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UK Amapiano、及びFunkyamaそして南アフリカがUKダンスミュージックに与えた影響について

audiot909

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最初にその存在に気づいたのはなんだったか思い出してみると、やはりScratcha DVAのリリースだったはずだ。
Hyperdubから2021年2月にリリースされたEP「& BAGA MAN EP」は2020年一年間を通してAmapianoを研究してきた自分にとってあまりに衝撃だった。
明らかにAmapianoの影響を受けながらもUK独自のエッセンスが加わった未知の音像だったからだ。

特にアマピアノの影響を色濃く感じるのは一曲目で、まず再生して驚くのがBPM124という速さだ。
ずいぶん速い。
南アのアマピアノの多くはBPM113前後で作られていることを考えるとこれはもう破格の速さだ。
0:15~からログドラムというベースが入り、そこから更に0:30~でUKスタイルのベースラインが入る。
南アフリカのダンスミュージックがUKスタイルに昇華された瞬間を提示され「そんなのアリかよ!」とひっくり返った。

このリリース以降、フィーチャリングされていたRazzler ManやDJ Polo、LR Groove、Karen Nyame KGなどといった周辺のリリースをチェックするようになった。
そこで気付いたのがUKでは今、AmapianoやGqomといった南アフリカのダンスミュージックからの影響を受けたプロデューサーが増えつつあるということだ。

プロデューサーがいるということは当然DJもいる。
次に気付いたのがUKではAmapianoがUK Funkyなどいった近しいジャンルと共にプレイされていることだ。
自分にとって既知のジャンルのはずのアマピアノが未知の解釈をされていることにとても驚き興奮した。
次に聴いてほしいのがDJ PoloとEuropean305がRinse FMに提供したミックスだ。

やはり速い。最初はアマピアノからスタートするのだがこの時点でBPMが120以上出てる。そしてそのままUK Funkyやトライバルなハウスに繋がっていくのだがこのスムーズさにとても感心した覚えがある。
一年間南アフリカスタイルのアマピアノを追いかけていると固定概念のようなものが出来上がってしまい、他ジャンルとの接続というのもその内出てくるかも、ぐらいの気持ちでいたところ、あまりに見事な融合で脱帽した。
しかもあのRinse FMでプレイされたということはすでにこのムーブメントは結構大きいもののなのかもしれない。

Twitterで投稿された時には「Funkyama vs Amapiano guest mix」というタイトルが付けられていており、どうしても気になった自分はこのようにUKのプロデューサーに問いかけた。

そうするとUKのプロデューサーからこのような返答が返ってきた

ここでもやはりEuropean305の名前が出てくる。
どうも彼らがFunkyamaの提唱者のようで去年の3月に作られたジャンルでありアマピアノとファンキーハウスに影響されているもののようだった。

ここでUKでもAmapianoが流行り始めていて、しかも独自の進化を遂げようとしているという確信を得ることが出来た。
じゃあそもそもいつからUKでアマピアノが知られるようになったのか調べていたらこの記事にたどり着いた。

「The Face Of UK Amapiano」まさにうってつけのタイトルだ。
その中で気になった情報をピックアップしておく。


「イギリスの南部アフリカン・ディアスポラのコミュニティもこのサウンドを受け入れており、Prince Kaybee、Kabza De Small、Vigro DeepをフィーチャーしたGrillyardUkのヘッドライン・ショーはイギリスで完売しました」
「数々の賞を受賞しているFistozは、Amapianoというジャンルを専門とする最も有名なDJです。彼は南アフリカの強豪Vigro DeepやKabza de Smallと共にイギリス、アイルランド、スコットランドでDJをしてきました。
Fistozは現在、誰もが無料で楽しめるAmpianoフェスティバルの開催に向けてクラウドファンディングを行っている。」

すでにカルチャーとして根付きつつあるといったところだろうか。
記事自体は2020年8月に書かれたものだったので今はもう少し知名度が上がっていてるのかもしれない。

記事を読んで思い出したのが以前イギリスでは南アフリカからのディアスポラが結構いて文化的にも影響を与えているという話を聞いたことがある。
UKではジャマイカからダブやサウンドシステムといったカルチャーが輸入され大きな影響を与えたというのは周知の事実だが、南アフリカとの関係は多くは語られていないように思う。

訳すると「ロンドンのクラブカルチャーとハウスミュージックにグッドバイブスを注入した南アフリカに感謝します」といったところだろうか。
そう、スクラッチャはかなり早い時点で南アフリカのダンスミュージックを取り入れて独自のスタイルを作り上げることに成功している。
それについてはこの記事ですでに紹介されているので興味があればぜひ一読してもらいたい。

また、ここまで触れることが出来なかったがJulsもまた重要なリリースを数多くリリースしておりチェックしてほしい。
南アの女帝BusiswaとJaz KarisをフィーチャーしたUK産のアマピアノとして素晴らしい成果を出した例だろう。

ここで告白しておくと自分はこのカルチャーがどの程度の大きさを持ったものなのかは正確には把握していない。
一部のマニアが反応している程度なのか、もしくはUKダンスミュージックにとって新たな常識といったレベルなのか。
ただDonae'Oのような著名なラッパーがこのようなプレイリストを作っている辺り少なくとも「次に来るジャンル」程度の認識はされているのではないだろうか。

最後にIkonikaとScratcha DVAの素晴らしいDJ Mixを紹介してこの記事を終わりにしたい。

Ikonikaはこれまでもアマピアノを使ったDJ Mixは出していたのだが最新のミックスは最初から最後まで正統派のプレイで素晴らしいアマピアノを聴かせてくれる。

次にScratcha DVA。
Resident Advisorに提供したミックス及びインタビューは今回の記事にあたってもうほぼ答えのようなものだろう。
序文でこのように紹介されている。

「このRAポッドキャストは、Scratchaが「南アフリカのダンスミュージックがあらゆる種類のUKダンスミュージックに与えた影響」と語る、南アフリカのサウンドへのトリビュートです」

そしてこれは本当に手前味噌で恐縮なのだが「audiot909 - Rasen(KΣITO Remix)」がこのミックスで使われている。南アのUK解釈に注目していたところに、このテーマのミックスに収録されるとは夢にも思わなかった。
改めてScratcha DVAとKΣITOさんにはお礼を申し上げたい。

今度こそ最後にUK AmapianoやFunkyamaの主なトラックをプレイリストまとめておいたので興味のある方はぜひ参考にしてほしい。
自分にとってUK Amapianoを発見した時に得た驚きや興奮をこの記事を読んだあなたにとっても訪れることを願っている。

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