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AB社コラム第59回:投資で負けない具体策①〜リスクとリターンの原理を理解する

前回は、90年近く「預貯金こそ美徳」「投資はいかがわしいもの」と刷り込まれてきた、至って真面目な“優等生”も、投資せざるを得ない状況になっていることをお話しました。

今回からは、そんな優等生のみなさんが、投資市場で負けない具体策についてお話していきたいと思います。


作戦1:リスクとリターンの原理を知る。

投資には「リスクとリターン」があります。

高いリターンを得る可能性がある投資対象は、大損をさせられる可能性もあります。逆に低いリターンの投資対象が暴落する可能性は低いです。

このように、「どうなるかわからない度合い」がリスクです。

この場合の「リスク」とは、単に「危険」「危ない」「怖い」とは違います。良いことも悪いこともひっくるめて、どうなるかわからない度合いです。

例えば、ハイリスクな学生は、100点を取ることもありますが、赤点を取ることもあります。ローリスクな学生はいつも70点くらいで、落第はしませんが表彰されるようなこともありません。

ハイリスク・ハイリターンとは?

これを株式投資で考えると、ハイリスクとは「すごーく儲かるかもしれないけど、暴落して大損するかもしれない」ことです。ここ10数年ブームだったスタートアップ企業の株を買うことはこれにあたりますね。

リスクが高い企業に投資するからには、要求するリターンも高くなります。これが「ハイリスク・ハイリターン」です。

逆にローリスクを求めるなら、ハイリターンは諦めることになります。いわゆる有名どころの大企業の株価が、いまさら数十倍に膨れ上がることはあまりありません。そこそこの値上がり益と安定した配当を享受できれば良い、ということになります。

「リスクはゼロ」なら「リターンもゼロ」。

しかし、多くの方々がこの「リスク」をあまり理解していません。「自分のリスクはゼロであるべきだ」と強く確信している人も多いです。そもそもゼロリスクということは宇宙中を探してもないのですが、仮にあったとしても、リスクがゼロならリターンもゼロです。1ミリも儲かりません。

それを理解せずに「必ず上がる」「損はしない」などの虚言を真に受けて買って、それで損をする。そして「やはり投資は怖い」と周囲に言いまくる。

リスクとリターンの原理を知っていれば、そんな体験談を堂々と話す人たちに投資市場で負けないようにすることは、それほど難しいことではありません。

作戦2:半分に減っても仕方ないと思える資金を用意する。

しかし、投資マーケットには、リスクとリターンの原理をわからない人たちばかりがいるわけではありません。百戦錬磨の猛者たちも蠢いています。

そんな猛者たちに「巻き上げられない」ようにするには、リスクとリターンの原理をわかったうえで、

「仮に半分に減っても仕方がないが、逆に増えたらうれしい」と思える金額の資金を用意しましょう。

この金額は人によって違います。投資で100万円減っても「良い経験をした」と思う人もいれば、逆に100円でも「なくなって良いなんてありえない」という人もいます。

つまり、投資を始めるときに大事なことは、他人ではなく自分自身がいくら投資できるかを決める必要があります。

他人と比較せず、自分で投資金額を決める。

証券会社の口座を開設し、銀行から「仮に半分に減っても仕方がないが、逆に増えたらうれしい」と思える金額を口座に移しましょう。そして再度マイページなどでその金額を確認し、半分になることを想像します。

その時に悲しかったり憤ったりしそうだと感じたら、その金額はあなたには多いので、すぐに減額します。

ここで決して他人と比較してはいけません。「周りの人たちがこれくらい投資しているから、自分も」という考え方はダメです。

優等生の方々は「他人と同じでないとカッコ悪い」と考えがちですが、それを投資では捨てましょう。自分の投資金額を自分で決めることが、投資で負けない第一歩です。

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