僕は公務員
父ではなく。
元から公務員になりたかったわけではない。
自分の面接の下手くそさを思い知らされて、勉強で下駄履かせてもらえる公務員を選んだ。
仕事は法律をはじめとした沢山のルールでがんじがらめで、成果を上げることよりもルールを守ることが重視される。そもそもなにか成果を生み出す仕事なんてほとんどないけど。
僕より圧倒的に仕事ができない人だっているけど、きっと僕より給料は高い。なぜなら僕より年上だから。能力で評価すると言ってはいるものの、実情はほぼ年功序列。
好きなものを仕事にしたいとか全力で仕事に取り組んで心から震えるような経験をしたいとか学生のときは思っていたし、いわゆるお仕事系の物語に、僕もああなりたいなにかを成し遂げたいって思ってたけど僕はそうなれなかった。
上のほうのつよつよ公務員ならまた違うだろうけれど、そうじゃない僕がこの仕事にやりがいを感じることはきっと一生ないだろう。それはとてもさびしいことだ。
だけどこの仕事を辞めたいかというとそうでもない。正直性には合ってると思う。ルールさえ守っておけば怒られることはないから。能力がなくても間違えてさえなければやっていけるから。
自分から何かを生み出す才能のない僕には悲しいくらいに向いている。
客観的に見て、僕程度にはこの程度の仕事がお似合いなんだろう。
国が仕切る大人のおままごとを続けて、生きるには困らないくらいのお金をもらえるなんて、僕にとっては上出来だ。
僕はこの狭い世界で向上心のかけらもなくルーティンワークを続けていく。
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