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Real Cable TDC200 CAT150 スピーカーケーブル レビュー♪

フランスのオーディオアクセサリーメーカーReal Cableのスピーカーケーブル。Amazon.co.jpやヨドバシのレビューでびっくりするくらい絶賛されていたので、フレンチオーディオ好きとしてはいてもたってもいられず購入してしまいました...( ੭ ・ᴗ・ )੭♡。

✅Real Cable TDC200 スピーカーケーブル

今回はエントリークラス向けの切り売りスピーカーケーブルから2種類を選んだのですが、先ずは上位モデルのTDC200から。TDC200/TDC300/TDC500と同一形状・素材のシリーズで一番細いモデルです。導体はとても細かなOFCを撚り合わせた多芯2SQケーブルで、被覆の間にバンドを挟んだ茶色い半透明のビニール素材はオランダ van den Hul製スピーカーケーブルの構造に良く似ています。

各所のレビューから低域寄りなのかと思ったのですけれども、所詮2スケアですしそうでも無いですね。強いて云えば中域寄りのややカマボコバランスで、相対的に高域が大人しいイメージ。リラックスした穏やかさが支配的な艶やかで明るめの表情が耳に心地よいです。弾力的で耳当たりの優しいソフトな音色。ピアノはアタックが丸く、ソフトペダルを常に軽く踏んだみたいな印象になります。音色の色彩的にはOFC純銅線で茶色い被覆から銅色丸出しなのかなのかと思いきや、光沢と透明感のある脱色系です。

Real Cable TDC200 スピーカーケーブル

良く聞くと音像の音の芯の部分は結構硬質&タイトできめ細やかな動きと表情が聴こえ、聞かせどころが上手いというか、繊細な音楽表現力はなかなかどうしてありそうな感じですけれども、音像の回りに柔らかい響きが豊潤にまとわりつく感じを艶やかな美音と受け取るか?うざい付帯音に感じるか?で意見が分かれそうなタイプ。響きが音像に纏わるぶん(注:そちら側に情報が振り分けられている)、間接音成分など音場の空間表現はごっそり抜けてしまうような...( ³△³ ).。o。総じて弾力性のある半透明のビニール被覆の素材感が思いっ切り乗ってる感じの極めて優しく甘い音であり、キンキンした嫌な音は一切出しませんので長時間リスニングには向いていると思います。

面白いのはヴァイオリンとか高音楽器が艶やかで基音がスーッと伸びるところ。やや弦がビニール臭いですが。音場空間とか高域方向の可聴帯域外へのレンジ感はスポイルされているのに、楽音帯域の高域は適度に抜け出すような伸張感があったりします。弾力感とかソフト感は低域方向に行くほど強まる感じで、相対的に高域はそうでも無いって事なのかも。

弱点は価格相応のやや中途半端なクオリティと情報量でしょうか。Hi-Fiとかハイスピードとか解像度といった方向性とはかなりベクトルが異なるな感じで、かといって濃厚なアナログライクかと云えばそれとも全く違う。この「音の歪みや痛さとは逆方向の」癖が結構強く耳に残ってしまい、テレビや他のシステムの音までもが暫くかなりビニール柔らかくなって聞こえてしまう。。。エージング前のTDC200で暫く…といっても十数分くらい聞いていたら、ビニールっぽさが耳に残って続きの音質評価がまともにできなくなってしまったので、潜在的には相当個性が強いタイプなのかも知れません。相性としては、普及価格帯で歪みっぽかったり、聴き疲れするほど高域がピーキーなシステムや、オーディオ的な作られた高音質から脱却したい場合には、TDC200/TDC300/TDC500の特徴となる、音楽的指向の強いまとまりある音質傾向は使えると思います。

✅Real Cable OTT60 光デジタルケーブル

Real Cable OTT60

以前、同社の光デジタルケーブルReal Cable OTT60の音楽性が高く、PMMAファイバーにもかかわらず、クリアで低域に厚みもありなかなか良い音だったのでTDC200にも期待していたのですが、思っていた音とは違う感じでした。

元々はフォーカルやブラムなど、フランス車(シトロエンC4)×フレンチオーディオシステムで揃えているカーオーディオ用途に購入したのですが、音が篭もりやすいカーオーディオでは音質的に合うとは思えないので採用は見送り。しかし、Real Cable TDC200のこの柔らかく優しい音色と音楽性を活かす形で、今現在は小音量でBGM的な使い方が主になる寝室のサブシステムVictor EX-A1×DENON SC-M53の間に繋げています。

