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ビジネスチャットにおけるパブリックチャネルの利点

パブリックチャネルとは?

ビジネスチャットには、誰でも登録されているメンバーが参加できるパブリックチャネルという機能があり、パブリックチャネルに参加すれば、そのチャネルの閲覧および検索ができるようになります。パブリックという名称ではありますが、ビジネスチャットのワークスペースやチーム内でのパブリックという意味であり、インターネット上の誰でもという意味ではありません。

電子メールの場合、複数のメンバーで同じ情報を見るために、メーリングリストというものがありますが、途中から参加したメンバーは、過去に送信されたメールを閲覧する機能が提供されていない限り、過去のメールを閲覧することはできず、また、どんなメーリングリストが存在するかについてもメーリングリスト一覧が別に作成されていなければ、確認する術がありません。パブリックチャネルは、こういったメーリングリストの仕組みというよりは、掲示板のような誰でも閲覧可能なものが、チャットの形になったと理解した方が近いかもしれません。

招待したメンバーのみ参加できるプライベートチャネルに比べ、パブリックチャンネルはどんな点で優れているのでしょうか?パブリックチャネルの利点を考えてみたいと思います。

利点1. 人を巻き込み易い

会社組織の大部分は、チームワークがあってこそ達成できるものが多くあります。また、多くの場合、そのチームワークは単一の部門で簡潔する訳ではなく、複数の部門の協力を得ながら達成されるものです。よって、関連する人をうまく誘い込むことがビジネスを行う上で重要になってきます。特に他部門と協力する場合、誰がキーパーソンなのか把握するのが難しかったりします。パブリックチャンネルの場合、誰もが誰でも招待することができるので、業務やプロジェクトに関係がある人を適宜、追加してもらうことで、より効率的に物事を進めていくことができます。この誰もが気軽に誰でも招待できる機能により、より多くの人を巻き込むことにつながり、業務やプロジェクトの進行がよりスムーズになります。

プライベートチャネルの場合、管理者に必要な人を追加してもらわなければいけないため、誰が適切かわからない場合は、取り急ぎの連絡係を登録したりして、必ずしも、適切な人が登録されていない状況にもなりかねません。

利点2. 過去の経験を伝えられる

日本の企業で勤務している場合、部門異動は、社会人生活の中で何度かは経験するものだと思います。その際に、どれだけ、引き継ぎ作業を綿密にしたとしても、どうしても漏れてしまうもの、また、短い引き継ぎ期間では、過去の経験談をすべて伝えるのは難しいものです。しかし、業務のチャネルをパブリックチャネルとしていれば、そのままチャネルに所属し、流れる投稿の中で、過去の経験を語れる場合は、それをその際に伝えることができます。これにより、文書に残しづらい過去の経験という資産も必要に応じて伝えることができます。大抵、人は誰でも自分が所属した部門がその後も順調に発展して欲しいと願うものだと思います。そういった人にゆるくではありますが、引き続き関与してもらうことは、業務を継続的に行なっていく上でプラスになると考えます。

利点3. 必要な情報を能動的に探せる

パブリックチャネルは、誰もが自分の意思で、チャネルに参加できるようになります。また、パブリックチャネルは誰もが検索することができ、必要に応じて参加するしないの判断ができます。よって、情報をパブリックの状態にしておくことで、必要な場合にメンバーが情報を探しに行き、有用であれば、購読するという能動的なアクションをメンバーに促すことができます。

例えばですが、Microsoft Excelの便利な使い方といったチャネルがあった場合、普段良く、Microsoft Excelを利用し、色々な便利な利用方法を知りたい人が、そこのチャネルに登録し、特に利用方法を知る必要がない人は、参加しないというように、誰にどんな情報が必要かを第三者が決めるのではなく、メンバー自身が必要な情報の取捨選択を行い、必要な場合は、能動的にアクションを起こすことを促進することができます。

利点4. キーパーソンや影の貢献者を見つけられる

パブリックチャネルの場合、誰でもどのチャネルにでも参加できるようになります。これにより、部外者でもチャネルに参加し発言することができます。通常、人は、人助けをしたいと思っていますので、適宜アドバイスやフィードバックなどを提供します。そういったサイクルが回るようになると、業務を回す中で、部門内のキーパーソンだけでなく、直接的に業務とは関係ないが、適切にアドバイスなどを送っている影の貢献者などが見えてくるようになります。こういった役職や勤務年数だけでは見えない、会社におけるキーパーソンもパブリックなチャネルだからこそ見えてきたりするものがあります。

上記のMicrosoft Excelの便利な使い方というチャネルの例で、こう言ったチャネルに積極的に投稿し、社員のパソコン利用向上に貢献できる人や、普段なかなか知らない便利な利用方法に精通しているような人の発見等、業務の中だけでは見えなかった人が見えてくるようになると思います。

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利点5. 簡単に繋がれることで、エンゲージメント向上

誰もが自分の意思で、パブリックチャネルを自由に作成することができるようにすると、例えば、興味のあるもの同士でチャネルを立ち上げ、同じ興味を持つ人でつながりあえることができます。従業員とのエンゲージメントにおいて、会社に対して従業員が高いエンゲージメントを維持してもらうことは重要です。それ加え、会社に所属する従業員との間につながりができることは、結果的に会社に対してもエンゲージメントが向上することになり、従業員エンゲージメント向上につながります。

パブリックチャネルから見えるもの

プライベートチャネルと違い、パブリックチャネルは、メンバー誰でもが参加できるため、コントロールができなくなる恐れや、誰もが自由に発言してしまうと収拾がつかなくなると言った恐れも考えられます。しかし、マズローの5段階欲求にもあるように、人は、社会集団に所属したいという、社会的欲求があるため、基本的には、所属している会社に対して貢献しようという作用が働きます。よって、パブリックチャネルの活用は、人が元来持っている組織に対して貢献しようという意思をポジティブに活用できるプラットホームの形だと考えます。


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