新卒でITベンチャーのデザイナーをやったら、目的のない「おでかけ」みたいだった
01.自己紹介
現在aumo株式会社でデザイナーをやらせていただいてます、社会人1年生のタケノウチと申します。趣味は散歩です。
具体的な業務としては、aumoのアプリにおけるUIデザインや各種キャンペーンバナーの製作、最近はSQLをよちよち勉強しながら分析や施策立案なども色んなことをやらせていただいています。
さて、今回アウモ株式会社のデザインチームでしっぽりひっそりとnoteを始めることになりました。誰が最初に書くか話し合った結果、気がつけば自分がその大変名誉あるトップバッターに任命されていました。
(とってもうれしい!先輩方!ありがとうございまっす!うすうす!!)
...新卒1年目でひけらかすようなデザインの知見やすげー経験があるわけではないので、「新卒でITベンチャーのデザイナーを1年やってみて」思ったこと、感じたことを書いてみようと思います。
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-GREE株式会社の子会社でおでかけメディア「aumo」を運営しています。
02.最初に挫折した時
さて、本来なら「私はこの1年で以下3つのことを学びました!」みたいに結論からズババッと書くべきなのかもしれませんが、自分はそうではなく、この1年を回想ベースに書いていこうと思います。
というのも特に配属当初は色々と必死で、爆速の開発スケジュールについていくのがやっとでした。なので、その当時の記憶なんてのはほぼなく、なんか色々大変なことあったなーくらいにしか覚えていません。
そんな1年でも、かろうじて記憶に残っていた出来事やあの時の感情を少し思い返してみました。
「新卒研修中の挫折」
これを書く時、最初に思い出したのは、配属前の去年4月にあった研修中での小さな挫折でした。
入社してすぐにGREE本社での研修が1ヶ月くらいありました。5-6人くらいのチームになって、社内の模擬的な問題に取り組み、最終日にその提案をプレゼンする内容でした。
同じチームの同期はみんな自分より何十倍か何億倍もクレバーで論理的な人ばかりでした。もちろん、同じチームに限らずほぼ全員がそう見えていた自分は、自分と同期との能力の差を痛いほど感じていました。
自分は論理的思考が特に強いわけでもなく、圧倒的な当事者意識が強みなわけでもなく、どちらかというと作業者タイプで、決められたルールをもとに黙々とデザイン作業するやつだと思っています。
「あーみんな優秀ですごいなぁ、自分は別に何もできないし、優柔不断のド三流やなぁ、こんなんで社会人なれんやろなぁ。」
なんて、研修中しょーもないことを考えていたら、いつの間にかその優柔不断さが故に、絶対に嫌だと言ったのに、チームのリーダー役をやる羽目になってしまいました。
なんでや。そうゆうとこやぞ。
「うまくいくわけがない」
この後は大体、予想がつくかもしれませんが、リーダーをやりたくない人がリーダーをしているチームが当然うまくいくわけがありません(笑)
チームメンバーどうしで大喧嘩が始まり、
リーダーとしてそれを仲裁しようとするも、
落としどころがわからず、チームは空中分解、
そもそも研修課題のそれどころではなくなり、
チームに分厚い壁ができ、まとまらないどころか、
重苦しい空気で意見も言いづらい雰囲気。
議論は二転三転して振り出しに戻り、まとまらない提案。迫り来る締め切り。
泣き出す同期に、キレだす同期。
見かねた他のチームから助っ人が来て、なんとか提案をまとめたものの、
穴あきだらけのボロボロの提案に、中間発表でダメ出しの嵐、
一向に出ないやる気、とりあえずやってる感、、、(これ人事担当者に見られたらやばいかも)
結局、最終発表での明らかな準備不足と散々な結果。
「挫折」
そう思うにはたぶん大げさで、そんな経験誰にでもあるとは思います。実際自分も学生時代に、まあ似たような経験はいくつもありました。
それらと同じだと思えば、特に気にすることではなかったですし、今思えばそんなに大したことではなかったなと感じられるようにはなりました。
でも、
誰しもが、社会人1年目として綺麗にスムーズにスタートして、大きく成長したい、できればつまずきたくない。と密かに願うように、研修での一連の出来事は当時は少々辛口でした。
「良い経験」というよりも「挫折」の方がたぶんどちらかと言うと正解で、当時は堪えた記憶があります。
でも、もちろん配属は待ってくれないし、デザイナーとしての仕事は始まりました。
03.よくわかんないけど必死だった時
正直に言うと、配属先の「aumo」は内定者アルバイトとして半年ほど働いていたため、割とすんなり馴染めた方だと思います。
メンターについてくださった先輩もアルバイト時代と同じ方でした。他のデザイナーの先輩も優しく、色々とデザインのいろはを教えていただき、忙しくも充実した毎日送っていたと思います。
一番苦労したことといえば「ベンチャーのスピード感」でした。
配属してすぐにメンターの先輩がマネージャーに昇格されたこともあり、aumoのアプリ版デザインはほぼ自分がやっているような状態が続いていました。
さらに、色んな方面の人が足りていなかったので、仕様の決定あたりからPMのような立ち回りもやらせていただいていた時期や施策もちょいちょいありました。
今思えばすごく貴重な経験をだったと思います。
多少きつさはあったものの、圧倒的なスピード感に必死についていきながら、降ってくるタスクをなんとかこなしていました。が、もちろん色々失敗もしました。
