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トレンドを知る…直近のドル円チャートを例に

こんにちは。
 チャートを見て将来価格を予想する場合、思い込みが必ず邪魔をする。根拠なしに上がりそう。下がるかも。大統領選で為替が動く等の政治要因などが価格変動の要因になることはある。しかし、そのような要因を織り込みつつ値動きは一定の動きをします。その単純な動きのじゃまをするのは市場参加者の思惑、そして参加している自分の思い込みだけ。
 ドライにチャートを見みながら、価格予測する手法は一般的であり、簡単に線を引き視覚的に値動きに対峙する分析要領・考え方を紹介します。

価格の方向性がわかる「トレンド」

 トレンドとは、「相場の動く方向」のこと。
 例えば、為替相場の場合。ほとんどの場合は細かい上下運動を繰り返し、一定方向に向かっていく特徴があります。この流れを捉え、それに乗っていくための分析をすることを「トレンド分析」といいます。

 為替相場を予想する上では、

 ・重要なニュース
 ・経済指標    など

を参考にするのも重要です。しかし、チャートを使い「トレンド分析」することで売買のポイントが見えるようになる。
 そして、トレンドの使い方は簡単で、「値動きに方向感がある」そのうえで「順張り」する際に用います。具体的には、

 ・移動平均線
 ・トレンドライン
 ・新値足
 ・ポイント&フィギュア

などが代表的です。今回はトレンドラインについて説明します。

トレンドライン

 トレンドラインの引き方です。めっちゃ簡単です。

 2点以上の下値又は上値同士を直線で結ぶ

これだけ。そうすることで、上昇や下降トレンドなどを判断する。

 右肩上がり ==> 上昇トレンド
 右肩下がり ==> 下降トレンド

となります。例示します

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上のチャートはドル円の日足チャートです。それに対してなんでも良いで前述のように線を引きます。それが右のチャートに引いた赤い線がトレンドラインです。トレンドラインの説明は以上です・・・・
 というのも勿体無いのでもう少し説明します。

支持線と抵抗線

 先ほどの図で、都合よく平行な直線が引けてますが、その上下の線の間をチャートが上下して動いているがわかる思います。
 例示したチャートは、昨年末ドル円が底をついてから上昇トレンド(円安)になった相場で、実際のチャートです。株式など他のチャートでも同じように線を引きますが、外国為替の場合は各種の貿易業者など市場参加者が多いため概ね規則的な値動きをすることが多いので、FX取引の場合は上図のようなラインの範囲で値動きすることが多いです。

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 従って、3月4日に上側の線(上値抵抗線)を抜けて円安が進みました。こうなると上値を取りに行きます。
 しかし、赤い丸をつけた部分で止まってます。そして上がったり下がったりとなりました。この場合トレンドラインをどう引き直すとよいでしょう?

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今度は週足チャートで見てみます。より長期のチャートを見ると、過去と同じような動きをしていたり、過去も同じような価格で値動きが止まってたりします。ここでは、約年間の三つの高値をつけたところが「ぴょん」と飛び出し引っ込められたように見えます。その辺の価格で抵抗してるかもと、あたりをつけます。「もぐら叩き」と一緒で飛び出ると叩かれるポイントがあることに気づきます。

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では、4つの直近高値で水平になるよう線を引くと、去年の4月初旬につけた高値で反応している「かもと予測できます。
 そのように、トレンドライン抜けした後は、直近につけた高値を抜いて新高値を追っていき、新しいトレンドができることがあります。
 直近の為替相場は、当面109円後半を抜け、次のは110円、そこを抜けたら112円に向かって高値を追っていくと予想できます。とはいえ、その線で跳ね返されることもあり、跳ね返されて、直近の高値を下抜けすると、今度は下降トレンドに移行可能性も予見できます。

 では最後に、今現在は「上昇トレンド」であると仮定のもと、下値はどこで支えられるのかを考えます。

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 上値と下値をそれぞれ引き直すと、上値が図のような線ではないか?と気づくことが出来ます。ということは、

 ケース1:もう一段上の上値を追いかける(円安トレンドが維持)
 ケース2:いやいや、下落トレンドへ移行する(円高へ向かう)

などと考えることができる。円高になるということは、下値を追いかけること。逐次値が切り下がっていく。そこで、下値を支える線(支持線)は、直近の下値から予想され、3つあることに気づき図の通りとなる。しかし、実際のチャートはどの線にも触れてません。従って上昇トレンド(円安)が継続しているなどとの判断ができます。

 当面は「新しい上値線」にぶつかり下に動き、また上がっては跳ね返される・・・という相場になる可能性も予見できます。しかし、経済状況などの材料が市場に影響をする場合は、それをきっかけにトレンドは返還します。

トレンドライン以外の相場の読み方

 概ねトレンドラインが、上値や下値の線を引いて相場判断をすることを説明しました。では、トレンド変換するポイントは線だけでは分かりません。トレンドが変化するきっかけが必要、それは

 ・経済指標
 ・金利の変動 など

以上の要素が、その変換する材料となる。

 以降は、トレンドの説明を逸脱します。が少しだけ説明を。
 先日、米長期金利が急上昇しました。この変化が為替は影響を及ぼしているか、チャートを読み解いてみます。

 その前に、普通預金の金利は(日本では)0.01%程度です。アメリカの金利が急に上がると米国の銀行にそのお金を預けたいと思いませんか?実際には為替の手数料などいろいろ面倒な計算をする必要があります。がしかしここはシンプルに金利だけ比較すると、単純に高金利の銀行口座へ資金を移動したくなると思います。つまり、円で持っている資産をドルに変換します。すると、

 ドルが買われる

ということです。通常相場は、

 買い ==> 高くなる
 売り ==> 安くなる

となります。つまり、ドルが高くなるのです。そうすると円は安くなります。お分かりでしょう。円安が長期金利の影響を受けているというになります。上値を抜けたあたりと、長期金利が上昇したあたりは連動してます。
 一方、上昇がストップしてポイントを見ます。今(3月10日)は、金利(米国の10年債)は落ち着いてます。むしろ下げてます。そうすると、円が安値を追えなくなります。また、米10年債の利率が横ばいに推移し始めると、ドル円は一定の水準で推移を始めます。

 このように為替を予測する場合は、トレンドラインを引いて予測するとともに、経済指標などをチェックし通貨の相対価値が上がったか、下がったかを判断することになります。

ここまで読んで頂きありがとうございます。