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金融個人営業の案件の作り方②

 お世話になっております。仙です。財産コンサルティングをやっています…というのが長ったらしいので、FP兼IFAと名乗ることにしました。
結局、銀行勤務時代にお客様に評価されていたのはアドバイザーとしての役割だったようで、銀行を辞めても同じことをしています。『金融資産を管理して欲しい』などの需要に応える為に、業務委託IFAにもなりました。そうしないとお金預かれませんからね。

 さて、金融個人営業の案件の作り方②です。前回は顧客にもステークホルダーがおり、各ステークホルダーは役割を持って顧客を中心とするチームに参加していることをお伝えしました。そこで、ステークホルダーを把握し、どの役割が弱っているのか?物足りないのか?を分析して、それをサポートする形で顧客を中心としたチームの中に入っていくと、それが顧客の悩み事を一つ解決する形になるわけです。
前回の話はコチラ↓

 大事なことは、いきなり自分がステークホルダーAに代わるとか、関連会社や専門家を紹介してステークホルダーAを代えるということではなく、協力関係を築いていくことです。

例えば。

【お客さま全員が税理士とのコミュニケーションを完璧に理解している】

これ、あり得ると思いますか?
そういう人がいないわけではないですが、稀でしょうね。少なくとも私の経
験の中ではほとんどいません。そもそも『正規の簿記手続きを経て確定申告している個人事業主は3割にも満たない』と税制改正大綱でも指摘があるくらいです。「理解している」と主張する人ほど、部分的な理解をしているだけで、しかも変にバイアスがかかっていたり…ということは大いにあり得ます。
さらに、顧問税理士とのコミュニケーションの頻度は、そんなに多くはありません。毎月1回の人もいれば、何ヵ月かに1回、1年に1回確定申告の時だけ、と人によって様々です。余裕のある税理士は中々おらず、ましてや決算期の税理士はとても忙しく、その1回の面談も要するに税務の話が占めるわけです。丁寧に話をしたつもりであっても、その1回でお客さまが理解できたとしたら、きっともっと多くの人が税理士になっているでしょう。
税理士が若ければ説明を要求できもしますが、もし高齢であった場合は、「説明して欲しいけど、歳だからなあ…説明してもらっても何言ってるか分からない…」ということまであり得ます。
困ってる、けど付き合いがあるからどうにもならない。
そこで、お客さまと税理士の間に入って通訳を行う人がいると、非常に助かるわけですね。
間に入って「代わりに○○先生に確認してみます」「○○ということでした」という具合に、潤滑油的な動きを続けていれば
「所得、もうちょっと下げられませんか。資産管理会社に物件を移転するのはどうですか?こちらでシミュレーションしてみたのですが、先生の目からみていかがでしょうか?」
という風に、案件を始めるのもスムーズになります。

このように、顧客のチームのウィークポイントを見つけ、助けてあげる。
顧客とそのステークホルダーAの間に入ってサポートする(※ステークホルダーAが当方よりも高い頻度で顧客に接触することが無い前提)。
この方法が有効なのは老齢になった税理士や不動産管理業者などなど。あるいは気軽に相談できない関係性ながら、切ることのできないステークホルダーに対して、顧客との間柄も大切にしながら、負担も引き受けてあげる。
顧客もステークホルダーも助かるので、色々と話もしてくれるようになるし、本当に助かっている場合「実はこっちでも困ってて…」という展開もあり得ます。期待してはいけませんが。

ということで、顧客のチームに参加するアプローチを紹介致しました。各金融機関が、それぞれのグループで顧客を囲い込もうとして【利益の極大化】を狙っている昨今ですが、これがなぜ上手くいかないのかというと、何度も言うように顧客にも様々な機能を持ったステークホルダーがいるからですね。ステークホルダーとの関係を切ってまでは、金融機関グループの中に入りたくは無いわけです。
ステークホルダーが弱っていく内に、結果としてグループの機能で全部代替した、ということは勿論あり得ますが、簡単に「税理士変えればいいじゃないですか。紹介しますよ」が通じない場合は多々あるわけです。

次は、データからの案件化をテーマに書きたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。
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