去年の秋頃、通知画面のUI改修とPUSH通知の細分化を実施しました。
これに関して自分は、競合のリサーチや仕様の検討、UIへの落とし込みなど広い範囲で中心になってやらせていただいてました。
社内の様々な人の力をお借りして、やっとリリースしたのですが、いざ確認してみると本来遷移すべきところが遷移できていなかったり、、遷移先が違ったり、、いくつかの大きな問題がリリース後に発覚しました。
もしかしたらこれ自体は、人によっては別に大したことないじゃないかと思うかもしれません。ですが、1年目の自分にとっては割と心的なダメージがあって、確認した時は本当に血の気が引いたのを覚えています。
どうやって言い訳しよう、、とめちゃくちゃ頭回転させました。
結果的には各所にすぐ報告して、エンジニアさんの爆速のご対応でことなきを得ました。
この時、
社会人としての「責任」と「信頼」
失敗した時のリカバリー
これらの重要性を改めて実感しました。
正直早い時期に失敗をいくつも経験できたことは、結果的にはよかったと思います。
04.考え方が変わって見え方も変わった時
秋が終わりそうな頃から、アプリのUIデザインとクリエイティブなどの「デザイン」に時間を多く割けるようになりました。
そうなってまず一番に感じたのは、
楽しい。やっぱりデザインが好き。
という実感でした。
それまでは正直溺れかけのような状態で、やること覚えることもいっぱい。好きなはずのデザインに携わっているはずなのに、どこか消化不良の感覚がありました。
この頃に環境が変わり、少しだけ周りが見えるようになって、デザインを楽しむことができるようになると、自然と考え方もポジティブな方向に向けることができました。
-なんとなくこの頃からやっとデザイナーとして働いている実感が湧き始めてきたような気がきます。
少し周りが見えるようになり、デザインを楽しめるようになって、考え方が変わると、モノの見え方も変わっていきました。
-今までちんぷんかんぷんで、空気だった会議でも少しづつ(本当に少しずつ)問題提起や提案ができるようになってきました。
効率悪くても、とにかく実直に、ちょっとずつできるようになるしかない。
成長スピードはもちろん大事にしていきたいが、焦る必要はないのかもしれない。
この時期は少し俯瞰して冷静に、考えることができていました。
05.1年目が終わる時
今振り返ると、1年目の最初はだいぶ背伸びをしていました。
院卒で、大学の同期より社会人スタートが遅かったのも、最初の研修で少しコケたのも、周りに合わせすぎたのも、、まあ他にも色々要因はあったと思います。
慌ただしく変化するベンチャー特有のスピードについていけず、空回りして、大学まで「まあそれなりにできる」と思ってた自分が「できないことばかり」の自分になっていて、そのことばかりに目を向けていた時期もありました。
そもそも自分は、
昔から何か頼まれたら断れなかったり、人の期待に過剰に反応して空回りするくせに、嫌なこともなんとなくなーなーでやるタイプでした。
結果として「人から期待されること」を「自分がやりたいこと」と勘違いするようになり、当然その状態だと結果も全然でない。そんな経験も多くありました。
1年目の最初はその悪い癖がよく出ていた気がします。
今でも、「デザインスキルを極めていきたい」それ以上のやりたいことや具体的な目標が、明確に見えてはいませんが、それに焦る訳でもなくそれで良いと思えるようになったことが1年前と変わったことなのだと思います。
また、1年前には思いもしなかった「リリースノート」というデザインとは別の意外な活躍の場所を見つけることができました。
迷惑かけっぱなしの自分を「信頼」して色々と任せていただき、失敗を経験させてもらえる、恵まれた環境があったからだったと思います。
リリースノートも最初は訳も分からず書いていましたが、最近は落ち着いて思いのままを書くようになり、それが少し認められ、恥ずかしながらプチバズったりもしました。
1年目の最後、年が明けて2月の初めに、aumoで月間MVPをもらうことができました。
効率が悪くて、失敗ばかりで、目の前のことただ実直にやることぐらいしかできない自分が、まさか取れるとは思わなかったけど、実は結構嬉しかったりもしました。
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長くなってしまいましたが、1年目が終わるこの時期に結局自分に何が言いたいかというと。
・自分しかできないことを見つけるのはとても大事
・ベンチャーのスピード感についていけなかった人(私)も結局慣れでなんとかなる(ついていけてるとは言ってない)
・ベンチャー規模だからこそ、トップ層までちゃんと自分を見てくれていて、だから諦めずにやり続けることが大事
・細かいことを気にするのも大事、でもたまには気にしないこともすごく大事(これが一番大事! 笑)
そんなところです。
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2年目は今まで以上に、想定外の出来事をいかに楽しめるかがたぶん大事になってくると思っています。
たとえば、「目的のないおでかけ」を楽しむためには、フラフラさまようことも、ちょっと遠回りしてみるのも、たまにある予想もしなかった出会いも、全部まるっと楽しめるかどうか。みたいなことに似てると思います。
趣味は散歩
だからたぶん、大丈夫。
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