトを打ち消してクソデカスペルを踏み倒すクソコンボに用いられるカード。
 パイオニアには《紅蓮破/Pyroblast》も《赤霊破/Red Elemental Blast》も無いため、黒赤で使える打ち消しはこれくらいしかありません。
 1枚のみではありますが、スペルコンボ系デッキに対する貴重な抵抗手段となります。

●《魔性/Bedevil》
 黒赤3マナインスタント、アーティファクトかクリーチャーかプレインズウォーカー1つを破壊する。
 赤を足したことでアーティファクトも狙えるようになった《英雄の破滅/Hero's Downfall》。
 パイオニアEDHでも《彩色の宇宙儀/Chromatic Orrery》や《ファイレクシアへの門/Portal to Phyrexia》のように危険なアーティファクトは十分多いので、対象範囲が広がるのはありがたいです。
 シンボル拘束がたまにキツいですが…

●《悪意の熟達/Baleful Mastery》
 黒4マナインスタント、クリーチャーかプレインズウォーカー1体を追放。
 俗に言う「生徒コスト」を持つ除去札で、元のコストが重めな分追放除去となっています。
 ドローする相手と除去対象のコントローラーは同一でなくて良いため、気軽に生徒コストでキャストしてドローは一番弱まっている人にあげるのがオススメです。

●《稲妻曲げ/Bolt Bend》
 赤4マナインスタント、パワー4以上のクリーチャーがいれば3マナ軽減。
 単一の対象を持つ呪文か能力1つの対象を変更する。
 パイオニアEDHにおける《偏向はたき/Deflecting Swat》。
 フィニッシャーへの打ち消しやコンボパーツへの除去を曲げるための回避手段となります。
 カルダールがパワー4なので軽減しやすいのもグッド。

●《戦慄掘り/Dreadbore》
 黒赤2マナソーサリー、クリーチャーかプレインズウォーカー1体を破壊する。
 ラクドスカラーの定番除去。
 ソーサリーとはいえデメリット無しで除去できるのは十分偉いです。
 …とか言ってたら新イクサランにて上位互換が出てしまったため、入手でき次第差し替え予定です。
 パイオニアに《終止/Terminate》くれませんか?(無理)

●《大群への給餌/Feed the Swarm》
 黒2マナソーサリー、対戦相手のクリーチャーかエンチャントを破壊しマナ総量分ライフルーズ。
 黒で自由に対象が選べる貴重なエンチャント除去。
 パイオニアEDHにも十分厄介なエンチャント類は多いので、緊急時の命綱として役立ちます。
 最近気づかされたんですけど、《息詰まる徴税/Smothering Tithe》ってパイオニアリーガルなんですよね…

■マナ加速

パイオニアEDHには《太陽の指輪/Sol Ring》はおろか印鑑サイクルやタリスマンサイクルが無いため、マナファクトのばら撒きによるマナ加速はかなり抑えられています。
それでもいくつかは採用が可能なため、少しでも早い展開のためにパイオニアリーガルな2マナファクトは全て使っています。

●《面晶体の這行器/Hedron Crawler》
 2マナ0/1アーティファクトクリーチャー、タップで無色マナ1点。
 パイオニアEDH2マナファクト四天王その1。
 クリーチャーなため召喚酔いがあり無色しか出ないと普段のEDHの基準で考えればかなり疑問符が付くカードですが、パイオニアEDHでは貴重なマナ加速手段として十分な価値を秘めています。
 先端恐怖症の人には少しキツそうな見た目。

●《マイアの改宗者/Myr Convert》
 2マナ2/1アーティファクトクリーチャー、毒性1(戦闘ダメージを与えた時毒カウンター1個を与える)
 タップとライフ2点支払えば好きな色のマナ1点。
 パイオニアEDH2マナファクト四天王その2。
 ライフコストが多少キツいと感じることはありますが、それでも色マナが出るのはめちゃくちゃ優秀です。
 パワー2なお陰で暇なタイミングは殴りに行かせられるのも良い所。
 毒性はほぼインクの染みです。

●《秘儀の印鑑/Arcane Signet》
 2マナアーティファクト、タップで統率者の固有色のマナ1点。
 パイオニアEDH2マナファクト四天王その3。
 通常のEDHにおける定番マナファクトですが、エルドレインの王権のブロールデッキに収録されていたためにパイオニアでも使用可能です。
 追加コスト無しで色マナが出ることの有難さを噛み締めて使いましょう。

●《アイレンクラッグ/The Irencrag》
 2マナアーティファクト、タップで無色マナ1点。
 伝説のクリーチャーが出た時、マナ能力を失い「装備3マナ、装備クリーチャーに+3/+3修正」を持つ別名の装備品に変わることができる。
 パイオニアEDH2マナファクト四天王その4。
 這行器と同様に、無色しか出なかろうが2マナというだけで採用する価値があります。
 装備品化はまだ使ったことは無いですが、最後の詰めで使える…かも?

