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住宅ローンは変動金利の独り勝ちってホント?③

 お世話になります。仙です。住宅ローンは変動金利の独り勝ちってホント?③ということで、今回は金利変動時の返済額の変化を見ていきます。
 金融機関のホームページに跳べば、自分でも簡単にローンシミュレーションができます。画像は三井住友銀行のホームページです。

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 また、「元利均等返済 Excel」でググれば、PMT関数の使い方などもすぐ分かります。手間はかかりますが、FPなどにシミュレーションを依頼して回答を待ってる間に、自分でできてしまいますから、頑張ればその分他の相談に時間を回せるかも?

 再び、初回で使いましたので三菱UFJ銀行のホームページを使って説明します。

 住宅ローンは金融機関の定めた店頭金利があります。
下図は三菱UFJ銀行の12月の店頭金利一覧です。どうでしょうか?高いですよね。

 各銀行で呼び方は違いますが、どの銀行も「住宅ローンキャンペーン」のキャンペーン優遇金利を用意しています。上図のような各銀行ごとの店頭金利から、各銀行ごとに定めた金利優遇を行うわけです。
よく見る形は下図のような形式ですね。
変動金利は全期間優遇で、『完済まで店頭表示金利より-2.00%』となっています。この意味は、今は変動金利の店頭金利が2.475%ですので、
2.475%-2.00%=0.475% で借りられますよ、ということです。この店頭金利から優遇幅を差し引いた0.475%を、出来上がり金利と呼ぶことにします。
優遇幅2.00%ですから、変動金利の店頭金利が3%の時は出来上がり金利は1%となります。
住宅ローンは変動金利と固定金利を選択できる、双方向型のものを準備している銀行が多いです。全期間優遇ということは、変動金利から固定金利へ切り替えた際にも適用されます。
固定10年に切り替えた際、固定10年の金利が3.52%だった時。優遇幅は2%ですから、出来上がり金利は1.52%となり、次に金利が選択できるのは10年後となります。ここまで大丈夫でしょうか?

 上図を見ると、最初に変動金利を選ぶと、完済まで店頭表示金利より-2.00%です。下図を見てみましょう。固定3年、固定10年、固定20年で、それぞれ固定期間が終わった後の『店頭表示金利より年-○.○〇%』のところが違いますよね。3年固定金利は-1.75%、10年固定金利と20年固定金利は-1.5%という感じです。

 先ほどの要領でそれぞれ固定期間が終わった後に10年の固定金利(店頭金利3.52%とする)を選んだとしましょう。
・固定3年   ⇒ 3.52%-1.75%=1.77%
・固定10年と20年 ⇒ 3.52%-1.5%=2.02%
このように、当初の優遇幅が違う為にその後の金利にも違いが出てきます。

 こんな条件で返済額を比較したいと思います。
<前提>変動金利はローン開始時2.475%。金利は6年目、11年目、16年目に+0.5%ずつ上昇し、その後変動しない。要するに15年後には変動金利が3.975%になるということにしまして
①変動金利 0.475% 全期間優遇-2.00% 
 出来上がり金利 6年目~0975%、11年目~1.475%、16年目~1.975%
②当初固定金利10年 0.87% 全期間優遇-1.5%
 出来上がり金利 11年目~1.975%、16年目~2.475%
③フラット35S ~5年目1.00%、6年目~10年目1.25%、 11年目~1.5%
この3パターンでシミュレーションしてみます。

金額単位:円

 上図のような感じになりました。並べてみると、10年固定を選ぶメリットは無さそうで、変動かフラット35Sを選ぶ人が多そうですね。
10年固定の存在意義は?と考えてみると、「すぐにでも金利上昇していきそうな時に、10年間住宅ローン控除を受けた後、10年後には完済する」こんな条件であれば、メリットはありそうです。・・・この商品、無くなりそうですね。
金利が変動するロジックは前々回をご参照下さい。

変動金利は景気が良ければ上昇しますが、景気が悪ければ下落します。
ですので「急激な金利上昇かつ高い金利で定着しない限りは、変動金利が有利」ということは言えそうですね。
維新の会の藤巻議員が仰るように、日本国債の信用失墜からハイパーインフレが起こるような時には、変動金利は勿論大変になります。
また、フラット35も現状程度の低利ならば、勝負にはなりそうですね。

 今後、金利情勢の変化や銀行自体の収益構造の変化に伴い、優遇幅が変更されることは十分考えられますが、当初条件が変わることはありません(潰れない限りは)。日本が恒常的なインフレ国になる可能性もゼロではありませんし、ハイパーインフレの可能性もきっとゼロではありません。
さはさりながら、結論的には現状では「変動金利の独り勝ち」は、あながち間違いとは言えなさそうです。

長々とお読みいただき、有難うございました。
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