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海外不動産投資tips

 確定申告時期は税理士さんとのコミュニケーションが多くなります(残念ながら私の納税の話じゃないんですが(;´・ω・))。
今年聞いた話の中でインパクトがあった話は、個人の海外不動産購入の話でした。

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 「いやー、私の顧問先のお客さまで、買っちゃった人いましてね。利回りもあんまり高くなくて。」

 へーそうなんですね。利回り高くないと大変ですね。加速度償却終わっちゃいましたもんね。

 「そうなんですけど、躯体は短期間で償却することは出来ないんですけど、設備を短期で償却するという話で。何十年も経ってる物件だから躯体に価値は無いから、不動産の価格を構成してるのはほとんど設備っていう論法なんですよね。」

 ええええそんなの許容してもらえるんですか!?

 「ダメとも言い切れないし、これはどうなるかわからないですね。お客さまも、キャッシュで、お試しで買っちゃった、っていうことだったんですけどね。税務調査で物言いがついたとしても、このくらいのペナルティっていうのも分かってますので。」
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 というようなやり取りだったのですが、まず「加速度償却」については、中古資産の減価償却で簡便法を選択すると、ざっくりと
・法定耐用年数を経過している場合は 法定耐用年数×20%
・法定耐用年数を経過していない場合は 残存耐用年数+経過年数×20%
※どちらも小数点以下切り捨て
この計算で出てきた数字を耐用年数とすることができます。
耐用年数が分かったら、建物と付属設備は定額法で償却することになります。この辺は以前の記事をご参照いただけますと幸いです。

 例えば木造の耐用年数経過物件を購入した場合、上述の計算式で計算すると、新たな耐用年数は4年です。
 日本の建物は、四季+地震という過酷な環境変化に晒されるが為に建てた瞬間から価値を落としていきます。よって、不動産の価格の内訳は、土地建物では土地の方が大きくなるケースが多いです(土地値が安いところではその限りではない)。
 一方で、日本人に紹介される海外の不動産の場合、不動産価格の多くを建物が占めています。温度変化がなだらかで梅雨も無く地震も無い…ということから、建物が価値を落としません。ヨーロッパでも〇世紀の建物に人が住んでいる様子、見たことありますよね?日本では考えられないことですが。例えばカリフォルニアあたりでも「築40年も経っているなんて、なんて素晴らしい建物だ」というような話になるそうです(未だに眉唾です(;´・ω・))。
 1億円の不動産を買いました、4年で償却しますという時に、建物価格4000万円なら1年あたり1000万。建物価格1億円なら1年あたり2500万の減価償却になるわけですね。
なお、内訳は土地の固定資産税評価額+建物の固定資産税評価額=100%として、割合で按分します。土地:建物=6:4なら、購入価格1億円の時は土地6000万、建物4000万、という感じです。
長くなりましたが、これが加速度償却、と呼ばれるものです。新品だと何十年耐用年数があるものを中古で取得して極めて短期間で償却する。所得税の節税にとても有効だったんですね。
 
 しかし、これは税制改正によって個人ではできなくなりました。そもそも日本の建物よりも耐用年数が遙かに長い物件なんだから、そっちに寄せるべきだろ、ということで。なので、中古なのに耐用年数が長くなります。耐用年数が長くなると、減価償却費が低くなり、家賃から支払われる税金が多くなります。

 そこで、海外不動産の仲介業者は、不動産の価格の内訳の中で、家具やら付属設備の割合をマシマシにして、少しでも単年あたりの減価償却費を取れるようにしたんですね。
国税庁の償却率表をご参照ください。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_01.pdf

 見ていただくと、それらの耐用年数は長くて15年ということになっていると思います。まあ、これが良いか悪いか…という話が、冒頭でやり取りされていたわけですね。良く考えたものですね(;´・ω・)

 ちなみに新築のマンションなどは、付属設備の割合を業者さんに聞いたところで、マンション販売の利益率の話にも繋がるので、まず答えてくれません。30%くらいで設定されたとしても、おかしいとは言えないそうです(絶対にセーフとも言えない)。これから取得される方はその辺り税理士さんと打ち合わせをして決めていかれると良いかと思います。

 とりあえずは、設備マシマシ作戦が上手くいくことを祈念しております。もし本稿を読まれて挑戦されたい方がいらっしゃったら、是非結果どうなったか何年後かに教えていただきたいですね。私はお勧めしませんが。

 以上。聞きかじりのtipsでした。

お読みいただき、ありがとうございました。

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