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ぷらっと国東


①宇佐神宮

そもそも国東(くにさき)って?って思う方もいらっしゃるかも……
国東半島は大分県の北部に位置し、九州の秘境と言われています。奈良時代から平安時代にかけて「六郷満山」と呼ばれる仏教文化が栄えた場所です。

まずは宇佐神宮!
宇佐神宮は4万社あまりある八幡さまの総本宮です。訪れたのは今年の5月。一部解体修復工事中でした。
それでも深い緑の中に朱塗りの鳥居や神社の建物が見えてくると、やはり感動します。本殿ももちろんですが、その境内を散策するといろんな見どころがあります。

下宮
若宮神社
下宮(御炊宮みけみや)
御霊水
八坂神社
小さな祠もあちらこちらに
宇佐神宮 末社


②豊後高田市 昭和の町

ここは昭和30年代をテーマにしたレトロな街並みが楽しめるところです。
昔の映画やドラマの中に紛れ込んだような気分になる町並みです。
レトロな感じのレストランもありますし、食べ歩きを楽しむのもまたよし!です。

昭和の町
下駄とか買ってみてもいいかも
旧共同野村銀行

この旧共同野村銀行は昔の銀行の建物をそのまま使っていて、中にはお金にまつわるものやこの豊後高田に関するものが展示されています。
広々とした吹き抜けの天井、そして大きな窓からは明かりがさんさんと射し込む瀟洒な建物です。
古い貨幣が展示してあったり、往時の金庫室に入ることが出来たりと、なかなか楽しいですよ。お札に仕込まれた偽造防止の印刷模様を探す、というコーナーもあります。意外と難しかったですが、お越しの際はぜひチャレンジしてみてください。

咲くら でランチ  
肉巻きおにぎりがものすごくおいしかった!

③真木大堂

現在、真木大堂の名で知られる馬城山伝乗寺(まきさんでんじょうじ)は、八幡神の化身であるとされる仁聞菩薩により養老2年(718年)に開基されたと伝えられています。
今から約700年前、蒙古来襲の折には鎌倉幕府の指示で大祈祷が行われたといいますから歴史の重みを感じますよね。

仁王像・阿形

収蔵庫には、国の重要文化財である9体の仏像が安置されています。本尊阿弥陀如来坐像、木彫り日本一の不動明王立像、日本一の大威徳明王像……。
見つめていると穏やかな空気に包まれているような感じがします。

④鍋山磨崖仏

県道34号線沿いの立て看板から、約80段ある石段を登ると磨崖仏が見られます。平安時代後期〜鎌倉時代初期だと推定されているそうです。
ふと看板を見かけて登ってみたのですが、普段運動不足の私には結構きつかった!しかも階段がすべりやすいので、行かれる際は足元に気を付けてくださいね。

鍋山磨崖仏

⑤富貴寺

この富貴寺にある阿弥陀堂(いわゆる富貴寺大堂)は、宇治平等院鳳凰堂、平泉中尊寺金色堂と並ぶ日本三阿弥陀堂のひとつに数えられ、現存する九州最古の木造建築物であり、国宝指定されています。
数年前に福山雅治さんのCMのロケ地にもなったところです。

富貴寺
山門の仁王像
八臂弁財天
数多くの仏像が並ぶ
阿弥陀堂

ご本尊の阿弥陀如来像も素晴らしいです。堂内の壁画は重要文化財に指定されているそうですが、風化が進んでいて今はうっすらと往時の美しさをしのぶことができるのみです。
ちなみに大分県歴史博物館では大堂創建当初の壮麗な姿を再現してあるそうです。

でもやはり平安時代の彩色が残るこの貴重な壁画こそ、ぜひとも後世に残してほしい。そう思いました。

⑥白鬚田原神社

ここはどぶろく祭りで有名な神社らしいですが、私が行ったときは季節外れなので、静かな限りでした。
しんとした山の中に神社が抱かれているような感じ。空気もすんと透き通る感じがします。

白鬚田原神社 鳥居
狛犬の表情も独特
白鬚田原神社

⑦長安寺

こちらは花の寺としても有名なところです。
私が行ったときはシャクナゲが少し盛りを過ぎていましたが、それでもそこかしこに咲いていてとても美しかったです。

花と石像
いたるところに石像が
長安寺からみた眺め

鎌倉時代には六郷満山の総山として満山65ヶ寺を統括していたという寺で、国の重要指定文化財などもあります。
御朱印を頂くときに対応してくださったた女性の方が、とても気さくな楽しい方で印象深かったのですが、今長安時のHPを見てみたらこちらもまた楽しい。説法など聞かせていただける機会があれば、ぜひ行きたいって感じです。