■土地

●《沼/Swamp》*7
●《山/Mountain》*8
 基本土地計15枚。
 もう1~2枚程度なら無色のユーティリティが高い土地に差し替えてもいいかもしれません。

●《ロークスワイン城/Castle Locthwain》
 沼をコントロールしているとアンタップインする黒土地。
 黒3マナとタップで1枚ドローして手札の枚数分ライフルーズ。
 貴重なドローできる土地。
 終盤の手札が枯れそうなタイミングに置けていると心強いです。
 ライフ支払いの兼ね合いから、起動する時は先に手札をできる限り吐き出してしまいましょう。

●《汚染された三角州/Polluted Delta》
●《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
●《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
 フェッチランド計3枚。
 友好色組み合わせのフェッチランドは全て採用しています。
 対抗色は来てほしいような来てほしくないような…

●《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway》/《灼熱踏みの小道/Searstep Pathway》
●《血の墓所/Blood Crypt》
●《泥濘の峡谷/Canyon Slough》
●《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》
●《凶兆の廃墟/Foreboding Ruins》
●《地熱の沼/Geothermal Bog》
●《憑依された峰/Haunted Ridge》
●《燻る湿地/Smoldering Marsh》
●《硫黄のぬかるみ/Sulfurous Mire》
●《硫黄泉/Sulfurous Springs》
●《悪意の神殿/Temple of Malice》
 黒赤の2色土地計11枚。
 取り敢えずストレージに転がっていた2色土地をたくさん突っ込みました。
 両面土地を最序盤に置く時は、その後の色拘束で困らないようどちらを選ぶかよく考えましょう。
 フェッチランドからの展開を考慮して基本土地タイプ持ちを複数採用していますが、タップイン土地が増えてしまっているので少し減らしても良いのかも。

●《統率の塔/Command Tower》
 タップで統率者の固有色のマナが出る土地。
 秘儀の印鑑と同様にブロールデッキ収録のため利用可能です。

●《眷者の居留地/Bonders' Enclave》
 無色土地。
 パワー4以上のクリーチャーがいれば3マナとタップで1ドロー。
 実質ロークスワイン城2枚目。
 カルダールがパワー4なので(略)

●《解体爆破場/Demolition Field》
 無色土地。
 2マナとタップで相手の基本でない土地1枚を破壊し、互いに基本土地1枚をサーチして出せる。
 貴重な土地対策手段。
 《死者の原野/Field of the Dead》や《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》のような明らかにヤバい土地に対するお守りとなります。
 似たような能力の《廃墟の地/Field of Ruin》は何故か当事者以外のプレイヤーにも土地サーチされてしまいましたが、こちらはちゃんとテキストが変わっているので安心です。
 サーチが任意という部分はパイオニアEDHだとあまり関係ないですかね。

●《屍肉あさりの地/Scavenger Grounds》
 無色の砂漠。
 2マナとタップと砂漠をサクッたら全ての墓地を追放。
 墓地対策として。
 墓地利用デッキがいる時はこれ見よがしにアピールすると嫌な顔をしてくれます。

◆おわりに

本稿ですが、実は執筆自体は9月17日に晴れる屋TC大阪店で開催された「コマンダーサミットin大阪」の直後から始めていました。
コマサミでの試合がとても楽しかったので作成を始めたもののなかなか進まず、そうこうしているうちにドクター・フーとイクサランの情報でてんやわんやとなり、最終的に記事コンテストの開催を受けて急遽書き上げた次第です。
それでも期限ギリギリの投稿にはなってしまいましたが…
どれもこれもジュラシック・ワールドコラボが悪いんや。

コマサミで対戦した方々の統率者
ヘリオッドはVtuberのキアロヒさんの物で、記事も書かれていますのでそちらも是非

統率者デッキ産のカードが使えなかったりでなかなか難しい戦いを強いられているパイオニアEDHでのカルダールですが、それでも強制戦闘が決まると他のプレイヤーの阿鼻叫喚な様子が見れてとても楽しい統率者となっています。
幼い頃はデスゲーム主催者になりたかったという方はぜひカルダールを使って哀れな参加者達の争い合う様を見守りましょう。

より激しいデスゲームが見たい方は通常のEDHでの構築もオススメ
このようにより強力なカードが使い放題です

変則ルールの変則ルールという変わったフォーマットであるパイオニアEDHですが、その知名度も人口も今はかなり増加しているように見受けられます。
構築ルール的に通常のEDH卓にも混ざれるということもあり、マイナーフォーマット特有の「デッキを作っても遊べる相手がいない」という問題はさほど気にならなくなっていると思います。
今まさに波に乗っているパイオニアEDH、皆様もぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか?
そして12月2日開催の「コマンダーサミットin大阪~2nd Anniversary~」のパイオニアEDH卓で僕と握手!


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