DaybyDayインタビュー
同じ対象者個人に翌日も同じテーマでインタビューする方法をDaybyDayインタビューとし、発表したのは2010年のことです。
きっかけは、夫婦喧嘩、飲み屋での議論、上司の説教、など白熱した会話のやり取りの後、「ああ言えばよかった」「こう切り返すべきだった」と後悔・反省して眠れない夜を過ごしたことがあるとする人がたくさんいたことです。
さらに、「そうか!相手は実はこのことを言いたかったのかもしれない」「自分は案外そのように考えているのかもしれない」と自分の認知そのものの組替えに役立ったとポジティブな反応もありました。
こういった「反省・後悔」や「認知の組換え」が通常のインタビュー中でも起こっていると考え、それならば翌日、もう1回インタビューしてすっきりさせればよい、ということから「DaybyDayインタビュー」を発想しました。
<インタビューでの対象者のストレス>
・対象者はインタビューの現場で始めて自分の「認知」や「行動」を
意識させられるので、いわば「不意打ち」状態。
・何か聞かれたら早く答えてあげたいサービス精神
聞かれてる内容がわからないとは思われたくない(バカではない)
・ウソではないが「適当な?」回答をする(作話は人間的行為)
・間違えたと思っても、前言訂正するのはめんどくさい
<インタビュー後の心理>
・「終わったー!」謝礼もらって早く帰りたい
・しつこい司会者で気分はあまり良くない
・あの質問はこういうことだったかもしれない
・こう答えればよかった。失敗
・あのことが気になるので後で考えてみよう
<2日目のインタビュー>
・インタビューされる準備万端
(実際に1日目の夜、母親に質問したという人がいた)
・ラポールができているので気取り、気遣いが少ない
・前の日よりよく考えた回答ができる
・インタビュー、質問の意味、目的が納得できる
<DaybyDayインタビューの進め方留意点>
・リクルーティングのときに2日連続で来てもらう約束をとる
(2日目もお願いするかもしれないとして、不良対象者を落とす)
・2日間で同じ質問をする→回答の確度がわかる
・1日目終了後、必ず仮説再構築を行う。フローも再考する
・2日目は「昨日おっしゃった内容は忘れて欲しい」と念を押す
・昨日の回答との矛盾は柔らかく突く
・インターバルは1日以内にする(長いと忘却と合理化が発生する)
・同一モデレーターで実施する
<DaybyDayの利点と不利点>
・モデレータ、対象者双方に自己省察のインターバルが取れる
・仮説のスクラップ&ビルドの時間が十分に取れる
・対象者の深い理解のうえで評価ができる
が利点
・FGIは採用できない(グループの雰囲気は再生できない)
・2日間で正反対の反応になることがある
コンセプトチェックなどでは結論が出せなくなることがある
・考えられ、合理化された回答になる(生の反応は1日目だけ)
が不利点
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