⑧湯の里 渓泉

今回泊まったのは、湯の里渓泉。まあとても静かです。本当に静か。
歩き疲れた体に温泉が気持ち良かったです。

湯の里 渓泉 こんな山々に囲まれています

⑨天念寺・無明橋

川中不動のすぐそばに作られた鬼会の里(資料館がある)で、この無明橋の画像を見たのが興味を持ったきっかけです。
「修験の山、天念寺岩峰群の山頂に架けられた無明橋」資料館でVRで修験者の見た景色を体験しました。近くの方に聞くとその建物の裏手から登れるとのこと。せめて近くに行ってみたいとがぜん興味が湧いてきました。

資料館の屋根の三角部分の斜め上の方を見ていくと小さな橋が見えます。

途中の道には「散策道」みたいな表示もあるし。とりあえず行ってみようと歩き出したのですが……

鎖を頼りに岩肌を登ります
岩肌をくりぬいたところに並ぶ仏像

まあ、私が想像する「散策道」のはるか上を行っていました。
天念寺周辺はロングトレイルのコースになっていますが、それも体力と日ごろの鍛錬があってこそ、です。私はへろへろに疲れて引き返しました……
もっと体力をつけてから行くべきだったと反省(>_<)
*ちなみに無明橋は関係者以外立ち入り禁止なので、ロングトレイルコース
 はその手前で山を別方向に下るようになっています。

⑩天念寺・川中不動

こちらは天念寺の伽藍 六所権現社(現:身濯神社)が特に印象深いです。以前も一度訪れたことがあるのですが、何度見ても圧倒されます。
山肌にそのまま飲み込まれたかのように神社が建っています。

身濯神社
背後には奇岩がそびえている
川中不動
修験者が修行に出る際の出発地点だとか
木造如来

「鬼が仏になった里・くにさき」の鬼の文化をもっともよく伝える寺で、修正鬼会という祭りが有名です。一度ぜひ行ってみたいです!

⑪旧千燈寺跡

旧千燈寺跡は不動山の中腹にあり、現在は六郷満山ふれあい森林公園として整備されています。
ここは今回の国東半島巡りで一番記憶に残った場所です。
しんとした緑深い山の中にひっそりとただずむ仁王像。寺院跡の様子と相まって往時の繁栄を思わせる空間です。

往時の石垣
静まり返った木々の奥に仁王像が見えてくる
半肉彫りの仁王像
静寂の中の仁王像

しんとした木々の中に仁王像の姿が美しく、タイムスリップに誘われそうです。これは絶対に一見の価値ありです!
(本当は奥の院まで歩きたかったけれど、朝からのちょこっとトレイルで足ががくがくな為、断念。)

不動山山頂付近から

不動山山頂の方へは車で行けます。その先の五辻不動まで行く元気がなかったのですが、手前からでも広々とした絶景が楽しめました。なんと姫島や瀬戸内の島々まで一望できます。
この上の写真、中央よりちょっと下の木々の間にあるのは、イギリスのアーティストであるアントニー・ゴームリー氏制作による自身の銅像です。
(ほんとにちょっとしか見えませんけど……)

そして山を少しだけ下ったところに五輪塔群があります。

五輪塔群
五輪塔群

ここは写真でうまく撮ることができなかったのですが、実際はもっと別世界感を感じさせる場所でした。
うっそうと生い茂る木々の間に、無数の五輪塔が空間を埋め尽くすように並んでいます。この一帯はほの暗く、でも静寂の中に内包されたものがあるような不思議な空間でした。
ジブリの映画に出てきそう、という言葉が思わず出てきました。

⑫伊美別宮社

伊美別宮社は海岸近くにあります。
石清水八幡宮の御分霊を勧請し祀られたと伝えられる、平安末期の886年に建立された歴史ある神社です。

狛犬が特徴的
国東半島最大の国東塔

日本に現存する磨崖仏の約8割が、有名な国宝・臼杵磨崖仏群をはじめ、大分県にあります。
そして大分県内の磨崖仏の多くは、ここ国東半島に残されていますから、見所盛りだくさんです。
ぜひ一度訪れてみてくださいね。

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