そう云えば、TDC200のこの個性の強さと弾力感はハイエンドスピーカーケーブルのEnsemble HOTLINEに何処か似てる。もちろん、クラスが全然違いますので情報量や力感なんかは大幅にスケールダウンではあるのですけれど、低価格帯ながらハイエンドオーディオにもある特異性と云いますか。それっぽい個性的な音が出るという点ではなかなか面白いかも。・・・こう言う特徴のある音色ってのは合うスピーカーにはきっと合うと思うんですよね。


✅Real Cable CAT150 スピーカーケーブル

こちらはうってかわって同社エントリークラスの激安ケーブル。導体はOFCで太さは1.5スケア。多芯線の巻き方向は左右で同じですが、TDC200と違い時計回り。面白い事に片側だけが銀メッキされています。プラス側をメッキ無メッキどちらで揃えるかで音質がぷち変化しそうですよね。とりあえずこちらも方向性指示に従って上でプラス(赤)を銀コート線にして繋げてみました。

RealCable CAT150

それなりにスピーカーケーブルとしてのこだわりを感じるTDC200とは違って見た目はほんとうに素っ気ない作りです。バッと見の外観はホームセンターで売られている最下層切り売りスピーカーケーブルと同じ\(^o^;)/。こちらも多少ベタベタしたソフトビニール被覆の影響が強いのか、音的には帯域が下がるほどに弾力的な柔らかい傾向で、その部分はTDC200と癖がずいぶん似てます。ここはやはり同じMade in Franceで同一製造元によるラインナップらしい印象。ただ音の出方としてはCAT150の方がフラットで素直な音質。TDC200ではあまり感じなかった撚り線的な滲みがかなりあり、高域方向はTDC200よりも抜けが良く、ハイスピードで硬質感があります。ピアノがカンカンする感じです。低域方向は相対的に遅れ気味で少しナヨナヨしていますが、中域~高域の当たりはザックリしていてOFCと云うよりもややタフピッチ臭がするような正直やや粗めの音質。エージング不足の初期状態では歪みっぽさがあるとも云えますが、何気に心地よいカンカンなのです・・・でも暫く使い込むとマイルドになってしまうのかな...( ³△³  ).。o Real  Cable CAT150も音像描写系で響きと間接音成分の情報量は少なく、空間の広さや音場感は出にくいかも。音色はこちらも脱色系です。

情報量は価格相応。音楽性は高くも低くも無く中庸。TDC200に比べると少し求心力は低いですが、あちらはマイルドな女性ボーカルやシャンソン、フレンチポップスやクラシック音楽向きなのに比べて、CAT150は、ジャズやロックまで楽しめる粗野さがチラチラ感じられます。

抑もはこれもカーオーディオでフロントに使っているフォーカルのツイーターTIS1.5用に購入したのですが、超高音質スピーカーケーブルではありませんが、高域方向は硬質でパリッとしていて輪郭が出てるのでこれならまぁ・・・バイワイヤリングの高域用スピーカーケーブルとして使う前提でまあまあ良さそう。ただ、低域方向は弾力的なマイルド感が支配的で、ボリュームも解像度も足りないと思います。実売500/m以下のケーブルとしてはそこそこイケてると思いますが、実売1000/m以上のケーブルと比較されると質的に苦しいのではないかと。

✅まとめ♪

リアルケーブル社の安価なスピーカーケーブルを2種類使ってみて、お安い方が自分の好みだったのは意外でした。でも長く使うにはもう少し上のクラスのスピーカーケーブルの方が良いと思います。このクラスはReal Cable的フランスのエスプリ感が肌に合うか見極めるためのお試しクラスですね。オーディオアクセサリー誌の福田氏に高解像度系と書かれている電源ケーブルのCitrine PSOCC-2も購入してみたいのですけれども、価格.comで個性が強すぎるとディスられていたのでちょっと躊躇している自分がいたり。でも、結局イロモノ系のケーブルが好きなんですよね、、、わたし\(^o^;)/。そんな感じで結局Citrine PSOCC-2も入手。こちらはサブシステムの第2電源系統で不動のリファレンスになっております。

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