ChatGPTとマーケティングリサーチ

ハーバード?の入試をクリア、フランスの学校では使用禁止、Google検索を越えた、など今一番ホットなChatGPT。
筆者も全く理解できていないが、軽く話題に乗る。
Twitter情報だが、下図が目に止まった。

AI技術の相転移とか、量が質に転化したとか言われている元の情報らしい。
0度を超えて温度が下がると水が氷に相転移するが、AI(機械学習)も閾値を超えて相転移をおこし「賢いChatGPT」が出来上がった。図では10の22乗あたりで精度が急激に上がっている。データ数(情報量、演算数)、モデル数がこの値を超えると相転移が起こるということであるが、何故かはわからない。
ただ、精度(縦軸)の定義がはっきりせず、ランダムな回答が減っただけで精度が上がったとは言えないという専門家もいて、評価は専門家でも分かれている。
「大学生のアルバイトについてアンケートをやりたい。アンケートを作って欲しい、15問以内で選択肢も作って」とChatGPTに投げると、学年と学部を聞く質問からはじまり、アルバイトのきっかけや目的を聞く質問が普通に作られ、選択肢も「おかしな」項目はない。
なによりも、機械ではなく(優秀な)人間が作ったものに見えるから衝撃的である。
もうちょっと実践的に「〇〇ブランドの2023年に入ってからの不振の原因の仮説を3つ作って」という投げかけには自信満々な文章表現でデタラメを含んだ文章を返してくる。どこにでもいそうな「何かとよく発言するが内容が間違ってるし、ピントがずれている」人のようである。言ってみればウイルニッケ失語症的な返答である。
ChatGPTっをどう使うかを考えると、リサーチの企画段階で、分野全体のネット検索の追加手段として使える。
注意すべきは、自信満々にデタラメを言ってくるのでGoogle検索でファクトチェックするという二度手間が必要な点である。
青山付近で今日の飲み屋をChatGPTで探させると、店の条件づけや変更にもきちんと対応したが、自信満々に実在しない店を推薦してきた。おそらく地図データ、店舗情報とマッチングしないで回答していると思われる。

われわれの仕事は企画(調査票作成)、実査、集計・分析のプロセスに分解できるが、それのほんの入り口の情報収集に使えるだけで、我々の仕事を奪うほどではない。汎用AI(AGI)よりもリサーチの専用AIが開発、稼働させる方向を検討すべきであろう。
何よりもNLP(自然言語処理)は言葉の意味を全く考慮しないで統計処理だけで文章を作っているので、現理論的に現実生活とAGIでは「生態系」が違うのでは。

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