ロイヤルカリビアン・クルーズ コロナ後の業績回復への道
コロナワクチン接種が進み、米国では非常事態から一気に経済活動が再開する機運が上昇しているようです。本題から少しずれ、アマゾンの決算発表が5月にあった。その発表日のカンファレンスコール(電話会議)において、「今年、夏季休暇は(米国民が揃って外出するだろうから)からまあ前倒しし、アマゾンプライムデーを1ヶ月早く実施する」とアナウンスしました。その日に以下のリリースを発出している。
アマゾンプライムデーは6月21,22日
ロイヤルカリビアンのクルーズは7月から再開予定
上の記事中にあるが、米国におけるクルーズ人気は世界と比較し突出している。特に夏季のクルーズは人気だそうで、米国人の約4分の1はクルーズで休暇を過ごしたいと考えているそうである。世界平均を約15%上回る人気ぶり。従って、正常化に向け米市場でも先行的にクルーズ銘柄は上昇した。
上のチャートはロイヤルカリビアン(ティッカーRCL)の日足チャートです。世界的感染拡大に伴いクルーズ船は運航停止となり約120$をつけた株価は10$台まで下落、下落以降は徐々に回復し、直近では株価は下落前の水準であった株価の約70%ほど回復している。ところで、前述のアマゾンプライムデーであるが、例年は7月に実施するプライムデー。しかし、休暇でクルーズなどに出かけると売上を確保できないことが予想され、そのため前倒しするとアナウンスをしていました。
ちなみに、米国の休暇は「ここからここまで」という期間はなく、学校が休暇になる6から8月の好きな時期に有給休暇を取得するのが一般的のようです。特に暑い時期となる7、8月にクルーズなど遠出することが多いようです。現在、ワクチン接種が進み、去年は巣ごもりで出かけることが出来ず、その分今年はその需要が爆発するとされます。そして、クルーズにおいては、カリブ海クルーズが特に人気だそうです。
ロイヤルカリビアン 直近の決算
4月29日に2021年Q1決算を発表しアナリストによる市場予想を含め以下のようになってます。
売上 0.04201億$(市場予想 0.004388億$)
EPS −4.44$(市場予想 −4.61$)
ガイダンスは適切に見通すことができず非開示
なお、前年同期(20年Q1決算)の売上は20.3億$、EPS−1.48$ でした。前年同期においても市場予想に到達していません。が、今年に入り一部路線を除きほとんどの航路では未だ運航していない、従ったさらに厳しい決算となっています。売上がなく、政府援助もないため、会社は融資の返済猶予、新たな融資、従業員の一時的な解雇など、苦しいを経営を強いられた。
本格的な運航再開に向けて
ロイヤルカリビアンは一部航路では既に営業を再開している。
20年11月 カナリア諸島で3隻の船舶が運航(TUIの関連会社)
20年12月 クアンタムオブザシー シンガポールの営業開始
20年本決算時に、 「顧客より非常に好意的なレビューを受けている。これらのクルーズはワクチン接種がすすむ前であるが、現在のCOVID-19環境下でうまく機能できるかの経験を得ることができる。」とアナウンスをしていた。そして5月末に米CDC(国立感染症センター)のう承認がえられ暫定的にクルーズ再開となった。
しかし、本日(6/12)そのクルーズ船から陽性患者が発生してしまった。万全の態勢をもってしても完全に防ぎきれない。今回の患者は無症状ということであり、既に隔離済みとのことです。
多難であるものの、再開したばかりでもある。また、今後のクルーズ人気など足元の景気動向も今後注目する必要があると感じている。